ル・ボナーの一日

坂本商店さんが作る「黒桟革」

2010年10月11日




今年最大の革との出会いは「黒桟革」。国産黒毛和牛の原皮使って、姫路の伝統的なめし技法の白なめしで仕上げた革に、本漆を手もみして出来たシボの突起部分のみに何度も塗り込む。漆をプリントする革と違って、漆が染み込みながら革と融合する。そこから生まれる人が作り上げる貴重革。

私はオール メイドインジャパンな革製品を作りたいと願った。しかしいつも革がネックだった。日本の革は大部分海外の原皮を使って作っている。ジダマと呼ばれる日本産の牛原皮の流通料はわずかだ。その上ジダマだとしても気にいった革とは出会えないでいた。そして始めて出会った正真正銘日本の革がこの黒桟革。

完成が遅れてお客様多くお待ち頂いている今年最も力注いでいる革小物シリーズ「残心 ZANSHIN」のメインレザーはこの黒桟革です。ブッテーロ、シュランケンカーフ、クリスペルカーフでも作るZANSHINシリーズだけれど、和のテースト持ったZANSHINシリーズはこの革と出会い生まれた。ZANSHINもう少し待っていてください。


黒桟革で作ったポーチ・ピッコロも好評で、再生産中。

その黒桟革作っている姫路の坂本商店さんへ見学に行きたいと、販売元のサライ商事の常務に言ったら、まだ取り引き量少ないから駄目なんて言われた。黒桟革でも表面仕上げが特別な仕様のこのタイプはサライ商事特別仕様らしい。近くて遠いこだわり持った職人気質なタンナー・坂本商店さん。

それが何て事だ。以心伝心今日その坂本商店さんの坂本ご夫妻がル・ボナーに来店してくださった。サライの常務が言っていた通り、イカサマチックな多弁なボンジョルノとは違って坂本さんは学者風の静かな職人。しかし黒桟革の話しになると詳しく話して頂けて、誠意が伝わる。そして黒桟革は間違いなくいい革だと確信出来る。この革が生きる製品作りしなければと改めて思うボンジョルノでありました。

素敵な仕事のバトンを受け渡ししながら、魅力持った製品へと昇華したい。
そんな素敵な連鎖が目に見える関係の中から生まれるなら、自信持って世に問える。坂本ご夫妻にお合い出来た今日の午後のひと時は幸せな時間でした。



Le Bonheur (23:03) | コメント(6)

Comments

  1. okamoto より:

    この革、とても興味あります。
    実際、ピッコロを手に取ってみますと、とても素晴らしい質感。
    手触りだけでなく、見た目の素晴らしさにも、ワクワクしてしまいました。
    ピッコロは持っていますので、他の商品で所持する喜びを味わう予定ですけど…。
    いつになりますやら。。。(^^;)
    Re: ボンジョルノより
    黒桟革はこれからル・ボナーの定番革として色々なカタチで登場する予定です。黒桟革のZANSHINを手始めに買っちゃいましょう。でもシュランケンカーフのライムグリーンでもZANSHIN作りますけれど。

  2. okamoto より:

    うーん。。。
    困りますねぇ。。。
    ライムグリーンがあると、つい買っちゃいそうですね。
    暫く、様子見で行く積もりですけど…。
    さて、どうなるコトでしょう。。。(^^;;
    Re:ボンジョルノより
    ZANSHINは末永く続けていく予定なので、
    急がなくても大丈夫ですよ。
    どちらにしても、早く登場させないと。

  3. orenge より:

    「黒桟革」は魅力的ですね。最近は,シュランケンカーフやクリスペルカーフにぞっこんですが,黒桟革には奥深さ(育て方や手間?)を感じます。
    Re: ボンジョルノより
    日本の誠意ある仕事を続けるタンナーさんが作り上げた珠玉の革です。日本も捨てたもんじゃないなと改めて感じております。

  4. tsugu_u より:

    「おお~、これええわ」と黒桟革のポーチピッコロをみて呟いたところ、家内が「それええやろ。1泊旅行ぐらいやったらちょうどええね。」 
    「むっ・・・?」
    家内は「ベルエアー」のことを言っているのでした。
    Re: ボンジョルノより
    良いですね〜そのちぐはぐな会話。私たちもたびたびあるので共感いたします。いっその事両方いってしまいましょう。

  5. ともぞー より:

    完全国産革製品、大好きな「物語り」の匂いがしてとても気になりました
     先日お話頂いたピッコロが良いのか、ZANSHINのペンケースが良いのか悩む所です
     (両方買う為の金策に悩まれるがよろし、と仰られそうですがw)
    Re: ボンジョルノより
    まずはピッコロでしょう。ペンケースはZANSHINの中で最後になるのでまだ猶予があります。是非黒桟革のピッコロを。今月末完成予定。

  6. sakamoto より:

    こんばんは。
    はじめまして・・・
    先日は突然の訪問で失礼しました。
    真っ先に黒桟革のポーチピッコロを見つけて、本当に感激しました!製品になった黒桟革は、ちょっとよそ行きの顔ですましていました(笑)
    ボンジョルノさん、ハミさん、チャーちゃんとお話できて楽しかったです。革に付いて語りだすと止まらない主人ですが・・・黒桟革同様よろしくお願いします。
    黒桟革を気にかけて下さっている方、もうすでにご購入くださった方、ル・ボナーファンの方、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
    Re: ボンジョルノより
    来店本当にありがとうございました。お茶も出すの忘れて、立ったままの長話し失礼しました。黒桟革の製品をこれからいっぱい作れたらと思っていますので、長いおつき合いになると思いますが宜しくお願いいたします。今度私たちも見学に行かせてください。

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