
革棚を新しくしました。15年の歳月の間に今までつかっていた棚は革の重みで変形し歪んでいて、革が居心地悪そうにしていたので、新しい革棚に変えたのですが満足であります。私にとってこの革棚はワインセラーのようなものです。
軽井沢から1年半ぶりに赤いアルファで来て下さったSご夫妻、棚がまだホームセンターから届いていなくて革が山積みになっていて、ゆっくりお話できなくてごめんなさぁ~い。イタリア旅行前までに詳しいフィレンツェ情報ご連絡しまぁ~す。フィレンツェではネイティブと言われたボンジョルノ松本ですから、まかせておいてくださぁ~い。
私は万年筆や時計をいっぱいコレクションしているように勘違いされそうですが、全然持ってません?。好きなのでブログで数少なく持っているモノをすべて紹介する露出癖が災いしているのであって、ル・ボナーに集うお客様たちの所有するモノたちを愛でて楽しんでいるわけであります。私など可愛いものです。
しかしヨーロッパ皮革のコレクションは趣味と実益を兼ねて、独立系鞄職人中一番多種類ストックしていると思います。この棚の革は大部分デッドストックコレクションです。この何倍かのまとまった革がサライ商事の棚とお店の裏にあり、それで日々の鞄作りをしています。
良い革は、長い年月保存していると熟成してより風合いを増します。ハミも革の購入だけは私以上に積極的で、魅力的な革が見つかると使う用途がなくても購入を躊躇わないので、ル・ボナーの革のデッドストックコレクションは増え続けます。小出しに使っているのですが、購入するペースの方が上回ります。時々フラスキーニのブレンダカーフを鞄の内貼りに使うなんていう、バカなことをしてしまいます。
仕事の合間、この棚を見て、ニコニコしてしまう私であります。
私はこの空間が大好きです。私たち二人とお客様たちが居心地良い場所であって欲しいと願っております。15年経ち大々的に改装したいとも考えたりするのですが、日々の仕事に追われて(本当は資金の捻出が、、、)ままなりません。
鞄を作り始めると、整理整頓がおろそかになってしまう私たち二人なので、工房はいつもゴチャゴチャ。時々ショップ部分まで製作途中のカバンたちが侵食して、収集がつかなくなる始末。
そんなル・ボナーですが、居心地が良いと言ってくださるお客様たちがおられます。
そんなお客様たちに支えられて(甘えて)15年間ここで鞄作りを続jけて来れました。
ル・ボナーを紹介していただいた雑誌の記事の中で、今でも時々読み返す文章があります。
この文章が私たち夫婦は大好きで、妖精が住みついているようなかばん屋でありたいと思っています。
この文を書いて下さったお人は、今もル・ボナーに月に一度は来店してくださるお客様です。

暮しの手帖2005年春4・5月号より
「神戸の鞄屋さん」
夜、旅先の神戸でひっそり静まり返った街を、ホテルに向って歩いていました。
ふと、ウインドウから漏れる灯りに誘われて近づいてみると、そこは鞄屋さんで、壁に飾られた幾つかのバッグがライトアップされています。
色を楽しむかのように、明るいブルー、深い茶色、上品なベージュに元気なオレンジ、どれも使いやすそうなつくりです。
歩道に面した一面がガラス張りのお店で、ひとつづきになった工房の様子も、薄明かりのなかにぼんやり浮かんで見えました。
工房の片隅に小さな妖精がいて、鞄を作ってやしないかしら、、、、、。
職人さんがいるこのお店が、昔読んだ童話に重なってみえるのでした。
翌日、そのお店を訪ねました。
工房には、ミシンが数台、壁際の棚には革が積み上げられ、作業台では、ジーンズの青年と前掛けをした鼻めがねのおじさんが、一心に手を動かしています。
その足元には、大きなビーグル犬が、暖かそうな座布団を敷いてもらって気持ちよさそうに寝ていました。
扉を引いて中に入りました。
「いらっしゃいませ」
工房から声がかかり、ビーグルがひょっと頭をもたげましたが、静けさはそのまま。
店内のバッグは、上質な革の風合いが生かされたシンプルな形のものばかり。同じデザインで、材質や色の違うものが数点ずつ置かれ、ほかにお財布やベルトなどの小物も並んでいます。
お店の一番奥の棚で足が止まりました。つやのある栗色の旅行鞄に高鳴るむね。この鞄なら長いおつきあいができそうです。思い切っていただくことにしました。
工房から出てきたおじさんは、
「この革にはしっかり油を染み込ませてありますから、ときどき乾いた布で拭いてやるだけで、傷が目立たなくなります」
そういって、同じ革の切れ端を取り出して爪ですっと傷をつけ、布で拭いてみせました。そして、
「使い込むほど手になじんで、いい表情になりますよ」
と言いながら、いとおしむようにていねいに鞄を包んで下さいます。
神戸の六甲アイランド、アイランドセンター駅の北側にある「ル・ボナー」さんというお店です。
とても素敵な文章ですね。
それにすごくよくル・ボナーさんのことが、判る書き方でおとぎ話みたいですね。
それにブレンダカーフ内張りのとんでもない贅沢な鞄を作っていただきありがとうございます。
グラスが出来上がっても、暫くル・ボナーさんに置いてあげてください。
ぜひいろんなお客様に観て頂けたら、グラスも幸せでしょうし、せっかく大切に作って頂いているグラスですから。
あとこの前お邪魔したときのショルダーバッグ小はまだありますか?
あの時は先立つものと、荷物が限界だったので購入にはいたらなかったのですが。