ル・ボナーの一日

美しい日本の自然と独立系鞄職人

2006年12月01日

上空から.jpg 海外から帰って感じることは日本の自然は豊かだということ。 温帯の地域で、これほど変化があり緑豊かな国は他にないのではと思う。 イタリアを北から南に南下したのですが、田舎の風景はモナリザの絵のバックに描かれたような風景が続きます。初めて見るとき、魅力的に見えるのですが、そんな感じの風景がナポリまで続きます。 それに比べ、日本の風景は春夏秋冬変化があって、自然もバラエティー。 日本の場合、街は経済最優先の影響で、個性を見つけ出すのは難しくなって、つまらない街並みが大部分ですが、田舎や自然は先進国の中では一番変化にとんでいて、豊かなのではと思う。 海外旅行は、そんな日本の魅力を再発見する意味でもありました。 私は日本人に生まれて良かったと思います。私は日本の自然が大好きです。 フィレンツェにはモノ作りの天使たちは居るけれど、鞄作りの天使たちは見つけきれませんでした。特に独立系鞄職人のような立場で、鞄を作る余白はないように感じました。 フィレンツェの街を歩き、独立系の靴工房は確認できるのですが、鞄工房は見つからない。 イタリアにおいては、日本以上に鞄のニーズが高級ブランドのものか大衆量産品のどちらかで、私達のような存在を必要としていないように思えました。 そのヨーロッパのブランド品を半分以上買っている日本という国においては、独立系鞄職人の作る鞄に魅力を持つ人たちが少数ですが何人かはいて、切磋琢磨して鞄を作り続ければ認めてもらえる環境があるのではと思う私です。 きっと経済至上主義の日本において、非効率な手作業が必要からではなく、心の癒しとして存在意味を持っているのではと思ったりする。ヨーロッパの独立系時計師も、日本という市場がなければ大変でしょう。 なくても困らないけれど、存在することで豊かさを感じてくれる人たちがいる日本。そんな日本の特に神戸という街で、アナログな鞄作りを続けられていることに感謝します。 ヨーロッパの高級ブランドの鞄は系列化し利益最優先で魅力は色あせ、日本の鞄問屋はアジアに生産の拠点を移行し大量生産を加速させる。そんな日本で逆に、鞄作りに興味を持つ若者は増えている。渋谷にある専門学校には鞄のコースが新しく出来るし、フィレンツェのサンタクローチェ・レザースクールの生徒さんは日本の若者ばかりだったし。もしかして鞄作りの天使たちは日本に引越しして来ているのかも。独立系鞄職人が魅力ある鞄作りの努力と工夫をした時、一番評価されやすい環境の国は日本なのかもしれない。

Le Bonheur (21:30) | コメント(0)

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