ル・ボナーの一日
エレファントとバッファローの革
2007年03月01日
今回の東京出張で、エレファントとバッファローの革その他色々買ってきました。目的があって買った革、ないのに革マニアの虫が疼いて買ってしまった革。
なめしがしっかりしていて表情のある革は魅力的です。顔料の厚塗りの色付きビニールのような革だけは、勘弁していただきたい。
エレファントの革は、オーダー品の製作のため購入したのですが、私は貴重品革の中では一番好みの革です。なにせ丈夫な革です。引っ張り強度は革の中では最強で、薄く漉いて細い紐にして力まかせに引っ張ってみてもまず切れない。表皮も大変丈夫でまったく恐れ入る革です。表面の表情も独特の文様と質感を持っていて豊かです。
エレファントの革は、ワシントン条約で一時輸入禁止革に指定されていましたが、そのためアフリカで象が増えすぎてサバンナの砂漠化(なにせ象は大食漢なので)を引き起こし、国が象の間引きをした結果、輸出できない象の革と象牙が倉庫に貯まっていく。それを現金化するために輸出を一部再開することになりました。それでも貴重品革であることは変わらず、高価です。オーストリッチより高いです。
そのため、出来るだけ肌が綺麗で、文様のバランスの良いものを選びたいので、実際に見て触って購入したいわけです。ひじょうに良いエレファントの革が選べて満足、満足です。
革屋さんのサライがサンプルで仕入れたバッファローの革です。
今までバッファローの革の場合、クロームなめしか合タン(合成タンニン)しか見たことがなかったのですが、このバッファローは正真正銘タンニンなめしです。
素晴らしい粘り腰と魅力的な表皮の模様は素晴らしい。ハミは大気に入りで、このバッファローの質感を生かしたバッグのデザインを想像してドキドキ、ワクワク。
サバンナを群れで移動する本物のバッファローは絶滅危惧種で、半世紀ほど前からは表皮がよく似ている水牛の革をそう呼んでいます。このバッファローは原皮はタイのもので、イタリアのタンナーがなめした革です。
上等なカジュアルバッグを考えた時、想像が広がる革素材です。
他にイタリア製のタンニンなめしのベビーカーフも入手。きめ細やか肌が素晴らしい。
タンニンなめしの革は、まだまだ素晴らしい革があります。
今日はル・ボナーはお休みの日でしたが、風邪で休んだ分を取り返すため、仕事をしていました。やはり、仕事場が一番好きです。
Le Bonheur (21:35) | コメント(4)
Comments
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オカザキさん
大変お忙しいようで、久々のコメントですね。紫のプティ・トート気に入っていただけたようで何よりです。エレファントのベルト作りましょう。御注文お待ちしております。体にお気を付けて、年度末の大変な1ヶ月を乗り切ってください。 -
お元気になられてなによりですね。エレファントを使ったボストンバッグなんてスゴク素敵なんじゃないかと写真を見て勝手に想像しています。素晴らしい材料は作り手だけでなく,こちらの想像力もかきたててくれますね。私のサイフはバッファローですが,水牛ですね。やっぱり,本家は,いい風合いですね。
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orenngeさん
ごめんなさい。言葉たらずだったようです。写真のバッファローも水牛です。現在では本物のバッファローの革は皆無と言ってよいと思います。
お世話になっております。
先日お伺いし、拝見させていただいた際、すごく気に入ってしまいました。
ブリーフケースは、私がそれなりの風格を備えるようになってから…、かな?
まず最初はベルトですかね…?
でも、チタン製バックルの完成を見てから、製作方お願いいたしたく存じます。
【追伸】
先日購入させていただきました、紫の“プティ・トート”、相手の方にすごく気に入っていただきました。
ありがとうございました。
上品な色合いの紫は、大人(特に大人の女性)のみ、持つコトが許される、そんなカラーだと思います。