6月6日12時12分、サンライズ瀬戸の個室B寝台で東京に。
東京出張は出来るだけ時間を有効に使うためと格安ということでよく夜行バスを使って出張していたけれど今それはキツイ。前に寝台急行銀河で東京出張を決行したことがあるけれど70年代そのままの寝台車両は思いの他厳しかった。それで今回は最新のB個室寝台、これはなかなか良い。でも新幹線のグリーン車利用ほどの価格、また利用するかは、、、、、、
今回の出張は絞り技法を専門にされている職人さんにお会いして、現在進めている絞り技法を使ったペンケースの打ち合わせが主な目的。午前中まずはその職人さんのところへ。
同行してくれるのは小物職人TAKUYA君。彼とはなぜか気が合う。
量産の絞りはまず木型屋さんで絞り用の凸と凹の木型を作り、絞り職人に絞っていただき木型の修正を繰り返し煮詰め込む。頑固な東京下町風職人だと聞いていた70歳中ほどのその絞り職人さんは納得、その通りでした。しかし神戸からわざわざ来てくれたと喜んでいただき、小さなサイズの絞りは難しいけれど協力してくれると言っていただきました。
作る現場が私は好きです。演出なんて何もしていないけれ道具と職人が格闘している現場は美しい。一緒に絞りのペンケースを作り上げていきます。このペンケースはフラボナでネット販売する予定です。
ワルピエのブッテーロを使って作ります。
その後、材料や道具屋さんを回り久しぶりにエース東京本社にあるバッグ博物館にTAKUYA君と訪れました。私はここに並ぶ無名の鞄職人が作った素晴らしい鞄たちが大好きです。何度訪れても大いなる刺激を与えていただける鞄たちです。特にイタリア製の鞄がすきです。精緻でありながら大胆な仕事が色気を発散させる。革が大好きでその魅力を最大限引き出せる技術がないと出来ない仕事です。
普遍の良い鞄をいっぱい展示してあるバッグ博物館のある日本一のバッグメーカーはそんな鞄を作り出そうという気持は持っていないようで、そのギャップはう~ん。
夜人と待ち合わせ。時間があったので上野駅前の喫茶ルノワールに。今流行りのイタリアチックなコーヒーはあえて飲もうとは思わない。出来れば昔ながらの純喫茶風でタバコ吸いながら飲む濃いコーヒーが良い。出来ればモカで。
私の東京出張の活動範囲は皇居を境に東側限定であります。東京の東側は居心地が変に良い。西側に行くとドギマギしてしまう私であります。本籍はなぜか目黒区なのだけれど。
今回の東京出張の宿はいつもの学士会館ではなくてTAKUYA君宅に無理やり泊めてもらっちゃいました。
彼は今月中旬から革の聖地、浅草界隈に工房を移します。そんな忙しくてゴチャゴチャの現工房に無銭宿泊。革小物作りのこと、独立系職人のビジネスのこと、色々話しました。彼のもの作りのセンスと姿勢には大いに刺激を受ける私です。
次の日はフリータイム。前からお約束していた時計ライターN氏のお宅訪問。新宿からあずさに乗って観光気分。N氏のお宅は東京というより山梨県のご近所というほどの場所にあります。なぜか忙しい時間をやりくりしてTAKUYA君もご一緒。帰ったら徹夜の連続でしょう。
N氏に車で迎えに来ていただきN氏宅へ。
N氏の自宅は雰囲気のある広~い日本家屋。そこでいっぱいの時計を中心としたモノを見せていただきました。時計のコレクションはとんでもなくありすぎて吟味しながら拝見するレベルではないのです。
しかしN氏のモノに対する一貫した思いの感じるコレクションだと思いました。値段の高低ではない良いモノをという考え。
奥様に作っていただいたスパゲティ・カルボナーラが美味しくてお腹いっぱい。それにも増していっぱいのコレクションで大満腹。モノもお金も寂しがり屋なのですね、いっぱいあるところに引き寄せられるのでしょう。ひとつひとつのモノの入手までの経緯と思い出話は大変魅力的でありました。N氏はこれからもコレクションし続けるのでしょう。がんばってください。私はさわりでいきます。
神戸に戻るのが夜になりました。バスで新神戸からハミのいる六甲アイランドへ。ハーバーハイウェイをバスは走り、神戸の素晴らし夜景がお帰りなさいと迎えてくれます。充実した東京出張でありました。
お疲れ様です。異業種の方と、ましてや本物志向の方々との交流は何にもまして、松本さんの心の栄養剤なんでしょうね。羨ましい限りです。これで益々、グッドな発想が湧いてきていただけたら我々にとってもハッピーなんです。