今年最大の革との出会いは「黒桟革」。国産黒毛和牛の原皮使って、姫路の伝統的なめし技法の白なめしで仕上げた革に、本漆を手もみして出来たシボの突起部分のみに何度も塗り込む。漆をプリントする革と違って、漆が染み込みながら革と融合する。そこから生まれる人が作り上げる貴重革。
私はオール メイドインジャパンな革製品を作りたいと願った。しかしいつも革がネックだった。日本の革は大部分海外の原皮を使って作っている。ジダマと呼ばれる日本産の牛原皮の流通料はわずかだ。その上ジダマだとしても気にいった革とは出会えないでいた。そして始めて出会った正真正銘日本の革がこの黒桟革。
完成が遅れてお客様多くお待ち頂いている今年最も力注いでいる革小物シリーズ「残心 ZANSHIN」のメインレザーはこの黒桟革です。ブッテーロ、シュランケンカーフ、クリスペルカーフでも作るZANSHINシリーズだけれど、和のテースト持ったZANSHINシリーズはこの革と出会い生まれた。ZANSHINもう少し待っていてください。
黒桟革で作ったポーチ・ピッコロも好評で、再生産中。
その黒桟革作っている姫路の坂本商店さんへ見学に行きたいと、販売元のサライ商事の常務に言ったら、まだ取り引き量少ないから駄目なんて言われた。黒桟革でも表面仕上げが特別な仕様のこのタイプはサライ商事特別仕様らしい。近くて遠いこだわり持った職人気質なタンナー・坂本商店さん。
それが何て事だ。以心伝心今日その坂本商店さんの坂本ご夫妻がル・ボナーに来店してくださった。サライの常務が言っていた通り、イカサマチックな多弁なボンジョルノとは違って坂本さんは学者風の静かな職人。しかし黒桟革の話しになると詳しく話して頂けて、誠意が伝わる。そして黒桟革は間違いなくいい革だと確信出来る。この革が生きる製品作りしなければと改めて思うボンジョルノでありました。
素敵な仕事のバトンを受け渡ししながら、魅力持った製品へと昇華したい。
そんな素敵な連鎖が目に見える関係の中から生まれるなら、自信持って世に問える。坂本ご夫妻にお合い出来た今日の午後のひと時は幸せな時間でした。
この革、とても興味あります。
実際、ピッコロを手に取ってみますと、とても素晴らしい質感。
手触りだけでなく、見た目の素晴らしさにも、ワクワクしてしまいました。
ピッコロは持っていますので、他の商品で所持する喜びを味わう予定ですけど…。
いつになりますやら。。。(^^;)
Re: ボンジョルノより
黒桟革はこれからル・ボナーの定番革として色々なカタチで登場する予定です。黒桟革のZANSHINを手始めに買っちゃいましょう。でもシュランケンカーフのライムグリーンでもZANSHIN作りますけれど。