ル・ボナーの一日
シンプリシティーとダドグラフ
2006年05月04日
昨夜、NHKのハイビジョンで何年か前に放送されたフィリップ デュフォーとアントワーヌ プレジウソの違った形での時計作りの日々を中心に綴った” 独立系時計師たちの小宇宙” という番組のビデオを見ていて、ますます時計が魅力的に思えて、次の日。
お客様が持って来られました。フィリップ デュフォー氏の作ったシンプリシティーとランゲ アンド ゾーネのダドグラフを。見て 触って 音を聞きました。
フィリップ デュフォー氏のシンプリシティーは、昨夜ビデオで製作風景を見たばかりだったので、特別の感慨を持って見てしまいます。
シンプルな3針時計の部品一つ一つに丁寧な仕事の手が加わり、誠意を人に伝えてくれます。
ハンドメイドが高い次元で、技術と調和しています。
値段を考えず、一つだけ手に入れられるとしたら、私は迷わずこの時計を選びます。
しっかりと響く音色が、心地良い。
ランゲ アンド ゾーネのダドグラフはシンプリシティーとは全然違う感動を与えてくれます。
ドイツの強さ、洗練されていない愚直な美しさ。
すべて丸見えの複雑なムーブメントに圧倒されながら、部品一つ一つの硬質な厚み感に驚かされます。
写すのがヘタなため、ムーブメントの凄さを伝えられないのが残念です。
それにしても、ケースがプラチナであることも相まって、なんて重い時計なのだろうか。
この2つの時計の唯一の共通点は、ムーブメントの素材がジャーマンシルバー(洋銀)だという事。この素材、なかなかいいのです。
鞄に使うオリジナル金具の素材としてどうか、調べてみよう。
私は今日、時計の中に夢をみました。
私の作った鞄の中に、お客様が夢が描ける、そんな鞄を作っていかなければ。
作るものは違っても、同じ職人なのだから。
Le Bonheur (19:24) | コメント(2)
Comments
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シンプリシティーのムーブメントは銀白色のジャーマンシルバーでした。
今度、来店される時、お持ちの洋銀のバックルを見せてください。
ベルト出来ていますよ。
お世話になっております。
私が持っている某社のブライドルレザー製のベルトのバックルも洋銀製です。
ランゲのムーブメントのプレートに使われる洋銀は黄色みがかっていますが、私のバックルは合金にする際の金属の比率が異なるせいか、黄色みがかっていません。
いずれにせよ、洋銀は真鍮より硬質であるため、加工が困難かもしれません。
でも、私は銀白色の金属が好きです。