ル・ボナーの一日

新お手入れ名人現れる~!

2009年01月08日

革はなめし方法や仕上げの違いで最善のお手入れ方法が違い、 一般的なお手入れ方法が逆作用することも多々あります。 厚化粧していないなめしがしっかりされている革を選択しているル・ボナーの革たちにしても、 革の種類によってお手入れ方法は微妙に違ってきます。 同じイタリアのピュアタンニンなめしのブッテーロとミネルバ系にしても違います。 ワルピエ社のブッテーロは植物性オイルを使っていて、 バタラッシー社のバケッタ製法の革は動物性オイルです。 当然お手入れ用に使う保革オイルはそれに準じなければいけないということになります。 ゆえにル・ボナーは保革オイルを使わない 革自身が持っている生命力に頼ったお手入れ方法をお勧めしています。過保護は禁物。 良い革は自助能力を持っていてそれを発揮してもらう手助けをするというお手入れ方法。 ル・ボナーのお客様には何人かの革製品お手入れ名人がおられます。 革と会話しながら最善のお手入れ方法を探し当て楽しんでおられる。 私はそんなお手入れ名人のお客様たちから多くの事を学びます。 ブッテーロという革は復元力が特別で大好きな革なのですが、 爪傷とかが目立ちやすく、雨のシミとかも気になる神経質な表皮の革です。 使い続けて時間と共に気にならない状態へと復元するのですが、 時間が必要でその時点での修正は難しいと思っていました。 昨日グリーンのブッテーロの天ファスナーを1か月前に購入されたお客様が、 「こんな風になりましたよ~!」と持って来られました。 %EF%BC%90%EF%BC%91%EF%BC%90%EF%BC%97%E5%B7%AE.jpg 右が1か月使用された品で、左が新品。 明らかに1か月使用された品は光沢が出て革の肌理が細やかな表情。 たった1か月使っただけでこの革表面の表情は驚き。 その上爪傷は色々つけたけれど収まるというオーナー。 これまでこの方が愛用しているル・ボナーのブッテーロで作った小物の 清潔感のあるエージングには驚かされてはいましたが、 同じようなエージングをカバンという大きな盤面になると難しいのではと思っていましたが、 同じように素敵な表情見せてます。これは凄い。 どうやってこんな風に進化させたのかとお聞きすると、 ただ時間があるとハンカチで磨き続けただけだそうです。 爪傷も繊維の緻密なハンカチのような生地で磨くと消えるそうです。 やはりブッテーロという革も過保護なお手入れせずに、 乾布摩擦で肌を鍛えるように、表皮を磨き続ける愛情が素敵なエージングを生む。 改めてブッテーロの潜在能力に惚れ直しました。 ブッテーロという革はお手入れ気にしなくても復元力があって生命力の長い革です。 過保護なお手入れをするのなら、しない方が長く使えます。 でも革と会話しながら最適なお手入れ方法が見つかって実践すれば、 特別な愛情注げるカバンに変身し、なくてはならない相棒として長く付き添ってくれます。

Le Bonheur (12:35) | コメント(7)

Comments

  1. 茨城 より:

    いやー 素晴らしい~!
    艶って感じですね!
    わしのバーガンディーも元気に毎日活躍してくれています。
    確かもう半年近くなると思いますが、全く新品同様です^^
    新年になり、バーガンディー色の革靴と革のブーツを購入してしまいました(汗)
    Re:茨城 さん
    使うと当然色々な傷が付くと思いますが新品同様ということはあまり使用頻度がないということでしょうか?。
    是非ガンガン使ってオリジナルなエージングを楽しんでください。履物もバーガンディーは完璧な伊達男ですね。
    楽しんでください。
                           ル・ボナー松本

  2. ノブ より:

    驚きました。ブッテーロにはハンカチですか!早速試してみます。柔らかい布で優しく水拭きをしていましたが、乾布摩擦で鍛えるのが良いとは。勉強になります。
    Re: ノブ さん
    お恥ずかしい。乾布摩擦を寒風摩擦とかいてしまいました。さっそく修正しました。ありがとうございます。
    私も水拭きが最善と思っていましたが、普段はハンカチで優しく摩擦を掛ける方が良いようです。
    シュランケンカーフお手入れ名人さんお試しください。
                             ル・ボナー松本

  3. pretty-punchan より:

