
計画してから半年、フラソリティー バイ ル・ボナーで販売する絞り技法のペンケースの写真撮影用に全色初めて揃いました。公開、こうかぁ~い!。
私の大好きな,
イタリアのワルピエ社のブッテーロの黒、チョコ、茶、グリーン、バーガンディー(ワイン)の5色での登場で~す。ブッテーロはタンニンなめしの革の中では抜群に発色が綺麗な革です。
内側もブッテーロを使ってます。
このペンケースを完成させるまで紆余曲折大変でありました。
TAKUYA君の手縫い手絞りのペンケースを知って、絞りの技法を使ったペンケースを量産できないかと考え検討に入りました。絞りの技法は、革のランドセルや学生カバンの前面部分によく使われた技法で、作業用の工具をベルトにさげるケースや昔はカメラケースにもよく使われた技法ですが、絞りをする職人さんは大変少なくなっています。
特に今回どうしても妥協できなかった裏に革をはりあわせた状態での絞りが出来る職人さんを探しだすのが難儀でありました。タンニンなめしの1枚革を絞れる職人さんはまだおられますが、2枚貼り合わせで絞るとなるといない。
今回もやっと見つけ出した名人絞り職人さんが夏場入院してしまい、他に絞りのできる職人さんを探したのですが、満足な絞りが出来る職人がいない。1本差しは絞りがゆるくて柔らかい。3本差しに至っては仕切りの溝の部分の革の表皮が裂けてしまってお話にならない。2枚貼り合わせた状態で絞るとなると急に難度が高くなってしまうのです。
結局最初に知り合った老名人絞り職人さんの退院を待って製作するしかありませんでした。

左TAKUYA君の手縫い手絞り、右今回の2枚貼り合わせ機械絞り
TAKUYA君の作る手縫い手絞りのペンケースは縫いの入るエッジ(コバ)部分に向って内側に絞り込まれます。これは機械絞りでは出来ません。そのことで大きな万年筆を納めても思いの他小さく収まります。内側に絞り込まれているので、ミシンで縫うことはできず、手縫いの縫製でないとこのフォルムはうまれません。
それに比べ今回のフラボナは機械絞りなのとミシンで縫うためエッジが縫い代のように出っ張ります。
しかし2枚貼りの革をここまで固く絞れたことはすごいと思っています。特に3本差しの仕切り部分の革の表面を裂くことなく絞りきるには、何度かの木型の修正と絞り職人さんの長年の経験と技術力があってこそ。

1本差しで最大径17ミリの万年筆まで納まり、3本差しでは18ミリ強まで納めることが出来ます。
私は高級筆記具に興味を持つまで、ジャラジャラと一杯入るペンケース(筆箱)しか作っていなかった。
万年筆に興味を持って初めて、ペンとペンが接触しないペンケースが欲しいと思った次第であります。1本だけ納めるペンケースの必要性などは考えもしなかった。今は両方必需品です。
この絞り技法で作ったペンケースは11月末あたりから店頭発売します(ネット販売は12月になってから)。
「
神戸セレクション」でも販売しますし、吉宗さんのpen and messageでも当然販売します。
価格は3本差しが23100円で、1本差しが12600円です。
浅草の名絞り職人とフラソリティーとル・ボナーが力を合わせて作ったペンケースです。大事なペンを優しく包み込み、鎧のように大事にガードします。
待ってましたぁ~!
早く手にしてみた~いです。
\(^^)/