ル・ボナーの一日

プロトタイプ

2006年08月04日

ソフト・ブリーフ.jpg 年末にトータルで登場させる予定の鞄の一つ、ブリーフケースのプロトタイプが出来上がりました。細部を修正してから、最終サンプルです。 今回の商品群のトータルテーマはソフトです。ソフトな仕上がりを前提に統一したデザイン・コンセプトで作ります。そのため最初のサンプルが最も重要で、これさえ決定すれば、ポーチもボストンもリュックもそんなに悩む必要はありません。これから味付けを考えます。 部品の厚みを少し変えるだけで、カバンの表情は変わります。 パターンを直線ではなく、少し曲線を入れるだけで、豊かに見えます。プロトタイプはパターンを直線で仕上げているので、これからが腕の見せ所です。今のところ予想どうりの表情を見せています。 革という素材は、ナイロンや生地素材と違って、カバンを作る時厚みがあるため、割り漉きという工程が必要です。そのため手間がかかるのですが、内縫いのカバンの場合、豊かな2次曲線がカバンに生まれます。 今回のシリーズでは、その2次曲線をうまく生かせたらと考えています。 意図的に革のドレープが出せたら、大満足。革でないと出せない緩やかなドレープ。 パターンを曲線で構成し、いせ込みを使った内縫いで組み上げると、直線に見えるラインにも、微妙な2次曲線を生みます。その事がシンプルなデザインのカバンでも、豊かな表情を生み出します。 靴は木型を、洋服はマネキンを使い立体パターンを生み出しますが、カバンの場合、三角関数と職人の感と経験から立体を創造します。私は数学は苦手なので、感と経験オンリーです。そのため出来上がってみると、意図していたラインと違う場合があります。予想していたより豊かなラインが生まれて満足したり、その逆で、パターンをやり直してサンプルの作り直しをしたり。その試行錯誤の繰り返し。 この頃、巷では部品や付属物がジャラジャラついたバッグが流行っています。 私はそういったバッグは飽きが早いと思っています。パターンの工夫で生み出されるシンプルでありながら豊かな表情を持ったバッグの方が良いと思う。 プロトタイプがどんな風に変身するか、パターンを起している本人が楽しみです。 豊かなシンプルを創造したい。

Le Bonheur (07:30) | コメント(2)

Comments

  1. ノブ より:

    革はミネルバですか?シンプルですけどソフトな印象を受けます。ビジネスタイムよりオフタイムに使いたくなる感じです。

  2. ル・ボナー松本 より:

    ノブさん
    ミネルバ・ボックスで作ってみましたが、本生産でこの革を使うかは未定です。リーズナブルな価格設定を目指そうと考えているので。

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