ル・ボナーの一日

スーツを誂えに石田洋服店さんへ

2008年07月26日

前々回のブログで書いた経緯から、結婚式用のスーツを誂えることになり、 早速、私の服飾アドバイザーであるMさんに引率されて、石田洋服店さんを訪れた。 私はスーツを誂えるのは、初体験であります。ドキドキしております。 石田洋服店さんは、この神戸の離島と呼ばれる人工島・六甲アイランドにおいて、 センスの良いクラシコイタリアなスーツを仕立てることで全国的に人気のあるお店です。 石田洋服店さんのオーダーベルトは私が作っていて、色々と関わりながら、 一緒に六甲アイランドで頑張っている仲なのですが、私は普段スーツを着る機会が少なく、 今まで冠婚葬祭用に、友人から頂いたダブルの黒のスーツ1着で充分だった訳であります。 それがボンジョルノがボンジョルノであり続けるためには、 結婚式用のスーツを誂えるべきだと言う事になり、ハミも賛同し、石田洋服店さんに。 一人では行けない内気な私は、言いだしっぺのMさんに同行してもらい、行くことになりました。 %EF%BC%97%E6%9C%88%20056.jpg 石田洋服店の主人の石田原さんは、私と同世代ですが、 私のようにランドセルを背負ったオヤジではない。 慶応ボーイで、商社マンとして長くヨーロッパ勤務した経歴を持つ、 豊かな知識を持ったモノ好きな紳士です(モノ好きであるところだけはボンジョルノといっしょ)。 私はスーツの事、生地の事はまったく素人です。 洋服について深い知識と見識を持つ石田原さんとMさんに、色々な説明を聞きながら、 生地を選び、スーツの仕様をチョイスしていきました。 でも基本的にはよく分かっていない私ですから、二人におまかせ。 カバンの事、革の事であれば得意で、雄弁になる私なのですが。 %EF%BC%97%E6%9C%88%20063.jpg ただこれだけはお願いした。 本来礼服で被る帽子である、私の大好きなのボウラーハットをこの機会に被りたい。 イタリア・グエラ社製のこのウサギの毛のフェルトのボウラーハットに似合う、 礼服にして欲しいと頼んだ。さあどんな礼服が出来上がってくるのか楽しみです。 来月始めには仮縫いがあり、9月はじめには出来上がります。 仮縫いの時、希望を最大限伝えチョイス相談することが肝要とM氏。 その事で、特別なモノに一着のスーツが変身すると言う。 スーツの生地はイタリア製のソフトなグレー色。 それに光沢のあるホワイトグレー生地のベスト。 名探偵ポワロが着ているような、襟付きのベストにしたいと言ったのだけれど、 礼服には合わないと、専門的知識を持った二人の意見一致で却下。 生地を選んで、仕様をチョイスして、採寸して、 石田原さんとはモノの話はあまりしたことがなかったのだけれど、 Mさんも居たので、色々話す事が出来た。 石田原さんは時計も好きで、イギリス滞在時に購入したアンティークも含め、 100本ほどの時計を所有しているらしい。完全なコレクターだぁ~。 3人は現行の時計たちの多くが、 成金趣味的な見た目の派手さと、価値以上の価格高騰を嘆いた。 3針時計はケース径35ミリまでが良い感じというのが一致した意見。 だからアンティークに走る。 あれぇ~。素敵なトランクがいっぱいあるではないですか。 石田原さんは箱モノの鞄が好きなのだそうです。 %E7%9F%B3%E7%94%B0%E5%8E%9F%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3057.jpg 私の大好きだった頃のグローブトロッターのトランク。 現行品は付属に革を使い、高級を演出しているけれど、 昔のオールファイバーの方が、グローブトロッターは潔くて素敵だと私は思っている。 石田原さんのお父上が洋行する時使っていたトランクなのだそうです。 %E7%9F%B3%E7%94%B0%E5%8E%9F%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3059.jpg エースに買収される前のサムソナイト。 私はこの時代のサムソナイトのトランクの意匠が好きだ。 工業製品としての合理性から生まれたこのトランクは、現在でも十分魅力がある。 私はLVのトランクより、このトランクの方が好きだ。 アメリカの古き良き時代の夢がいっぱい詰まっている意匠。 この程度抜群の大中小3点セットをイーベイで落札したそうです。 私も欲しい。だって3点で2万円ほどだったそうです。石田原さんは買い物上手。 %E7%9F%B3%E7%94%B0%E5%8E%9F%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%20061.jpg このクロコのトランクも立派。 程度抜群で、錠前もブラスの削り出しで、素敵な質感。 このレベルのクロコのアンティークトランクはなかなか見ることができない。 良いモノみせていただきました。 良いモノは時間が淘汰して残って行く。 そんなモノを作りたいし、そんなモノを所有したいと思う。 今回誂えるスーツも、そんな1着として付き合っていきたい。

Le Bonheur (06:45) | コメント(4)

Comments

  1. d-sakata より:

    どうしてなんでしょうか?
    ボンジョルノ氏を取り巻く方々はこうも拘りを持った方ばかりがここに集うのでしょうか?それはきっと自分の拘りの正当性を?いやいや失礼、お互いを認め合うとでも言いましょうか、正当化しているようにも思えます。ここに足を踏み入れるのは勇気が要ります。しかしちょっと踏み入れたい気もあります。意外と浅いと思っていた所が実は底なし沼だったりして。

  2. ル・ボナー松本 より:

    Re:d-sakata さん
    スーツを普段仕事で着ている人には、スーツを誂えるという事はごく普通の行為なのかもしれませんが、私には一大事件なのであります。50過ぎても新しい事にドキドキできて、楽しいです。
    昨日も10か月で20本ほどのアンティーク時計を入手した困った人が久しぶりに来られた。その時奪い取った懐中時計を、今度来られた時お見せしますね。

  3. d-sakata より:

    御尤もなご意見です。ボンジョルノ氏も私も作業着が制服ですからね。確かにネクタイ、スーツ姿には昔から憧れがあって、本当にたまにしか着ないモノだからこそそこのところに拘りを持ちたいですね。でもお互いメタボ体型ではやはりオーダーものでないとキッチリ嵌るものも嵌らなくなってしまいます。体型によるボタンの位置の話は参考になりました。こんど誂える時の大いなる参考にさせていただきます。誰かに言われましたが、六甲アイランドで幾つもお店がある中で本当の拘りのあるお店が三つあると。そのなかの二つは御贔屓させていただいておりますが、まだ悲しいかな最後残ったお店がそのオーダーのお店です。
    当然、あとの二つはこの鞄屋さんとペットショップだそうです。

  4. ル・ボナー松本 より:

    Re:d-sakata さん
    先生も石田さんのところでスーツを誂えましょう。私も一緒に行ってメタボ体系を誤魔化すポイントを伝授しますので。ピタッとフィットした手縫いのスーツはパジャマを着ているのと同じぐらい楽だそうですよ。

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