ル・ボナーの一日

時代のトレンドに逆行して

2010年04月19日

此処のところ、秋に大々的に登場させたいと思っている革小物シリーズのサンプル作りに集中しています。バウハウス的デザイン思考で作る革小物と言っていたアレです。しかし私の描き出すフォルムやラインは、バウハウス的なエッジが効いたシャープなイメージとは相容れない事に作り始めて気が付いた。だからこれからはバウバウ言わない事にした。そして出来上がったファーストサンプルは、バウハウスではなくてボンジョルノ的?革小物として、創造出来たのではと自画自賛。 私はこの頃流行の金具ジャラジャラいっぱい付いたバッグや、多機能と銘打ったポケットいっぱい付いた革製品に抵抗を感じております。ある大手通販会社に金具ジャラジャラのバッグを作ってもらえないかと頼まれた事がありましたが、それを私に頼むなんてお門違い甚だしい。私の標榜する革製品のカタチはシンプルでありながら必要十分な機能を満たし、丁寧な職人仕事が感じられる品を作りたいと願っています。、耐久性においても革の質感を楽しむ上でも、装飾のためだけの付属品は無い方が良いと思っています。 10%E5%B9%B44%E6%9C%88%20385.jpg 良い革の魅力を最大限伝えるには、料理しすぎない事。美味しいお鮨のような革小物作れたらと思った。職人の包丁の切り方でも味が変わる。手を加えていないようで下仕事をきっちりしていないと生まれないナチュラルな美味しいお鮨。そんな革小物を作り出せたら最高にハッピー。今そんな思い持ってサンプル作っています。 10%E5%B9%B44%E6%9C%88%20388.jpg 革の質感を最大限生かす工夫してシンプルに仕上げる。それでいて機能的にも十分な革小物。ル・ボナーの新しいカタチ生まれそうな予感感じて、いつもと違って?夢中で仕事しているボンジョルノです。 秋には堂々10~15型のアイテムをトータルに登場させる事が出来ればと思っています。現在7型のファーストサンプルが出来ました。お客様に出来上がった品の感想を聞きながら改良加えてカタチを詰めているところです。作り手側の視点だけで作ると間違った思考に陥りやすい。使い手側の視点は刺激受けます。ご意見を選択しながら完成形までの工程の中に加味していこうと思っています。今回は出来上がるまでブログでは公開しないぞと思っていましたが、一点だけファーストサンプルを公開~。 10%E5%B9%B44%E6%9C%88%20355.jpg 筆記具を巻いて収納するタイプのペンケース。 これは前々から頼まれていたタイプのペンケースなのですが、革の質感を十分感じれながら機能も犠牲にしないこのタイプのペンケースを創造出来なかった。でもこのバウハウス的デザイン思考の革小物シリーズをと考え始めて、お鮨のような革小物シリーズとして完結したこのトータルデザインを考えていたら出来ちゃった。まだまだ部分的には改良しなければいけない部分多々あるけれど、良いのではないでしょうか。海苔巻きなんて単略的な感想を言った人もいたけれど、革の質感感じられて上質感あるロールタイプペンケースが発想出来きたのではないでしょうか。 10%E5%B9%B44%E6%9C%88%20356.jpg このロールタイプのペンケースがこの小物群の中でも一番異端。でもコンセプトとしては共通している。この革小物群の名前は一応決まっている。「ZANSHIN(残心)」いかがですか?。「ZANSHIN」とアルファベットだと「斬新」を思い浮かべる。「残心」だと「私馬鹿よね、おバカさんよね~」と歌ってしまう「心残り」が思い浮かぶ。しかしどちらもかけている部分は無きにしも非ずではあるけれど違う。ウィキペディアで「残心」を調べるとその言葉の深い意味に感動する。まさに日本の美意識。私が今回の革小物群を創造する上で表現したいのは正にこの「残心」。バウハウスよりこっちだった。オーバーなぁ~なんて言われればまったくその通り。でも名に恥じぬシリーズにしていく所存であります。その自信あります。

Le Bonheur (22:06) | コメント(8)

Comments

  1. Y.HORII より:

    やはりル・ボナーさんが作ると一味も二味も違いますね。
    使っている革の量の多さに、思わずこちらがワクワクしてしまう。
    Re: Y.HORII  さん
    革の量はたしかにいっぱい使っています。特に内側に使う予定の、フランスのデュ・プイ社のソフトカーフは表の3倍使ってます。その内貼りのの革の肌触りが良くて、触感も刺激すると思いますよ。まだファーストサンプルで変える部分は多くありますが、内貼りの革はこれで決定です。
                    ル・ボナー松本

  2. pretty-punchan より:

    バウハウスのタイトルを降ろすことは正解だと思います。どう考えてもボンジョルノさんのイメージはバウハウスと重なりません、という思いより、革の質感や細部の仕上げなど、バウハウス的デザイン要素を取り入れて下手すると、薄っぺらな出来上がりになるのではないかと危惧していました。
    ところで、このロールペンケース、予約したいのですが…。それにしても「残心」とは。次に備える心構えというカッコイイ意味合いよりも、未練・心残りと解釈してしまいがちなのは演歌が滲みる年頃になったからでしょうか?
    Re: pretty-punchan さん
    今度来店時にご意見聞かせてください。参考にさせて頂き進化させて登場させたいと思います。
    「残心」のネーミングは、実はF奥様であります。テレビで日本語堪能な外国人の方に「一番好きな日本語は?」と尋ねたらこの「残心」と記したそうです。私は聞くまでこの言葉も意味も知りませんでした。日本の心をまるで理解してないボンジョルノであります。アハハァ~。でも素敵な言葉です。
                     ル・ボナー松本

