Photo by ボンジョルノ松本 三脚とタイマー使ってM9で自画撮り。小学生の夏休み風ファッションでボンジョルノ松本は還暦年の誕生日を迎えました。体力気力衰える一方の私ではありますが、これからもダンディーな熟年にはなれそうにありませんので、一番楽ちんな格好で日々過ごしていきたいと思っています。
それにしても60歳です。子供の頃、60歳と言えばもう現役を引退したおじいちゃんというイメージだった。今でも、サラリーマンの人たちは第二の人生を考えなければいけない年齢。私は幸いにも自営業なので、健康でさえあればこの後も今までと何も変わらない日々を過ごせる。ただ職人として考えた場合は違っていて、体のあちこちが老化し昔のようには作れなくなっていて、作り人としての位置付けは少しずつ変更せざるおえないでいます。でもそれは仕方のない事、この狭い業界の中で少しだけでも刺激与えられる仕事を老いて尚続けていけたらと思っています。
十代の私は劣等感の塊だった。そんな私を救ったのはモノ作りで生計を立てる事だった。ただそれは思っていたより厳しくて、ず〜っと経済的には苦しかった。仕事は1日18時間働いた時期も長く続くほど鞄作りを続けていたけれど苦しかった。でもその間、ブランドバッグの量産組み上げから世界を目指した新興ブランドの企画室勤務まで、有りと有らゆる業界の職種を経験した事と多くの先達と知り合えた事が役立って、やっと楽出来るようになったのは10年ほど前から。昔に戻りたいとは思わないけれど、七転八倒した長い年月が少し懐かしく思い、その年月がこの後10年も楽しく過ごせる糧になっているとつくづく思う。
私の予定では寿命は75歳前後を予定している。これは私の親父が亡くなった年齢で、喫煙その他生活習慣が似ている私も同じぐらいと考えた。医学の進歩で10歳は長く生きるという人もいるが、そうなった場合は何も考えていない。衰えがこのまま進んだとしても休息は多く取る事にはなるだろうが70歳まではこのままの状態で仕事を続け、その頃には顧客の多くが第二の人生を始める年齢に達するので、そしたら革製品も少し売りながら「喫茶ル・ボナー」を始めようかなんて軽い気持ちで思ったりもする。その時は有料なのでネタを今から増やしていかないと・・・・?。
還暦記念に棒屋根ボストンを作ってみました。思ったよりスムーズに作れて、ちょっと職人としての自信を取り戻させてくれました。まだやれる。
還暦おめでとうございます。