ル・ボナーの一日

大好きなペリンガー社のクローム革

2008年05月24日

休日を返上して東京に行ってきました。目的は来日しているドイツ・ペリンガー社の社長さんにお会いするためです。決してお目当ての万年筆を銀座のユーロボックスで手に入れるのが主な目的ではありませ~ん。でも手には入れたので、調整して届き次第その万年筆は紹介しま~す。 本題に戻ります。 ペリンガー社はドイツのクロームなめしのタンナーで、140年以上の歴史を持ち、クロームなめし技術がアメリカで考えられ、世界で最初期にクロームなめしの革を製品化したタンナーです。 多くのクロームなめしのタンナーの革が品質低下している中、ペリンガー社は良質なクロームなめしの革を、安定して作り続けています。 それを現在も続けられているのは、古い歴史を持ちながら家業として革作りを続けてきたことで、品質を落して利益最優先のグローバル経済的考え方を良しとしない革作りを守り続けているからだと思う。 ただドイツの革はラテン系の国の革に比べて色に対して弱い。 しかしペリンガー社の場合はその部分も、最高の革色を誇る雲上ブランドの革を作る事で、ドイツ革とは思えない色を表現している。ラテン系の感に頼った色出しではなく、データーの積み重ねからカラフルな色を作り出している。なめしの良さは犠牲にすることなく。 %EF%BC%91%EF%BC%90%E6%9C%88%20610.jpg %EF%BC%91%EF%BC%90%E6%9C%88%20612.jpg 私はそんなペリンガー社が作り出すクロームなめしの革が大好きです。 カタログの写真を見ると、大手のクロームなめしのタンナーの工場の機械化が進んでいる現在において、多くの部分がローテクであることに驚かされる。まるでタンニンなめしのタンナーじゃないかと思うほどです。それがこの素敵なクロームなめしの革を生んでいる秘訣なのかもしれない。 私はそんなペリンガー社が作るクリスペルカーフがどうしても欲しくて、ペリンガーの社長さんが来日されたこの機会にお願いすることにしたのです。 クリスペルカーフは世界一のボックスカーフ系の革だと私は思っています。伝説の4分の1世紀前に作られていたカールフローインベルグのボックスカーフにも負けない素晴らしいなめしの革です。 クリスペルカーフがどうしても手に入れたかった。3か月後には届きます。手作業で仕上げられた世界一のクロームなめしの革が。驚くほど高価ですが、世界一の牛革なのですからしかたありません。 %EF%BC%91%EF%BC%90%E6%9C%88%20618.jpg クリスペルカーフ(黒)とシュランケンカーフのライムグリーンとライトレッド ペリンガー社の作るシュランケンカーフも世界一のシュリンク革だと思っています。この革は今までスポットで入手する方法しかありませんでした。そのため希望の色を満足な数入手する手立てがありませんでしたが、高価でまとまった数を頼まないといけませんが欲しい色を購入できるようになりました。これであまりスポットでは入手できなかったライムグリーンやライトレッドを購入することが出来るのです。 信念を持って素晴らしいクロームなめしの革を作るタンナーの革を私は使いたいと思っています。 ペリンガー社の革はそんな革です。 会見後、浅草で飲んだ。2軒目は浅草らしくない洒落たバーへ。 大好きなペリンガーの革が安定して手に入る期待感で高揚気味、アルコール度数高めのアイラのカスクなんぞを飲んだものだから、店を出る時は少し千鳥足。人影まばらな浅草の夜の空気が気持ち良い。 今日の宿は浅草のビジネスホテル。一泊朝飯なし8000円。いつもの東京の常宿・学士会館は満室で泊まれなくてそれだけが残念。早めに予約していればよかった。次の日東京駅までバスに乗って浅草を後にし、午後1時にはル・ボナーに戻っておりました。今回の出張は公私両方に収穫がありました。

Le Bonheur (05:56) | コメント(2)

Comments

  1. orenge より:

    持ち主を輝かせる革ですね。

  2. ル・ボナー松本 より:

    orenge さん
    作っていて楽しい革です。でも処理に工夫が必要な革でもあります。

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