ル・ボナーの一日
2008年初めての東京出張
2008年01月24日
ホームページに載せている革小物の多くは長らく欠品状態が続いています。
従業員が居た頃はル・ボナーの工房内でみんなで力合わせてワァ~と頑張って作っていたのだけれど、二人のル・ボナーになってからは名人小物職人に量産をお願いしていた。しかしその小物職人さんも、その技術力をかわれ大手小物メーカーの中国工場の技術指導のために行っちゃって頼めなくなってしまいました。
小物の場合、本体の縁をヘリ返す処理のモノを作る職人は多くいるのだけれど、コバ磨きで処理する革小物を丁寧に作れる職人は大変少ない。
ル・ボナーではコバ磨きの小物にこだわる。へり返す小物の場合、薄く漉いた革をヘリ返すので縁が擦り切れると修理不能で、誤魔化しながら使うか買い換えることになる。それに比べコバ磨き処理の小物は縁が剝げても磨き直せば元の状態に戻る。ただコバ磨きの革小物の場合カジュアル(ラフ)な製品が多い。丁寧なコバ処理の革小物でないとイヤです。
時々カバン作りの合間をぬって革小物を自身でも作りますが、全然間に合いません。
私たちの希望に沿った革小物を作る職人さんを探し求めました。
何人かの職人さんに試作をお願いし満足できなくて、やっとこの人なら直接ポイントを話し合えばル・ボナーの小物を作っていただけると思った職人さんに出会えました。
今回の出張はその職人さんに会う大事な出張です。
中国の工場に行っちゃった職人さんに作っていただいた折財布。丁寧な仕事です。
作った財布の部分見本と型紙と修正箇所を記した資料を持っていざ東京へ。
私と同年代のIさんは爽やかな職人さんでした。多くの事を話し理解していただいたと思う。
珍しく柔軟な思考の職人さんで、私の話もこだわりなく聞いていただける。
今回はうまくいきそうな予感。
私の強みは自分で作れるということ。独立系鞄職人には珍しく量産も経験しているので、独立系のこだわりと量産のバランスを考慮出来る部分が大きい。独立系職人のこだわりだけでは数をこなす職人さんは作る意欲をなくす。逆に絵型でデザインだけを提示する大手の企画だと、既存の作り方を越えることが出来ないし、消費消耗するモノ作りを良しと考える部分が製品に出てしまう。
もう5年以上使っている名刺入れ。コバはまだ全然痛んでいません。
財布の内側とはこの部分のことです。
メンズの折財布、小銭入れの付いた折財布、長財布、名刺入れ、小銭入れ他にも色々作らないといけない革小物がいっぱい。次回出来上がる試作できっとGO~出来るはず。
普通の財布は見えない内側にはビニールや生地を使っていますが、ル・ボナーは革を使います。今回は丈夫なデュ・プイのカーフを使う予定です。表はこれからはブッテーロでいきます。
待ちに待ったメンズの小物、今回は大丈夫だと信じています。そんな印象を持った東京出張でした。
Le Bonheur (22:39) | コメント(4)
Comments
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たなか さん
多くの人たちの共同作業が好きです。財布待っていてくださいね。 -
私は名刺入れ待ってます。
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三好 さん
まずは名刺入れだと思っています。ところでコンステどうなりましたか?こそっと教えてくださぁ~い。
おかえりなさい。
良い方と巡り逢えて良かったですね。
財布楽しみに待っています。