  3. ともぞー より:

    初めてコメント致します、名古屋在住のともぞーと申します。
     もう2,3年前からブログは拝見し、毎朝一番にチェック致しておりました。
     この度間接的に萬年筆菌に感染致しましてWAGNER中部大会に参加、ついに発症(軽度)致しましたw(もっとも時計や鞄はその前からですがw)
     このペンケース、巻物の雰囲気が良いですね!他にもこの手のケースがありますが、革の風格が違うように感じました。近々お邪魔して見る事が出来ればと考えております(子育て中で動けませんが(苦笑))
     くれぐれもお身体に気を付けて良い「作品」をたくさん作って下さい!応援してまぁす!
     追伸:バウハウスで無いというお考え、正しいと思います。ボンジョルノさんのはもっと有機的で甘美で艶がある感じで、バウハウスの無機的な飾りの「一切」を削ぎ落としたような感じとは一線を画していると思っていました。
    Re: ともぞー さん
    初めてのコメントありがとうございます。
    是非一度来店して見て下さい。その時こサンプル見て頂けます。秋にはこのシリーズの革小物たちを一挙に登場させますので楽しみにしていてください。
                    ル・ボナー松本

  4. kame より:

    珍しくコメントしたくなりました。
    僕は今ある作品にもバウハウス的なにおいを感じています。特にブッテーロやクリスペルカーフのカバンや小物には。バウハウス寄り?ただの無難?の私にとってルボナーの作品はシャープで無駄がないと感じています。でも、その中にシャープになりきれない柔らかな部分がのぞいているのはきっとボンジョルノさんとハミさんとチャーの温かさ?幸せな感じ?あくなき物欲?なんだと思いますよ。
    少数意見と思いますが、赤ステッチはやっぱり嫌いです。でも、人気の赤ステッチはやめれないと思いますのでせめて黒ステッチを捨てないでほしいと願うこの頃です。
    Re: kame さん
    カメちゃんからのコメント嬉しいです。夫婦で「ワァ~カメちゃんからコメントが来たぁ~!」と騒いでおりました。私も実は赤ステッチよりほかの色が・・・一番大人しく見える黒革メインでサンプルは作ってみました。赤糸以外にネイビーの色でも作ってみました。まだステッチの色は決めていませんが、革はシュランケンカーフとブッテーロメインで作ろうと思っています。「残心」楽しみに待っていてください。大人の革小物登場させてみますよ。
                     ル・ボナー松本

  5. yagi より:

    初めてコメント致します。宝塚在住のyagiと申します。
    中屋万年筆のシガーロングにあうペンケースを探しています。
    純正の西陣織はデザインに不満があり、某社のミネルバボックス
    のロールペンケースを使用していますが、革質に不満を感じています。
    ル・ボナーさんの製品は何点か使用させて頂いてしますが、品質には満足してます。
    本製品がシガーロングが収まるサイズであることを願っています。
    Re: yagi さん
    シガーロングが収まるかどうかは、持っていないので確かな事は言えませんが、削っていない鉛筆も収まるサイズに作っているので、たぶんいけるのではないかと。お近くなので、もしこちらの方に御用がある時に立ち寄ってみてください。シガーロングをお持ちになって。
                     ル・ボナー松本

  6. orenge より:

    凄くいい感じですね。見た瞬間,名前は「ペンケース紐」だと勝手に思いました。黒に赤ステッチはイタリアのレーシングカーをイメージさせ精悍な感じがします。個人的には黒ステッチのほうが好みではありますが・・・和風な感じがして。
    Re: orenge さん
    和を感じる革小物に仕上がると良いなと思っています。やはり日本の美意識は凄いです。それを革小物で表現出来たら最高にハッピーです。そんな挑戦を始めています。
                   ル・ボナー松本

  7. H より:

    これはいい。
    この海苔巻き 物欲をそそりますねー。店頭に並ぶ頃には、なんとか資金がたまればいいですが。
    手の方が快調だとネーミングも冴えてますね。
    あまり誉めすぎて木に登られても困りますが、今回は座布団12枚くらいでしょうか。
    今度、「残心」用のロゴみたいな物、押し売りに行きます。
    Re: H さん
    「残心」のネーミングは、海苔巻きと言った人の提案です。私は基本的にパープリンなので、親しいお客様たちに支えられて、一瞬知的な職人を演じているわけでありまして~。でも吸収力は抜群です。今回の小物達にはロゴを刻印して販売する予定です。どんなロゴかなぁ~?。
                      ル・ボナー松本

  8. Dio より:

    形になりましたね!この革良かったです。薄皮なのに手に取ると素敵な風合い。それが写真でも伝わって来るので相当なものです。あの後ハミさんご推薦の海が見える場所まで行って景色を堪能しつつ、リスシオ・ワンにアイデアをスケッチ。良きミニマルデザインが完成したと思っていましたがこれには全く敵いません。プロ対素人なので当然ですよね(笑)。
    ZANSHIN・斬新・残心・・・フラクタルな言葉の輪廻。抜刀せず勝利する達人の所作が如く、見たらイチコロ。その素晴らしさに私は斬心されました。
    Re: Dio さん
    バウバウ言っておりましたが、私なりのミニマルデザインを求めていたのですね。日本文化の所作に興味の矛先が向いてきました。そんなカタチをトータルに表現出来たら良いなと思います。「残心」というネーミングが益々良いように思えてきました。名に負けないシリーズにしないと。ワクワクしています。
                    ル・ボナー松本

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