ル・ボナーの一日
イタリア旅行(5) ローマ
2006年11月25日
私はローマに二日間泊まった。しかし私はローマを知らないまま帰国したのです。
たしかにサンピエトロ大聖堂もコロッセオもトレヴィの泉も、ツアーの市内観光で行った。しかしバスの中から見るローマの町並みや路地は素晴らしく魅力的で、それを歩かなければローマの真髄を感じれない。
でありながらローマの自由行動の一日に、欲張ってナポリ・ポンペイオプショナルツアーを入れてしまったため、ローマを体験せぬまま帰ってきました。今回の旅行の最大の後悔です。
面白い街のように思えます。街並みは紀元前から現在までがバランス良く調和した魅力的な街です。
もう一度行かないと納得できません。次はローマとパリかな?
ツアーの市内観光の最後を飾るのは指定の場所でのお買い物。ローマ三越でした。
私は何も買う気がなかったので、高級ブランドのバッグを見て時間をつぶしていました。
ピレネー産の子羊の革でソフトなバッグを作る老舗ブランドのバッグが目に留まりました。私はこのブランドのバッグのシンプルでありながら色香を持った質感の革と高い縫製力に敬意を持っていました。
大ファッショングループの傘下になってからのバッグを見ていませんでした。
デザインは今までどうりなのですが、遠くから見ていて何か違うのです。近づいてまじまじと見てみると、革の質感が昔とまるで違うのです。顔料を厚塗りした、最初は扱いやすいけれど後々悲惨な状態になる革に変わっています。縫製も安易になっています。私は怒りに近い悲しみを感じました。
老舗ブランドの歴史が育て築きあげたイメージだけを利用して、目先の利益を追求するために、ファッションとしてブランドを切り売りしている。10年後20年後に後悔しても、一度捨てた技術を復活させるのは並大抵なことではない。
ヨーロッパの老舗ブランドの多くが同じ方向を向いている。個性を守り残すことに目をつぶって、マーケティングの良し悪しでモノを売っている。
私の属する業界が心貧しいものになってゆく。冷たい風が吹いています。
イタリアの人たちは屋外で食事をするのが大好きです。車が一杯走っていて排気ガスいっぱいのところでも平気で屋外のテーブルから埋まってゆきます。
きっと自分達の住む街並みが大好きで、その空気を出来る限り感じていたいのでしょう。
私も屋外のテーブルで食事をしたりカプチーノを飲むと、その街の一員になったようでウキウキします。
イタリアで飲むエスプレッソは日本で飲むそれより全然量が少ない。クイッ クイッと二口ほどの量。イタリアに来るまで苦いだけのあんな少量のコーヒーをなぜ飲むんだろうと疑問に思っていました。イタリアに来て分かりました。食べ過ぎて胃がもたれている時、エスプレッソをクイッと飲むとまた食事をしたくなるのです。そんな時のエスプレッソは美味い。エスプレッソは美味しい胃腸薬なのです。それが判明してから私はエスプレッソのファンになりました。
Le Bonheur (19:15) | コメント(0)
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