    大変参考になります。肌理の細かい布で拭くことによって、表皮の非常に細かなピンホールが埋まってくるのと適度になれが出てくるために光沢が生まれるのかな?そういえば、6~7年ほど前に買わせていただいたブッテーロのぼっちゃりポーチは小脇に抱えるうちに脇腹が当たる部分に著しく光沢が出ています。早速今晩からハンカチで磨くように執事に命じることにします。
    by 主人兼執事
    Re:pretty-punchan さん
    ぽっちゃりポーチはミネルバリスシオではないでしょうか?。ミネルバリスシオは水拭きした後乾いてから乾拭きが良いと思います。執事に命じてください。
    pretty-punchanさんはいつも四方山話をしに来てるだけだと思っておりましたが、ル・ボナー製品をいっぱい購入されていたんですね。おみそれいたしました。そしてありがとうございました。でもお得意様だと分かった後も、同じように辛辣な会話でいかしていただきます。
                           ル・ボナー松本

  4. 三好 より:

    もちろん乾いたハンカチで、ですね?
    ちょっと、いやとっても感激!早速やlりはじめます。でも電車の中で「こつこつ」とやっていたら、変人に見られてしまいますね。気をつけねば。
    そうそう、今日後輩Yが例の店に行って、2本ゲットしたそうです。
    Re: 三好 さん
    そうです乾いたハンカチです。
    大丈夫です。三好さんなら・・・・・・?。頑張ってハンカチで磨きましょう~!。
    今三好さんの太だれすメンテで里帰り中なので、少し磨いてみましたが艶でましたよ。引き取りに来られるのをお待ちしております。
    だめですよ。万年筆菌に後輩さんを感染させては。
    治りにくい病なんですから。
    去年入手した万年筆の数を調べたら思ったより少なかったです。計19本でした・・・・・・・・。
                                  ル・ボナー松本

  5. tsugu_u より:

    お手入れ名人さんのブッテーロ天ファスナー、すごいですね。もっと複雑な手入れをしているのかと思っていましたが・・・。
    私もさっそくハンカチで手入れ、と思い名刺入れ、小銭入れを出してみるとひっかき傷だけ・・・。恥ずかしいのでしばらくル・ボナーにはご無沙汰しよう~っと。
    ちょうど前回のブログをみてパパスショルダーが欲しくてたまらなくなりましたので。
    Re:tsugu_u さん
    ひっかき傷だらけでも大丈夫です。傷部分を濡らしてからハンカチで磨けばあぁ~ら不思議、収まりますよ。
    今度お持ちください。実際に私がお手入れでひっかき傷を納めてみますから。その時パパスショルダーの魅力も実際にお伝えしますので、宜しくお願いします。
                            ル・ボナー松本

  6. taka より:

    ご無沙汰です
    ブッテ―ロ・ダレスの手入れの失敗例
    上野の〇〇の教えに従ってデリケートオイルを月1回刷り込んだ結果
    全体にムラのある色落ち、傷から固まった染料が吹き出し、時々削るはめに
    天然カルナバ蝋をヌレと教える店もありました(さすがに信じませんでしたが)
    鞄を売っていても、革の正しい知識を持っているとは限らないのですね
    それはそれで「味」とするしかないとあきらめていますが
    会長の作ったものうまく育てきれなかったのが残念
    プエブロのダレスは、おっしゃるような手入れをしていますが、エージングがあまり進みません
    さらに、がんばってみるつもりです
    20日の週に神戸行きです、また連絡します
    Re:taka さん
    久々のコメントありがとうございます。
    作るたびに太ダレスも細部の変更をしていて、数年前に作ったものより数段進化しています。特に大きな違いは革の厚みを変えた事です。それでより素敵な経年変化を楽しめるようになりました。でもtakaさんのダレスも雰囲気ありますよ。
    プエブロで作ったダレスの方は未知数です。でも今度お持ちいただいた時にバケッタ革のベストのお手入れをやってみましょうよ。前回しようと言ったら起毛を残したいと言っておられましたが、こだわり捨てて磨きましょう。そしたら凄い変化楽しめますよ。
    お会い出来るのが楽しみです。
                              ル・ボナー松本

  7. オカザキ より:

    お世話になっております。
     私は、「石田洋服店」さんが「江戸屋」さんに別注なさった白山羊毛のシューケア用ブラシでホコリはらいも兼ねてブラッシングしてます。
     仕上げ(ポリッシング)用というコトもあって、イイ光沢出ますヨ!!
     ブッテーロ以外では、コードバン,サドルプルアップでも使ってます。
    Re:オカザキ さん
    ここにもお手入れ名人がおられましたね。
    革製品のお手入れは革と会話しながらベストの方法を各人が工夫して、そんなお手入れ名人の情報を多く取得出来る私の立場は役得であります。
    これからも宜しくお願いします。
                            ル・ボナー松本

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