
オバQ似のYさんが1987年式のポルシェ911カレラを入手したぁ~!。
空冷のポルシェには尊敬の念を持っているボンジョルノであります。
宿命付けられたチャーミングなフォルムとRRで空冷という過去の遺物の様な動力システムの制約の中で、時代のトップを走り続けた動力性能を持ったスポーツカーであるポルシェには心からの尊敬を感じる。
そんな空冷ポルシェに魅力は強く感じる私ではありますが、アルファどころではすまない維持費の事を思うと、私の所有したい車のリストにはありますが維持できる車のリストにはありません。
Yさんは長年車に関係する仕事をしていて、親しくしている神戸では知る人ぞ知る市井の名修理職人からそれまでも面倒を診てきた22年前の程度抜群のこの車を格安で入手した。
早速私は空冷ポルシェを始めて試乗させてもらった。

ドアは高級車の持つ重みはなく軽い。
ギアはフニャフニャで何速に入れたか感が頼り。
内装も全然特別じゃない。むしろチープ。
ハンドルはパワステではなくて幅広タイヤも影響して尋常な重さではない。
クラッチがまた重い。クラッチ操作するだびにヒンズースクワットしてるようであります。
アクセルも重い。長時間の高速走行を続けるなんてことを想像すると恐ろしやぁ~。
その上空冷3200ccのエンジン音が容赦なく進入してくる。
でもダイレクトな加速感は快感で、付いていないのかと思えるほどの硬いサスペンションではあるけれど直進安定性は私のアルファとは比較しようがない素晴らしさ。
硬いサスペンションの突き上げは150キロ以上で走ると感じなくなるらしい。
初めて22年前の空冷ポルシェを運転してみての私の感想は、
私が乗っていた41年前のビートルに似ていて、それに比べてパワー何倍もあって直進性よいけれど、全ての操作に体力が必要な、本当にスポーツする車だと感じた。
憧れだけでは維持できないし、日々の足として使うには相当な覚悟が必要な車だ。
この車を愛し維持し続けるエンスーな人たちは、ポルシェを運転するという苦行と快感の狭間で愛し続けている事を私は知った。
荒馬を操る快感に似たとでも言うのだろうか、安楽には楽しめない特別な思いを持って乗らないと乗れない車だと実感した。
翌日福岡のYさんが出張帰りに神戸に途中下車して来られた。
私はYさんからもう使わないからと1・4の明るさの短焦点レンズを頂いた。
現在そのレンズしか使っていないほどお気に入りのレンズです。
福岡のYさん本当にありがとうございましたぁ~と言う事でYさんはカメラ大好き人間。

今回も出張だというのにこの2本のカメラを持ち歩く。
デジタルカメラは持っていないし使わない。銀塩オンリーの硬派です。
ライカのレンズを装着したミノルタは白黒用。
でもってもう一つのカラー用はハッセルブラッドのSWC。
このブローニーサイズのカメラ美しすぎる。置いてあるだけで存在感十分。
その上35ミリ換算だと21ミリの広角レンズなのだから凄い。

こんなに美しいカメラで写真を撮ってみたい。
でもデジカメのように何枚も撮ってからチョイスするという方法は使えない。
その場ではどんな風に撮れたか確認する安易さもない。1シャッター1入魂。
デジカメの安易さを知ってしまうと、魅力は極めて感じるけれど戻れない。
特別なカメラとの魅力的な付き合い方ではあるけれど、
これもまた空冷ポルシェと同じで安易ではない。
苦しみや困難も含み込んでモノと接する奥深い悦楽。
自身の鍛練と正比例して得られる高尚なモノとの関わり。
素敵だしよりモノを濃密に愛せる方法論であるけれど、
私は憧れを感じながら当事者にはなれずに応援団でいきます。

福岡のYさんは地元で写真展するそうです。
ハッセルで撮った美しい写真見てみたい。
ところがポルシェの購入、山あり、谷ありみたいですよ。
なんとなく、ルボナーに集う人々は、何時までたっても子供のまま(私を除いて)で、それを支える素敵な奥様(ハミさんのような)という気がするのは私だけでしょうか?
Re:三好 さん
何をおっしゃいます。子供のままなのは三好さんも含めて男は皆です。理路整然と論理的でないから人生楽しいじゃありませんか。ただその度合いは大小色々で、私のように表面をかじるだけですんでいる小心者で良かったなぁ~と来れるお客様たちと接していると思う今日この頃であります。ハイ。
ル・ボナー松本