ル・ボナーの一日
プレーン・シャーク革のブリーフケース
2007年03月27日
オーダーのシャーク革のブリーフケースが出来上がりました。
使い込むと良い艶が出て丈夫な革なのですが、薄くて柔らかな革なので厚みを出す工夫をしないと質感のない鞄になってしまいます。芯材だけで厚みを出すと、芯材の質感ばかりが目立って良くないので、裏にステアの革を貼って、その後薄い芯材を使って作りました。でも使い慣れていない革で作るオーダー鞄は試行錯誤の連続です。
このブリーフケースのように、本来柔らかな革を固く仕上げるのには苦労します。特にコバ磨きには手間がかかります。タンニンなめしの革は磨くのはそんなに大変ではないのだけれど、クロームなめしの革でソフトな革は簡単には磨き上げることができません。いつまで経っても、モノ作りは勉強の連続。
この後、月に一度のオーダーベルトをこなして、また遅れているオーダー鞄を作り続けます。
モノ作りは苦しくもあり、楽しくもあり。終着点はまるで見えてこない。自己嫌悪と劣等感の繰り返し。それでも試行錯誤しながら、前に進みます。カバンを作ることが私の存在価値。
神戸・六甲アイランドの桜が咲き始めました。1年で一番気持ち良い季節が始まります。
ル・ボナーのお店のドアも開けたまま、気持良い空気を感じながらカバン作りをしている私たち夫婦がいます。
Le Bonheur (21:53) | コメント(3)
Comments
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orenge さん
そう言われれば、エピラインの型押しはシャークスキンに似ていますね。気が付かなかった。内貼りは真っ赤なステア革を使っています。 -
内貼りが真っ赤なステア革とは新鮮な組み合わせですね。ビジネスシーンで使って相手を驚かす作戦(印象を強くする)が考えられます。バレクストラのシール(アザラシ)素材のブリーフにもにている感じがします。一つの鞄からたくさん想像できるのが良い鞄なんじゃないでしょうか。
シャークスキンのブリーフなんて初めて見ます。シャークスキンは,時計ベルトならよく見かけます。勝手な想像ですが,LVのエピラインのような感じなのでしょうか?ビジネスシーンを想像させる鞄ですね。