ル・ボナーの一日

美女とランドセルを背負ったオヤジたちのイタリア珍道中(3)

2007年09月27日

9月17日 雷と雨音で目を覚ましました。午前3時、ホテルは当然禁煙、窓から顔を出して雨に濡れながらシガリロ吸っております。イタリアの朝は早い、5時を過ぎると人が動き出します。窓から見えるバールでは開店前の準備、車で配達している人も窓越しに確認できます。雨は夜中の間ずっと雷をともなって降っておりました。 バールで朝食を済ませ、今日はH女史の勤めるテレビ局のネットワークを利用してセッティングしていただいたイタリアの中堅バッグメーカーを訪問します。男性陣はネクタイをしめて背広姿。女性陣もキャリアなお姿。商談に出かける日本人一行風ではありますが、画伯と私はフォーマルな服装はどこかはずしている。雨はあがりましたが、不快指数100パーセントのミラノ。 %E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%82%B0.jpg %E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E7%A4%BE%E5%86%85.jpg イ サンティーという名前のバッグメーカーは知らなかった。帰りのミラノ・マルペンサ空港の免税店にショップもあり、日本などにも輸出しているらしい。今回の目的は同社が所有している古いバッグを見せてもらうのが目的。その前に社長さんとお会いし、画伯の著書「鞄が欲しい」を手渡し、「鞄が欲しい 2」の取材もどき。 その後工場内を見せていただいたのだけれど、日本の大手バックメーカーの工場に来たような錯覚を覚える私です。まず匂いが同じだし、殺風景な色気のなさも似ている。違いと言えば、チャーミングな絵がいっぱい飾ってあったことかな。日本もイタリアも同じ問題を鞄業界は抱えているように思う。夢が語れる職場。 その後古い鞄のコレクションを見た。古くてボロボロのカバンたちからは豊かな個の表現を感じる。表現力が生き生きと伝わってくる。そんな鞄を私は作ってゆきたいと思った。 %E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%8E%E3%81%AE%E7%BE%8E%E5%91%B3%E3%81%97%E3%81%84%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3.jpg レストランの名刺と地図 昼食は魚介類を使ったイタリアン。店は大変なにぎわい、活気がある。昼過ぎまで席が開かない活況ぶり。H女史の前交渉で飲み放題お任せコース一人40ユーロで決定。予想をはるかに超える品数とボリューム。手長海老(スカンピー)いっぱい、食べた事のない貝が色々入ったオリジナルペスカトーレ、その他いっぱい。この量を昼食で食べていたら、無茶苦茶だぁ~。それでも最後の締めでエスプレッソをクイッと飲んだら、夜もまたいっぱい食べられる。それがイタリア式?。 ミラノに来たら、このお店お勧めです。観光マップには載っていませ~ん。 %E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%8E%E3%81%AE%E9%A7%85.jpg 17日16:00ミラノ中央駅からフィレンツェへ。 列車は海外からの旅行者の事を配慮して、大きなスーツケースが収まる棚が上部にあります。その棚にスーツケースを持ち上げ収めるのがひと苦労。タクヤ君が率先して頑張ってくれます。彼は配慮の人であります。オヤジたちは我儘な人であります。 列車は2時間45分でフィレンツェです。途中愉快な会話で大盛り上がりでありましたが、注意する客室乗務員もいない訳ですから、野放し状態。フィレンツェのあるトスカーナ地方に入ると、記憶のどこかにある風景に変わります。味わい深い風景です。そうだ!モナリザのバックに描かれている風景です。車窓から見える風景はダビンチが見たトスカーナの風景とそんなに変わっていない。 %E5%B1%8B%E4%B8%8A%E3%81%8B%E3%82%89%E3%83%89%E3%82%A5%E3%82%AA%E3%83%A2.jpg 10ヵ月ぶりのフィレンツェです。大好きな街です。 フィレンツェの宿は街の中心にある3Kのアパートメントに泊まります。オーナーご夫妻が駅まで迎えに来てくれました。スーツケースをオーナーの車に乗せると助手席しか空いてません。重いスーツケースの出し入れを手伝うためタクヤくんだけ車でお先に。残り7人はオーナー夫人の引率で歩いて10分宿まで。夫人は途中、何人もの顔見知りに挨拶を交わす。私たちもフィレンツェの住人になったようで、いい感じ。 フィレンツェで2泊するアパートメントは凄い場所にあった。大聖堂とシニョーリア広場をつなげる道沿いにあるのです。一階はブティックになっています。 手動金網レトロエレベーターで4階に上がったところに2日間泊まります。オーナーが素晴らしい風景を見せてあげようと屋上のテラスに連れて行って下さった。ドゥオモが間近かに見えて素晴らしいフィレンツェの風景が広がります。 部屋はボロイ、しかし中世に迷い込んだようで普通のホテルでは味わうことのできない特別なフィレンツェを味わえる予感。世界の樫本氏にこんなアパートメントを買っていただき、煙突工房フィレンツェアトリエを作っていただき、タクヤ君や私もそこを利用して新鮮な発想を感じて新作を作るのは良い考えだと話していたのだけれど、樫本氏は聞く耳持たぬ。 広いキッチンには生鮮食品以外はたくさん揃っていて、使い放題だそうです。朝飯はこれで事足りるけれど、2日しかいないフィレンツェで外のレストランで美味しい食事をしないで済ませる訳がない食いしん坊の8人であります。 %EF%BD%BD%EF%BE%83%EF%BD%B0%EF%BD%B7.jpg 夜はH女史お勧めのトスカーナ牛のステーキを食べに行きました。 宿から徒歩15分ほどの距離にあるということでありましたが、いくら歩いても目的のステーキ屋さんに辿り着けない。旧市街を区切る凱旋門のようなところを越えてもまだ歩き続ける。徐々にみんなの表情もひきつり始める。歩き始めて1時間以上、やっと到着。その日からH女史の歩いて何分というのを最低4倍にして考えることにしました。 トスカーナ牛は赤身の噛みごたえのあるステーキです。噛めば噛むほど味がでる肉で、神戸牛などの日本の牛肉の旨さとは違います。炭火で焼いたそのステーキがテーブルに置かれた時、その量にたじろぎました。昼もミラノで限界の量を食べてきた私たちには多すぎる。いくら美味しいからといっても完食は無理だぁ~。前菜もとったし、特産キノコ(これもまた半端な量じゃない)も焼いてもらった。それでもなんとか2切れほどを残しはしたものの、完食に近い状態。8人の食欲に驚かされる。特に画伯とタクヤ君。画伯の血糖値大丈夫なんだろうか、大丈夫なはずはなぁ~い。 %E5%AE%BF%E3%81%AE%E7%8E%84%E9%96%A2.jpg 帰りはタクシーを呼びました。タクシーでも宿まで結構な距離でありました。 玄関のドア立派過ぎます。フィレンツェ中心部のこの宿、1泊1人5000円であります。 おやすみなさい。明日は午前中ウフィッチ美術館であります。

Le Bonheur (02:17) | コメント(0)

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