ル・ボナーの一日

シェーファーのスノーケル、オノトいいなぁ~

2008年03月30日

共通する趣味における会話は楽しい。 特に認識を共有出来ると、至福の時間であります。 昨日横浜から0さんが来られた。 この方若くして万年筆菌に感染した幸せな?お人。 勤め先がいけなかった。 万年筆いっぱいの銀座界隈にオフィスがあり、 お昼休みは近所にあるユーロボックスを覗き、 帰途途中フルハルターで頑固職人の講釈を聞く日々。 好んでそんな場所に関わると、もう戻れない環境。 そんなOさんとお会いするのは2度目。 3年ほど前に来店された時は、私はまだ万年筆菌感染者ではなかったので、 万年筆を見せられた記憶はあるのですが、全然興味を示さなかったようで、 Oさん寂しく帰っていかれたそうでありますが、今は違います。 ここ2年で私は、万年筆を売っていなくてカバンを作って売っている万年筆屋のオヤジと呼ばれることを名誉と思う困った人に変わり果ててしまった。 %E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%82%AB%E3%83%AB%E4%B8%87%E5%B9%B4%E7%AD%86%EF%BC%94%E6%9C%AC.JPG Oさんは万年筆を驚くほど所有しているわけではない。 ただインク瓶のコレクションは凄い(100個以上のインク瓶を画像で見せてもらった)。 そんなOさんが持って来られた万年筆4本、興味をすごくそそられた。 あっち行ったり、こっちへ行ったりと定まらなかった私の万年筆趣味の方向を、 決定づける4本でありました。 %EF%BC%B0%EF%BC%A6%EF%BC%AD%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%AB.JPG シェーファーのPFM-Ⅲスノーケル(1960年頃)。 私の大好きなシェーファー独特のペン先。 そしてなんとペン芯の部分からインク吸入ノズルが出てくる! プランジャー吸入方式に似た所作で吸入完了。面白い。 カートリッジを付け替えればそれでOKが当たり前の現在の万年筆。 その方が壊れない(壊れる部分が少ない)。 それに比べこのスノーケルのような無駄にメカニカルな吸入方式は、 壊れたらという不安がつきまとう。 でもなんてバカバカしくて面白い無駄な努力という豊かさ!。 %E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E8%B1%9A%E9%BC%BB.JPG 豚ペンと呼ばれている独特のペン先形状のシェーファー クレスト?(1965~70年)。 この豚ペンもPFMと同じペン芯からノズルが出てくる吸入方法のペン。 胴の色は昭和レトロ、それにキャップが金属のコンビは古き良き時代の憧れのアメリカンコンビネーション。 %E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF.JPG モンブランの二桁シリーズの#12(1960年頃)。 現行のモンブランに似た中庸の書き味は、万年筆の王道。 ペン先のデザインは、時代の流行を感じさせる。 私が生まれた昭和30年代前後の流行の意匠に魅力を感じる私です。 %E3%82%AA%E3%83%8E%E3%83%88.JPG 出ました!。幻の万年筆、イギリスのオノトです。商品名はマグナ(1930年代)?。 プランジャー吸入方式の元祖オノトは、その吸入方式のメンテナンスが大変で、 そのため現存する万年筆が少ない貴重なコレクターズアイテム。 書いてみると、柔らかなペン先とインクフローの豊かさによって毛筆のような書き味。 セルロイドの胴は鼻を近づけて嗅いでみると、独特の香りがノスタルジック。 興味のない人にはガラクタ、でも興味のある少数の人には特別なアンティークな品が私は好きなようです。 今度の東京出張、寄り道してユーロボックスに行きたいと思っております。

Le Bonheur (06:03) | コメント(8)

Comments

  1. たか より:

    怖い世界ですね~。
    私も数本所有していますが、MontblancとPorche Designだけでございます。あ、ファーバカステルもありますね…。
    Montblancは少し古い世代のものがありますが、二桁は持っていないので…。

  2. pretty pun-chan より:

    これからの進むべき方向性って、ヴィンテージ品のコレクションですよね?ようこそヴィンテージの世界へ。「知らなかった」の連続と「滅多に手にはいらない」という甘い誘惑。そうです、ヴィンテージこそが冥府魔道。いちど足を踏み入れてしまったがために、二度と娑婆には戻れなかった者多数。あ~あ、恐ろしきはヴィンテージ…
    (by ヴィンテージ・ライターコレクター)

  3. 小野英一 より:

    やっぱりシェーファーは綺麗ですね。改めてそう思いました。

  4. ル・ボナー松本 より:

    たか さん
    全然時計より怖くないですよ~。
    昨夜も万年筆首脳会議?でバーにいきました。酔ったぁ~。
    ファーバーカステルではないですが、スネークウッドの万年筆近々入手決定!
    pretty pun-chan  さん
    新品は琵琶湖、それがビンテージだと太平洋みたいに選択の幅が広がって収集がつかなくなると諭したpretty pun-chan さんのお言葉を深く受け止めております。
    ただ私はもう52歳、余生短くほどほどのところで落ち着くのではと思うのです。ライターン百個なんていうとんでもない愚行は決して~~なんて言えないよなぁ~
    小野英一 さん
    PFMは現行品と同じ太さです。意匠もにています。でも吸入ノズルが伸びてドキドキワクワク。この万年筆は是非とも入手したいと考えております。長期計画で。

  5. めだか より:

    おお、素晴らしいコレクション!ビショップリングの#12の書き味は格別ですよね(ワタシ持ってませんが…)。
    それにしても、ついに悪魔の館に…。上京の折にはお知らせ下さい。一緒に行きましょう。

  6. ル・ボナー松本 より:

    めだか さん
    悪魔の館に行ってみたいです。
    もしご一緒できるのならば、心強いです。私は大変小心者なもので。まずはスノーケルです。今この万年筆が大変気になります。
    ユーロボックスだったら、壊れたらと不安なメカニカルな万年筆も、安心して購入出来ると知り、その方向に進んでいってしまいそうです。怖い、怖い。

  7. ノブ より:

    ヴィンテージの世界へ足を踏み入れる覚悟をされたのですね。私には、その勇気がありません。
    新しい物にこだわる訳ではありませんが、自分の心象風景に寄り添う品を探し続ける私がいます。
    しかし「ペリカンの101N トートイズシェル」は憧れます。

  8. ル・ボナー松本 より:

    ノブ さん
    デスクジュエリーなモノをノブさんはお好みのようですね。「ペリカン101Nトートイズシェル」は私も好きです。でも市場価格が高過ぎる。私は10万オーバーの万年筆は買わないと決めています。10万オーバーで手に入れたかった万年筆は時が経って納得価格で手に入る機会まで待ち続けます。今の私はアウロラのレッドがそれです。レッドの私の納得価格は8万円です。レッドは特別で、万年筆購入価格は1本4万円ぐらいまでで魅力的な万年筆を手に入れたいと思っているので、アンティーク方向に行ってしまうわけであります。いやいや、万年筆は1本で十分。1本で十分と思える万年筆を探して右往左往増えてゆく~。

Leave a Comment

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

アーカイブ