こんなふうに~
こんなふうに、50歳過ぎてから馬鹿馬鹿しい状態を呈しているボンジョルノでありますが、
馬鹿馬鹿しいと分かっていながら進み続けるモノ好きの人たちの悲喜劇を、垣間見ることがこの頃多くあります。その度に私はまだまだ良い方だと安心するのでありました。
先日「木星を見る会」を主催していただいたH氏は筋金入りの天体マニア。
その上双眼鏡が大好きでいっぱい持っている。
天体望遠鏡もあのモンスター以外にもっと大きいのもあるようだ。
そんなH氏は格安でライカと社名を変える前のライツの双眼鏡を入手した。
H氏がず~っと前から憧れて、いつか手に入れたいと願っていた戦前の古~い双眼鏡。
現在販売されている同種の双眼鏡よりヌケの良い見え方するそうだけれど、
素人の私が見るとその違いは分からない。
そんな格安で入手したライツの双眼鏡ではありましたが、
私には分からないけれど、ベストコンデションではないと感じて、
ライカに修理メンテナンスを頼みドイツ本国送り。
そのライツの双眼鏡が半年ぶりに戻ってきた。本人大満足。
で修理代聞くと10万プラスアルファ。
購入金額の3倍強修理代にかかった事になるではありませんか。
ヴィンテージは怖いなぁ~と心の中で呟くボンジョルノ。
あれぇ~?その状況どこかであったよな。私のルクルトのフューチャーマチックも購入価格の3倍強の修理メンテナンス代払ってスイスから帰還したばかりだった。
何か変だ。でも愛着は支払った金額以上だと思えるからなお怖い。
人は色々な屁理屈を捻出して、自分の理不尽な行動を正当化するものであります。
新西宮ヨートハーバーを眼下に眺められるマンションに住んでる自転車好きのHさんが、入手したばかりの自転車に乗ってやって来た。
自転車好きなのは知っていたけれど、自転車に乗って来店は初めて。
入手したばかりの6台目で。この後2台が待機しているそうだ。
この方は普段通勤には駅まで電動自転車を使う、
自転車フリークとしては反則技軟弱サイクリスト。
自転車の美しいシンプルなカタチに魅了されてしまったお人です。
当然そういうタイプのマニアは部品はカンパ~。
この自転車で軽自動車並みの値段するそうだ。恐ろしい趣味だ。
奥様は了承するのだろかと尋ねてみると、ママチャリが1万円以下で売っていたりする現代ゆえに、女性は自転車がそんなに高価だとは思いもしないから大丈夫なのだそうだ。
多くのモノ好きの旦那を持った奥様はそのモノの値段は知らない、知りたくない。
Hさんの部屋には現在6台のロードレーサーがぶら下がっている。この後2台がそこに加わる。
多くのコレクターが、モノは売れば換金出来るから、飲む打つ買うに消費するより健全だぁ~なんて言うけれど、あまり変わらないと私は思っている。
その上本人が思っているより所有する古くなったモノには価値がない事の方が多い。
そんなモノ好き狂想曲を呆れながら笑顔で見ている東京在住のダンディーT氏が、奥様と同伴で来店された。還暦迎えたT氏は頭脳明晰理路整然とした論理で私のボンジョルノ的蛮行を笑い飛ばすル・ボナーのご意見番。赤いチャンチャンコ着た21世紀の水戸黄門~?。
こんな喫煙具を愛用して、腕にはルクルトのシックな三針のアンティーク時計。
普段使う万年筆は大井の頑固職人が調整したファーバーカステル。
背筋伸びたスマートな体系で還暦を迎えたT氏は、まさにダンディーと呼ぶにふさわしい。
いつもはネイビーのスーツでキリりと決めているT氏だけれど、今回はオフタイムでの旅行だったので、カジュアルスタイルにパナマ帽被って、ル・ボナーの「ディプロマ」の原型のオーダーで作ったバッファロー革のショルダーバッグでの来店。
このT氏は、熟慮に熟慮を重ねてモノを購入する。
帽子一つ買うのに収拾した資料の量の多さに圧倒されたことがある。
初期型のブリティッシュグリーンのユーノスロードスターを新車で購入し今も乗り続け、
夫婦二人が住むには手頃なサイズのマンションを建築前に内装なし価格で購入し、
親しい職人さんと相談しながら3年がかりで少しずつ内装を仕上げていった。
オーディオ好きの氏は、暇な時間があるとオーディオの視聴室に通いつめ、
これと決めた品を、使い込んで音が馴染んだ頃展示品として安く売られる時に買った。
決してケチではなくて、納得出来る価格でお気に入りの品を入手するのに、
時間をかけて熟成されるのを待つ事が出来る人なのだ。
次のターゲットは自転車だそうです。どんな自転車に落ち着くのか。
私は「ル・ボナーの顧客限定・GR DIGITAL コンバージョンレンズ友の会」?を勝手に結成し、アダプター部分がプラスチッキーで納得出来なかったので、お仲間には無償で革張りを勝手にしている。T氏もコンバージョン派だった。これで私を含めて3人目の革巻きアダプター所有者。
本来コンデジはかさばらないから良いという一般的な考え方に異を唱え、撮る気にさせる外観が大事だと思うボンジョルノであった。
しかしT氏は光学ファインダーを装備していない。これはいけません。確かに必要性全然感じなくて無くても全然いいけれど、カタチから入る場合コンバージョンレンズの出っ張りにはファインダー付けないと納まりが悪い。でも革巻きした二人は両人ファインダーなしだった。次回からファインダーも装着した人にだけ無償革巻きサービスしようかなぁ~。ファインダーが大人とガキの分岐点なのかもしれない。
でもまあダンディーはイギリス紳士よろしく大人なモノ好きスタイルで渋いけれど、
奥様公認と非公認の差は大きいけれど、GR DIGITALはファインダーなしだったけれど?、
同じ穴のムジナであることは確かだ。
そして私もまた、来店する多くのモノ好き狂想曲の真っ只中におられる人たちを垣間見ながら、
同種の部族の一人ではあるけれど、ボチボチ楽しめばいいよなぁ~なんて。
モノはそんなに持っていなくても支障ないのは分かっているけれど、
なぜか増えてゆく今日この頃。でも万年筆はまだ50本だから少ない方だ・・・・・。
いけない、そう思っている事自体が変なのだという事に気付いていないボンジョルノ。
仕事を楽しみ、モノと戯れる日々。
周りの人に迷惑かけなければまあいいかぁ~。
などと書いていたら「迷惑かけてるぅ~家のモノ何も買わずに。テレビはいらないけれど」と
隣にいたハミさまがブツブツ~。
やはりル・ボナーはただの店ではない。自分がまだまだ尻の青いガキに思える。天体マニアの先輩、ライターマニアの先輩、自転車マニアの先輩、僕も諸先輩方に負けぬよう日々、モノに拘る人生を送りたいと思います。(笑)
Re: しげお さん
何をおっしゃいますか。十分立派です。
モノにこだわる人生はバランスが大事だと思うのですがなかなか良い塩梅では収まってくれないのが、困った事であります。近況報告~モンテローザのピックス入手できそうです。
ル・ボナー松本