ル・ボナーの一日
エルメスのカードケース
2006年12月18日
エルメスの名刺入れです。横浜から来られたお客様がお持ちでした。
10年以上前にロンドンのエルメスショップで購入されたそうで、日々お客様のお供をしているそうですが、まだまだ現役です。表に使っているボーグレネクシュベールとエルメスでは呼んでいるカーフの型押しの革の型は消えかけていますが、ひび割れなどの致命傷はまだ大丈夫だし、中に貼られた裏貼りの革は今でもしっとりしています。さすがエルメス。
私はこのシンプルなデザインの中に高級を演出してしまうエルメスの縫製力に敬意を表します。エルメス得意の手縫いではなくミシンで縫っています。しかし糸は麻。この細い麻の糸を美しくミシンで縫うのは大変なことです。あと この薄い仕上げ。裏に張っている革の厚みは0,1~0,15ミリ程度です。日本で革の割りを頼む時、0,3ミリが失敗しないギリギリで、0,2ミリで割ってもらうと相当数の失敗を覚悟しなければいけません。
またなめしの甘い革を薄く割って裏貼りに使うと、摩擦で擦れて早い時期に破れます。10数年この薄さで破れることなくしっとり感を保ち続けているということは凄いことです。
厚くて丈夫は当たり前ですが、薄くて丈夫はむずかしい。それをさりげなくしてしまうことでエルメスはシンプルな高級を演出している。勉強になります。
今年のル・ボナーは、小物の補充が充分でない1年でした。安定して売れる小銭入れ付き折財布にいたっては、半年以上欠品が続いています。クリスマス・プレゼントで一番革小物が売れる時期に全然ないのです。
来年は、小物の充実を最重要課題と考えています。ル・ボナーらしい小物を揃えていきたいと思っています。そんな時エルメスの小物は色々なヒントを教えてくれます。
Le Bonheur (21:22) | コメント(2)
Comments
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三好さん
万年筆入れのことは忘れていました。とびきり上等なモノを作ることにします。ついでに時計ホルダーも作らないといけませんね。
革小物も奥が深そうです。
小物の充実を楽しみにしています。
万年筆入れ?でもあまり多く収納できるタイプだとそれにあわせてまた買ってしまうので3本ぐらいまでのがいいなぁ~