ル・ボナーの一日

一年ぶりの太ダレス組上げ開始

2006年10月17日

ふれーむとっぷ.jpg 太ダレスの組上げが始まりました。現在トップの枠を作っているところです。 軽量に仕上げるため、フレームはアルミを使っています。その他強度、質感を殺さずに色々なところで軽く仕上がるように工夫したことで、本場イギリスのドクターバッグに比べれば半分ほどの軽さになっています。 このアルミ枠は金具屋さんに図面を送って特注で作ってもらうのですが、穴の位置が微妙に狂っていることが多々あり、組上げる前にドリルとヤスリで調整しないとネジがしっかり締め付けられなくて長く使っていると緩むことがあるので、調整は大事です。 取っ手をつなぐカンとオサエは、既製の7000番のオサエとカンはダイキャストにメッキをかけたものですが、ネジ式のカンにして真鍮で作り変えてもらっています。どうしても金属どうしが擦れるところは長く使うと磨耗するのでいつか修理をすることになる部分で、ネジ棒にすることで、修理の時間と費用がかからなくてすみます。ネジにする前はフレーム部分全体を交換しなければいけなかったのですが、このネジ式のカンに変えたことで、お持ちいただいたその場でネジ棒を交換するだけで済みます。 コバ底鋲.jpg時々お客様で、ドクターバッグの底のコバの部分に写真のような底鋲を付けて欲しいと言われる方がおられます。ル・ボナーではそれはお断りしています。付けることで底の部分が傷みにくくなると思われているようですが、付けると重力の関係で同じ高さになろうとするため、底鋲を付けた部分だけ変形してしまうのです。変形を生みやすい作りは極力しないようにしています。 革に無理をかけたデザインや工夫は、長く使い続けたいと考えるなら避けた方が良いと思う。 革に優しいデザインや工夫をしてゆきたい。そうすれば良くなめされた革であれば、長く使い続けることができます。

Le Bonheur (19:16) | コメント(5)

Comments

  1. okuno より:

    作業風景や道具の写真はいいですね。
    見るだけでなぜかわくわくします。
    お店にも行きたいのですが、なかなかいけなくて残念です。

  2. ル・ボナー松本 より:

    okunoさん
    作業の忙しさに比例してゴチャゴチャになってしまうル・ボナーの作業場ですが、お暇が出来たらお越しください。

  3. オカザキ より:

    お世話になっております。
     写真の底鋲、通勤時の電車の中でよく見かけます。
     金具を革に「噛ます」コト自体、既に革を傷つけているように思えて仕方ありません。
     それと、私、錠前も威風堂々としていて、いいと思うんですが、貴店が別注なさった「ヒネリ」の方が好みです。
     話は変わりますが、今朝の神戸新聞で「姫路靼(なめし)」の記事が掲載されてました。
     関連URLを下記に記しておきます。
     機会がございましたら、是非ともご覧いただきたく存じます。
     URL:http://homepage1.nifty.com/tanizawa_bag/himetan.html

  4. ル・ボナー松本 より:

    オカザキさん
    姫路なめしというのですか。私は白なめしといってました。日本独特の大事な革なめし技法だと思います。同じ兵庫県だし使いたいのは山々なのですが、柔らかいという事と汚れを吸ってしまうということで躊躇する革です。良い方法を考えて使ってみます。
    昨日ハミは渋谷の藤井さんの処に表敬訪問。デッドストックのカールフロインベルグのチョコ色のボックスカーフで棒屋根ボストンを製作中で見事なカバンだったそうです。藤井さんは既製の錠前も一度分解して磨き直してから、組み直すのだそうです。偉いですね。

  5. オカザキ より:

    呼称は様々あるようです。
     詳細につきましては、下記URLをご覧いただければよろしいかと存じます。
     URL:http://www.hikaku.metro.tokyo.jp/images/133pdf/03.pdf
     URL:http://www.hikaku.metro.tokyo.jp/images/132pdf/04.pdf

Leave a Comment

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

アーカイブ