私の万年筆趣味が最も加熱した時期はあのアウロラ85周年レッド「マダム・モニカ」を入手出来た前後1年あたり。その時期多くの方に万年筆菌を感染させながら、私自身それ以上に多くの犠牲?を生じながら増殖して行った。85周年レッドを入手かなわない反動などと言いながら急激に本数を増やした時期だった。今思うと無理があった。冷静になってみるとそんなに急いで増殖させなくても良いのではないかと感じているボンジョルノでありました。そしてこのところ万年筆に対して少し冷静に接する日々を送るボンジョルノでありました。と言うより色々なモノに興味の矛先が向いてしまい、少ない軍資金(小遣い)の有効利用を考えなくてはいけない状況になったため、万年筆に対して少し冷静になったという方が正しいのかもしれない。
冷静になってみると、現行の万年筆の値段の高さにびっくり仰天。特に限定品と言う名の量産品(100本以上は量産品でしょう)。万年筆は宝飾品、時計と同じぐらい原価に対して設定価格が高いと感じる。私は割高御三家と呼んでいる。しかしそれでも欲くなる魅力を演出し続けるのであれば、そんなモノたち故の特別な魅力が生まれるのだとも思っている。
そんな中イタリアの、筆記具を超えた宝飾品的な万年筆たちには恐れ入ります。イタリアらしさ満開の媚すら内包した美意識は、イタリア好きのボンジョルノにはたまりません。冷静な判断が出来なくなる魔力のようなものを持っている。その思いの私にとっての頂点がアウロラ85周年レッドだった。冷静になったら80周年の方が良く出来ていると思うけれど、入手までの長い道程を思うと、やはり私は85周年レッド「マダム・モニカ」だ。
そのレッドの弟の様な万年筆が限定発売された。地中海ブルーのレジン軸にシルバーのコンビネーションが美しい「マーレ・リグリア」。ただ装飾はレッドに比べて簡素で、イタリア万年筆特有の媚は弱く爽やかですらある。久々に現行品で入手したいと思いつつ値段を恐る恐る確認するとぉ~いけません。やはり高価です。
この写真のマーレ・リグリアは私のでは当然ありません。横浜のIさんが入手した品です。Iさんは私がこの世界に導き入れてしまったお人です。鞄など購入時は地味なチョイスをされる人なのですが、万年筆となるとジキルとハイド氏のように一変して華やかな万年筆を好んで購入される。なので当然イタリア万年筆はいっぱい百花繚乱~。
このアウロラ限定万年筆4本揃い踏みを見よ。なんて華やかでありましょうや。他にも華やかな万年筆いっぱい増殖現在進行形。日々のハードな仕事を終えた時に、これらの華やかな万年筆たちを愛でる事で疲れを癒されるのだそうです-----..?。私もその言い訳使う事にしよっと。
そんなIさんがマーレ・リグリア良いですよと勧める。仕事でPen and message.さんに電話したら「素敵なシリアルナンバーのマーレ・リグリアを松本さんのために取り置いていますよ」だって。包囲網は狭められて来たぁ~。しかし急に思い出して比較してしまった。購入した最新の立派な冷蔵庫より高い~。そんな現実的な事は目を瞑って、手に入れる事が出来るでありましょうか。いやいや今はその気になれない。
私の万年筆趣味はこれからも続きます。一応の目標は煩悩の数までとしておきましょう。しかしこれからはゆっくりゆっくり楽しむ事にいたします。書くためだったらもう充分。ようは愛でて書いて心癒されるかどうかです。煩悩の数まで。それにしても困ったものです。仕事中電話がかかって来たりした時、万年筆が机上に見つからない時焦ります。メモはやはり万年筆で書かないと落ち着かないボンジョルノ。嗚呼こんな私に誰がしたぁ~。
このところ大変気にいって常時携帯しているニューヨーク時代のウォーターマンの「レディー・パトリシア」。薄い鍛造ペン先の鋼のようなしなり具合が独特な、極細の書き味に魅了されている。それに加えこのセルロイドの柄が素敵なビィンテージ。ただレバーフィラー吸入方式の調子が不完全で、一日一回吸入しないといけない。でもそれも楽しい。そんな風に静かに万年筆趣味を満喫しているボンジョルノでありました。
本日、昼間にお伺いしたNから来たSです。本日は直にマダム・モニカを見せていただき、ありがとうございました。お話しさせていただいたアウロラ・ネタを楽しく拝読させていただきました。
それにしても、この4本が並ぶと圧巻ですね。「凄い」のひとことに着きます。私も執務室のデスクに並べてみたいという衝動と誘惑に駆られます。(笑)
また今後とも宜しくお願いましす。
Re: ボンジョルノより
来店ありがとうございました。是非いってみてください。豪華絢爛アウロラの揃い踏みを。こちらこそ宜しくお願いしいたします。