ル・ボナーの一日
ル、ボナーの内縫いの鞄
2005年11月06日
ル、ボナーの内縫いの鞄の特徴は、鞄を正面から見た時、正面後面とマチとの間を仕切るタマブチが前を向いてマチが額縁のように縁にみえることです。一般的な内縫いの鞄の場合は正面、後面とマチの間45度の角度にタマブチが見え、正面から見るとマチがやせています。この違いは鞄を実際に比べて見たとき大きな違いがあると思っています。
私は15年ほど前に鞄ブランドの企画として型紙を起こし初期サンプルを作り工場と打ち合わせをする仕事をしていた時期がありました。
その時一緒に企画をしていた金田さんという先輩がいました。
金田さんは元々オートクチュールの洋服を作っていた人でパターンを起こす事に秀でた人でした。金田さんにはパターンが創造する広がりと豊かさを教えてもらいました。
その金田さんがしようとしていた事が洋服の縫製技法を鞄作りに応用する事でした。
特に、いせ込みという技法を鞄で使えたら豊かな表情を生み出すと、力を入れていました。
いせ込み技法とは、スーツの袖と本体を縫い合わせるときなどに使う技法です。
これを鞄に応用する場合生地では計算にいれずにすんだ厚みも計算にいれないと適正パターンが出せず、その上革の固さが工場で量産した時に、豊かな表現を拒みました。
いせ込み技法を使って内縫い鞄を作っているのは、私の知る限りエルメスだけです。
この技法を使うとマチの厚い部分が外部とあたる事になり耐久性を格段に高め、
何より同じ鞄が別物のような豊かな表情をみせる。
私はル、ボナーを始める時、やっとこの技法を使った鞄作りが出来ると思いました。
少しの手間と工夫で手作りだから出来る表現方法を手に入れる事ができます。
手作りで鞄を作っている人には外縫い鞄を得意とする人が多い。内縫い鞄には豊かな表現方法が隠れているので試しで作ってみてください。
Le Bonheur (21:32) | コメント(2)
Comments
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ノブさん、誰かわかりました。
今月中には完成させますので、待ててください。
私が注文したブリーフ キューブも同様の作りのようですね。この鞄がほしいと思ったのは、他の鞄にはないこの豊かな表情からです。早く手にしたいです。楽しみしています。