ル・ボナーの一日

新作考え中

2006年07月20日

カバンの絵.jpg 新作を考える時、まず絵型から始まります。 独立系鞄職人の場合、問屋さんのように季節ごとの展示会などはないので、新作を出し続ける必要はないのですが、それでも新しく考え出すことをやめたら鞄を作り続けている楽しみを自分から放棄することになってしまいます。楽しくもあり、苦しくもあるこの作業を、鞄を作り続けている限り、続けてゆくのです。 私の場合、頭の中でイメージは出来上がっていて、それを誰かに伝える必要はないので、作る時のバランスを見るために正確に縮小した絵を書きます。そのことで型紙が作り易くなります。 軽くて柔らかな鞄と小物を今考えています。 今まで、ル・ボナーを支持していただいた年齢層より少し若い世代を意識してデザインしています。 革のカバンだのに、ナイロンと革のコンビの今流行りのカバンのように軽やかに持てる物をと。 若い人たちは鞄が革であることに、特別こだわらない人が多くなりました。そんな人たちに革の鞄の良さを知って欲しいと思い、そんな革鞄を思案しています。 私はイギリス風のしっかりした固そうな鞄が元々好きです。しかしこの手の鞄は堂々としていて存在感があるのですが、日々使うのに使い手の配慮と辛抱を必要とします。 その配慮と辛抱を要するゆえに紳士的な雰囲気を演出できるのですが、楽ではありません。 多くの人は革鞄にも、軽くて使い勝手の良い、それでいて革の良さを感じられるモノを求めます。その流れは無視できません。 50歳の脳は柔軟性に欠け、柔らかな発想がなかなか出てきません。 でも、その事も楽しんで、新作を考えます。

Le Bonheur (11:24) | コメント(1)

Comments

  1. kazubon より:

    どんな作品が出来上がるのかを楽しみにしておきます!

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