ル・ボナーの一日
総手縫いダレスの5年目の里帰り
2005年12月15日
5年ぶりに戻ってきた総手縫いのダレスバックです。
オーナーのT氏は10年来のお客さんで、最初の出会いは、イタリアの老舗ブランドのT社のオーストリッチのアタッシェケースを持って来られ、その中にピッタリ納まるセカンドバックのオーダーでした。私はあまり作りたくなく、それが接客にでていたようで、なぜだとT氏が聞くので正直に言いました。このアタッシェは良くない、高級皮革が可哀相だと。その中に納まるセカンドは作りたくないと言いました。だったらどこのブランドの鞄が良いのかと聞かれたのでエルメスと答えると、それ以来毎月のようにエルメスの革製品を購入して持って来られます。エルメスの革製品は作る職人の差があり、これは上手な職人の作ったもの、これは上手じゃない職人がつくったものでと説明し、今ではT氏の購入するエルメスの革製品は素晴らしいものばかりです。普段仕事の時はル・ボナーの鞄を使われています。その中でもこのダレスは一番お供をしている鞄で、お手入れで里帰りしたのは初めてです。素性の良い鞄なので、お手入れすると見違えるほどよくなります。革はブッテーロの黒で写真では分かりにくいのですがステッチはオレンジです。ショルダー革の特徴のスジがはっきり分かる革の表情が見てとれます。いい状態です。
Le Bonheur (21:19) | コメント(0)
Leave a Comment