ル・ボナーの一日
T氏の優雅な趣向
2006年05月22日
親しくしている印刷屋の若社長のT氏が、奥さんの積み立てをくずして買ったゼニスのエル・プリメロです。
エル・プリメロはここのところデザインが毎年派手になってゆくので、欲しい人は今のうちかもしれません。
それにしても、このタイプでも充分派手で、その上45ミリの大きい方で、目立つ時計です。40ミリの小さい方でも大きく感じます。日本人で45ミリをつけてる人はめったにいないと思います。
秒針はエスケープメントが表から見えるようにくり貫いた窓のところにあり、目をこらさないと動いていることすら確認できません。
その針が秒針であることを、買った本人は知らなかった。
T氏に初めて会ったとき、関西商人丸出しのしゃべり口調にたじろぎながら、ナチュラルな考え方が面白くて、序々に親しくなってゆきました。
第一印象は、車はベンツ、時計は金無垢のロレックス、鞄はルイ・ビトンというお決まりのお金持ちのぼんぼんだと思っていたのですが、知れば知るほどT氏独特の美意識を持っていることを知りました。
T氏は直感の人です。
普通男は、大事な一品を購入するとき、念には念をいれて、ディテールを調べ、歴史を調べ、躊躇を繰り返しながら決断します。彼にはその躊躇がないのです。自由で柔らかなのです。
T氏はブランドの名前に迷わされない、自分の直感で選んだ質の良いシックな品で身の回り品をそろえていて、鞄、革小物等はル、ボナーのものです。が、時計だけは彼なりの美意識で選んだ、目立つ派手なものをチョイスします。
家族を愛し、会社とそこに働く若く才能ある社員を大事に考えながら、働きつづけるヤングエグゼクティブのT氏が、腕に巻いたからくり人形のようなエル・プリメロを見るとき、子供の心に戻れ、安らぎを感じるのかな。
そんなT氏と知り合って、豊かさのバランスを教えてもらいました。
彼は生粋の神戸人だと、私は感じています。
Le Bonheur (08:42) | コメント(2)
Comments
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オカザキさんのブライトリングも美しいですね。
私の場合、ブランド料は払いたくなくて、仕事に対して応分の価値を見つけ出したいので、時計の値上がりには抵抗を感じています。
お世話になっております。
ゼニス“エル・プリメロ”は本当に素晴らしいムーブメントだと思います。
デザインも華美になってきておりますが、価格もウナギ昇りです。
私はブライトリングを持っておりますが、ゼニスと同様、華美になってきてますし、価格も上昇傾向です(来月からまた価格が上がります。)。
10年ほど前でしたら“ナビタイマー”も組み合わせしだいでは20万円台で買えていたのが、今では50万円超となってしまいました。