ル・ボナーの一日

イタリア旅行(3) フィレンツェ

2006年11月22日

フィレンツェ遠景2.jpg ベニスがあまりにも特別な街なので、フィレンツェの街が見えてきても最初普通にみえました。車も普通に走っているし、建物も平均してきれい。しかしそれはベニスで麻痺していただけで、きれいだけれど中世に立てられた建物のままだし、道も中世の馬車道をそのまま使っている。ただその街をそのまま大事に守りながら中身をリフォームして現在社会でも充分暮らせる街になっています。ホテルにはネット回線も来ているし、狭い馬車道でもバスが通れるようにバスを小さく作っている。 文化遺産の中世のルネサンスの街が近代社会と良い按配で共存している。 ブルネレスキの大聖堂もウフィッチ美術館も素晴らしいけれど、私は他の方向に視線が向いている。 サンタクローチェ教会前.jpg この街だけはO君に譲れない。私の思うとおり散策させていただきました。観光客はあまり行かない下町を中心に一日中歩き回りました。鞄作りの工房を何軒か回り、その他モノ作りの現場を覗き見しながら歩き続けました。そのことは次回のフィレンツェ2で書くとして、私はどうしても行きたい美術館がありました。それはビッティ宮殿にあるパラティーナ美術館。 旅立つ前から気になっていました。写真で見る限り変なのです。アメリカの家庭の居間に家族の思い出の写真を一杯飾っているように、壁が見えないぐらいに無秩序に一杯飾ってる。それも歴史の遺産レベルの絵で。こんな美術館見たことない。その中に埋もれるように大好きなラファエッロの絵も沢山あるのです。 8時30分開館にあわせてパラティーナ美術館へ。 ピッティ宮が見えてくると、写真撮影に夢中のO君は石畳に足をとられてすっ転んだ。大事なカメラを包み込みながら受身をしながら一回転。こんな時に高校の体育で強制的にやらされた柔道が役立つとは良かった良かった。 パラティーナの中は写真で見るより凄い。壁を名画が埋め尽くした広い部屋がいつまでも続く。お目当てのラファエッロまで辿り着くのに両手の指では足りないぐらいの部屋を越えてやっとラファエッロの小椅子の聖母のある部屋に。人の手で描いたとは思えない筆のタッチのラファエッロの傑作を見てしまったのです。拝みたくなるほど神々しい絵です。そんな絵が沢山の絵の中に埋もれているのです。 パラティーナには絵以外に天板に象嵌細工を施したテーブルが各部屋に置いてあります。 そのテーブルの象嵌細工の精緻な仕事には、絵に負けないほどの感動を感じました。 名もない中世のフィレンツェの家具職人の技術のすべてを込めて作り上げたテーブル。 素晴らしい仕事は500年の時を超えて私たちに感動を伝える。このテーブルたちを見るにはパラティーナを訪れるしか方法はありません。 フィレンツェホテル.jpg フィレンツェで泊まったホテルは貴族の館を改装した4階建。 エレベーターは螺旋階段の中央に通された網目のクラシックなタイプ。部屋は狭いけれどシックで良い感じの最上階の部屋。部屋と同じほどの広さのベランダもあり、喫煙にも困らない。ベランダからは屋根越しにブルネレスキの大聖堂も見える。良い感じ。 しかしなぜか部屋が暑い。暖房を止めても暑い。しかたなく唯一の明かり取りのベランダに通じるガラスドアを開け放ったまま寝ることにしました。これで寝れると思ったら、11月だというのに蚊がブーン。O君と私は夜中に痒くて目を覚ましました。11月に蚊にかまれるなんて考えてもいませんでした。 ベランダから.jpg

Le Bonheur (21:11) | コメント(4)

Comments

  1. 三好 より:

    視察旅行お疲れ様でした、お帰りなさいませ。 イタリア、僕も行きたいなぁ~ でも来年早々のバンコクと香港は既に決定で再来年のオランダもほぼ決定なので、イタリア行きは何時になるやら、、、時間とお金を稼がないと。
    太ダレスですが松本様ご夫婦の作品から少しずつですが営業が仕事の私の武器(防具?)に変化していっているような気がします。この鞄で稼いでイタリアに行こうと思います。
    またお店に太ダレスと共にお伺いしますので、イタリアでのお話お聞かせくださいね、ひょっとしたらイタリア旅行の産物で新しい鞄の構想が出来てたりして、楽しみにしています。
    では明日の「イタリア旅行4」を楽しみにしています。

  2. ル・ボナー松本 より:

    三好さん
    帰りはスキポール空港で7時間のトランジットがあったのでアムステルダムも体験しました。
    食通の三好さんはフランスかイタリアの方が、、、私のオランダでの数度の食事ではそう思いました。ブログに書けないお話もあるのでお時間に余裕があったらお立ち寄りください。

  3. 彷徨い回転する自由人O より:

    パラティーナは本当に素晴らしかった。どの部屋も息を飲みました。けれども、ラファエロの「大公のマドンナ」を観た後は他の作品が霞んで見えたのも事実でした。この部屋に連れて行ってくれたことに感謝しています。その前後、人気のない路地裏を引きずり回されたことを割り引いても。

  4. ル・ボナー松本 より:

    彷徨い回転する自由人Oさん
    次はフィレンツェ路地裏編です。O君も結構、路地裏を楽しんでいたように見えましたが。

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