ル・ボナーの一日

コレクター魂

2010年03月17日

10%E5%B9%B43%E6%9C%88%20124.jpg ライターコレクターのS氏から頂いたイギリス・オーリック社の戦前のライター。 メッキが所々剥がれ真鍮部分が一部露出し、表面は長い年月の間に磨耗しデコボコしている。 でも何の問題もなく日々の使用には支障はない。 この状態をわびさびが効いた風情と感じたり、 このポンコツ状態を愛おしく思うようになると、危ない状態だ。 私は大変気に入ってしまっている。危ない状態だ。 S氏はライターを500個以上コレクトしている。もう十分だ。 でもまだまだ追い求めるであろうS氏でありました。 前にもこのブログで書いた事があると思うけれど、奥様にもうライターを収集するのはやめてぇ~!と言われて、一時収集しなかった時期があった。でも根っからの収集癖は別の世界を求めた。マグカップ収集~!。これは奥様の牙城のキッチンを日に日に浸食してゆく。そして奥様は観念して決断した。マグカップ収集はやめて、書斎に収まるライター収集の道に戻るよう苦渋の選択をチョイス。 その後S氏家族は新居に引っ越し、S氏のお母上がS氏不在時に訪問。そして開けてはいけない書斎の扉を開けてしまった。S氏がコレクションしたモノたちがいっぱいのその部屋を見て「ギャーァ!」そして奥様に「何でこんなになるまで放っておいたの~!」と最大の犠牲者である奥様に叫んでしまったお母上。 S氏のライター収集は続けながら、このところ多方向に収集癖が広がっているようだ。 そしてこのところ結構夢中になっているのがステープラ。ホッチキスの事だそうだ。私はイタリアの万年筆メーカー「スティピュラ」が昔つくっていたホッチキスだと思っていたら、そうではなかった。その収集した一部を見せて頂いた。 10%E5%B9%B43%E6%9C%88%20011.jpg 聞いたけれどどれがどれだか分からなくなったけれど、確か前からAREOW(1950年代)BATES(1980年代)RAPID(現行品)BRINCO(1901~1902年)。 誰もコレクションしようとは思わないステープラーに触手が動くS氏はやはり只者ではない。 確かに質感あって面白いではありませんか。 10%E5%B9%B43%E6%9C%88%20014.jpg 特に100年以上前に作られたBRINCOには感動するボンジョルノでありました。 もっと昔の品には、針金を切って曲げて止めるタイプが存在したらしい。 その品をS氏は求め探している。 収集し続けるコレクター魂の彷徨は、他人から見ていると面白い。 S氏のコレクター魂の行き着く先にはどんな世界が待っているのだろうか。 この方がモノについて語る時、どんな品も珠玉の一品だと勘違いする。 歴史的背景からその特別な仕様まで、朗々と語る説明は説得力がある。 そんな趣向を少しだけ持ち合わせているであろう私は思うのであった。 多くの人はガラクタと思っているモノたちを収集するなんていう趣向を、 笑いながら「バカだねぇ~」なんて言いながら楽しめる関係の中で、 育んで(育まなくてもいいけれど)いければ、社会の清涼剤~?。 それが生きる力になるのであれば、まあ良しとしようじゃありませんか。 前にイギリスのミニベロ自転車に乗ってやって来たKさんが、 また別の面白い自転車乗ってやって来た。 この人まだ他にもお持ちのようだ。 10%E5%B9%B43%E6%9C%88%20120.jpg 今回は国産の折り畳み式極小タイヤのKOMA。 この自転車で街を颯爽と走っていると、行き交う女学生の集団は必ず笑うそうだ。 笑いを誘うモノ好き趣味は良いではありませんか。 乗ってみると低速ではタイヤの小ささが災いして不安定だけれど、 スピードをそれなりに出して乗ると、普通に楽しく乗れる。 10%E5%B9%B43%E6%9C%88%20116.jpg こんな風に折り畳むと、ゴルフのキャディーバッグよりスマートになる。 工夫して生まれた道具たちは、特別な魅力をいっぱい発散する。 10%E5%B9%B43%E6%9C%88%20110.jpg そして私の元に、自転車用工具セットが。Kさんありがとうございます。 あとは作業する時間を捻出すれば、新しい楽しみが始まるボンジョルノです。 ル・ボナーに多くのプチコレクターが集う。 プチじゃなくて本格的なコレクターも。 どこか片手落ちで、どこか可笑しな人たち。 私は傍観者として、そんな人たちと楽しく関わってゆければいい。 少し足を突っ込みながら。

Le Bonheur (22:03) | コメント(3)

Comments

  1. しげお より:

    私はお店にお伺いさせて頂く度にまだまだ自分は軽症だと思います。
    しかし素晴しき先輩の集まる店よ永遠に!!
    Re: しげお さん
    いやいや十分重症だと思われます。
    これからも一緒に楽しみましょう。
               ル・ボナー松本

  2. pretty-punchan より:

    新たにフランス及びアメリカから古いステープラーが届き、更にイギリスからも届く予定です。ただ紙を綴じることだけに知恵を絞ったこの道具に急速に引き込まれてしまいました。
     問題点は、万年筆やライターのような携行性に乏しいこと。次いで、秘匿性に劣ること(コレクションが着実に増えていることを家人に隠せない)。更に今のところ、身近なところでは、自分以外にコレクターの存在を知らないことが挙げられます。最後の点において、つまり、そのコレクションを自分以外に評価するものが居ないという点において、フランク・ミューラーのダイヤルコレクションが世界的なMr.Pの悲哀が分かるような気がします。海外では目を瞠るようなコレクションが存在し、且つ魅力的なステープラーが活発に取引されているようです。うらやまし。また次回見せに行きま~す。
        
    Re: pretty-punchan さん
    これからも面白いモノいっぱい見せて下さい。楽しみにしています。それにしてもステープラーとは。でもいいです。何とか奥様と折り合いつけて増やしていってください。そして世界有数のステープラーコレクターに。
    昨日世界有数のフランク・ミュラーのダイヤルコレクターのMr.Pさんが来店されましたよ。そして公開前のこのブログ見て、似た者同士相哀れむと言いましょうか、プんちゃんの偉大さに感動しておられました。市場にあまり出ていない品を世界から入手する手立てはMr.Pさんは抜群です。
                     ル・ボナー松本

  3. Dio より:

    私はモノに魅力を求めざるを得ませんが(笑)、絵になる男ボンジョルノさんには人間としての
    素晴らしい魅力があります。数々の趣味人が集うコアとなり触媒となる。類稀なる存在です。
    素敵なハミさんとともに、いつまでもお元気でいてください!
    Re: Dio さん
    また面白い自転車に乗って来てくださぁ~い。あと何台ほどお持ちなんですか?。
    本当に色々なモノ好きが集まって来ますよね。私は刺激受けながら傍観者として・・・・・頑張ります。
                    ル・ボナー松本

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