ル・ボナーの一日
独立系鞄職人の独り言(1)
2006年01月08日
この機械は革のコバ(切り口)を磨く時に使うバフ機です。この機械を使うことでコバ処理が数段楽になります。値段は2万円ちょっとです。それでもコバを処理するのは鞄作りの中で多くの時間を使うのでもっとスムーズにこの作業が出来ないものかと考えつづけながら鞄作りをしています。
そんな時、大手ミシン屋さんで、効率良く綺麗にコバ処理の出来るイタリア製のコバ磨き機を輸入していると聞き、見にゆきました。ヨーロッパの大手鞄メーカーの大部分がこのコバ磨き機を使っているとの事で、実際に持ち込んだ革をその機械で磨いてみると、コバ処理工程のある程度のところまではスムーズにゆきます。しかし多くの場合小ロットで鞄作りをし、染料で仕上げる私たちのような職人には必要がないと分かりました。このコバ磨き機はアタッチメントの交換が手間で、量産工場でパートの人に顔料仕上げで任せる場合はいいと思うのですが、値段が50万円強します。それだったら素人では難しいけれど、2万円のバフ機を数台買ってアタッチメントの交換をしなくて済むようにした方が独立系鞄職人の効率は良くなるとわかりました。
そのミシン屋さんに、コンピューターに型紙を記憶させて、効率よく裁断する機械がありました。これは2000万円で、よく売れているそうです。
このように、鞄作りの業界でも機械化が進んでいます。職人の技術をスムーズにさせる機械はいいと思うのですが、効率優先の機械化はどうかと思います。鞄作りもシステムエンジニアとパートの人が機械をスムーズに稼動させることを最優先させながら作るのが一般的になり、鞄職人という職業は絶滅するのではないかと思います。
効率最優先の中、昔からの優れた技術を効率が悪いからと放棄した鞄作りが横行しています。独立系鞄職人は優れた技術を後の時代に残す役目を担っているように思うのです。
Le Bonheur (21:43) | コメント(0)
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