ル・ボナーの一日
錠前のムーブ思案中
2007年06月19日
オーソドックスなダレスバッグやブリーフケースに使う錠前のムーブメント部分の仕組みを考えております。
そのため既製の錠前のムーブメント部分をこじ開けて、最適な仕組みを只今思案中。
前面の見える部分のデザインは色々変えたとしても裏のムーブメント部分は共通化しないと無駄に高価な錠前になってしまいます。
鞄の錠前の場合複雑な構造にする必要はありません。鍵は簡易的程度なので、出来るだけシンプルな構造にした方が、後々発生するであろう問題を最小限に抑える事ができます。
ただ表のデザインの自由度を妨げないような構造を配慮しながらのムーブメント部分の部品の形状の決定は、考慮しなければいけないことが一杯あって私を悩ませます。
ハードなフタ式のブリーフケースやダレスバッグの場合最初にインパクトを感じる部分は錠前です。オリジナルデザインの錠前が作れれば、クラシカルなハードな鞄もより面白くなります。
バレクストラのシャーロック・ホームズ・ロックが良い例です。あの錠前でバレクストラだと誰でもわかります。
グラス用の複雑な錠前を異業種の精密金属加工会社さんにお願いして、なんとか作り上げることが出来次が本番です。少ロットでオリジナル錠前を作るシステムが構築出来れば、既製の錠前の制約から解放されます。
しばらくハードなフタ式のブリーフケースやダレスバッグの製作をしていないのはそんな理由からです。
現在太ダレスなどに使っている丸型の錠前はオリジナルで金具屋さんに作ってもらったのですが、金具屋さん主導での錠前製作だったので知らないうちに他のブランドでも使っているなんてことがおきてしまいました。
鞄業界とは全然関係ない精密金属加工会社さんでの錠前製作がスムーズに始動したら、錠前で困っている独立系鞄職人のみんなにも声をかけて、オリジナルの錠前を作ればいいと思っています。
錠前の表のデザインは、まずはクラシカルな感じでいこうと考えております。
イギリスのビクトリア時代の鞄の錠前を参考にしたデザインで、無垢素材でコーティングなし。金色は真鍮で決定ですが、銀色は洋銀、白銅それともステンレス、悩みどころです。
Le Bonheur (05:52) | コメント(9)
Comments
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t-okuno さん
錠前はオーソドックスなメンズバッグの顔なので、これを何とかしたいとずーと考えておりました。ヨーロッパのブランドでもオリジナルの錠前を使っているところは、エルメス、ビトン、バレクストラあたりぐらいでしょうか。
錠前が出来たらメンズのバッグの新作を一杯作ります。 -
きれいなだけの錠前でなく,内側から光り輝く逸品が誕生しそうですね。
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orenge さん
ムーブメント部分は既製のモノを使うという方法もあると思うのですが、表のデザインのバランスに制約を受けてしまうのでムーブメントも作ってしまうことにしました。 -
ムーブメントまでとは,時計の世界とよく似ていますね。いいモノはわかる人だけに多くを語ることでしょう。
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勝手な希望ですが。
銀色系素材順位は、1.洋銀、2.白銅、3.ステンです。
500円玉と100円玉と、所有するブリーフの鍵を比較して判断しました。
洋銀のまろやかだけど華やかな光沢が好きです。白銅もいいですけど、ニッケルの硬質間と耐久性のバランスしだいかなと考えました。
ステンの硬い質感が好みであれば良いですが、当たり傷が付くと鋭角的な傷で味になりにくい気がします。 -
たかさん
参考にさしていただきます。
私も洋銀(ジャーマンシルバー)が好みなのですが、この素材の場合は現状では鋳造しか無理のようで、難しそうです。 -
たかさんと全く同意見です。
何とかなりませんかね?
太ダレスの場合錠前をなくすとか機構の工夫で??? -
taka さん
昨日訪問して頂いた時に話せばよかったですね。次回来られた時じっくり錠前のことはお話いたしましょう。
いつもながらいいこだわりですね
金具をばらしての研究もたのしいでしょうね
すばらしいの一言です