ル・ボナーの一日
リモアのパイロットトロリー入手
2013年05月12日
私は鞄職人です。なのでカバンと名のつくモノは一応どんなモノでも作れる。パーツが入手し難いモノでも新品を買って来て分解して、パーツだけ流用すれば作れない事はない。旅行用のキャリーケースだってその方法で作る事も出来ない事はない。しかし一点だけ自分用に作るとなると、これはル・ボナーにとって大きな損失となる。だから他社のカバンを買っちゃった。これは相当言い訳に聞こえるかもしれませんが・・・・・。
もう半年ほどハミには言い続けていた。「Nさんも持ってる。Mさんも持ってる。他にもあの人も」なんて駄駄を捏ねる子供のような理由では通用しません。でも屁理屈でない正当な理由付けはできないで、それでも入手したいと願った。機内持ち込み可能サイズで上蓋開閉式のコロコロ付きケースはこれしか現状ない。理に叶った使い勝手の良いアルミケース。3〜4日の海外出張ならこのケースのハンドルに「マエストロ」を挿して行けば、スーツケースなしで行けるからスムーズな移動が可能(実際にその2つを機内持ち込みで何度も渡欧した方が荷物検査で問題視される事はなかったと確認済み)。そんなスタイルの海外旅行をする事はないボンジョルノですが、このアルミケースのハンドルにマエストロを挿して旅する自分自身を想像して、どうしても入手したいと願った次第です。
そんな風にハミと交渉し続けて半年。アベノミクスの影響でユーロ高が進み輸入品は値上げ必至の状況。どうせ買うんだから値上げする前に買ったらと、やっとハミのお許しが出た。そして早速手に入れた。
そのカバンはリモアのパイロットトロリー29ℓ。ハンドルにマエストロを挿した状態は絵になります。荷物の出し入れも上蓋開閉式なので普通のスーツケース式と違ってスムーズ。そしてアルミの質感がドイツを感じます。イタリア好きの私がドイツを感じる必要はないのですが。
錠前はプラスチッキー。現行品はTSAロックの付いたタイプになっているけれど、私は極力安く入手出来るパイロットトロリーをと頑張ったので旧型の訳有り品。でも届いてその訳有り部分を検品したけれど、アルミの表面が一度使えば付くような擦れが有ると言えば有る程度。
ハンドルは2段式の汎用品ぽい感じ。もう少し工夫すると良いと思う。現行の製品ではトゥミの一本ハンドルが一番良いかも。
コロコロは立派。この車輪部分の正式名は何て言うのだろう?。
内装はシンプル。アルミの板の仕切り位置を変えられる工夫は面白い。ブリーフケース付きだけど、それを単体で使えるレベルの品ではなく、内装のポケット替わり。
合理的な製造システムから生まれる工業製品。しかし60年以上作り続けた変わらぬカタチは、優しさ感じる旅への浪漫。このリモアのアルミケースは、USAのトレラーハウス(エアーストリーム)、飛行船、エンパイヤステートビル、バウハウスデザイン等を連想する。職人仕事とは違った方法から生まれたチャーミングな郷愁のフォルム。気に入っています。
Le Bonheur (23:41) | コメント(2)
Comments
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「キャスター」!?
そんな単純な名前じゃないんですよね…きっと。何て言うんでしょうね??
Re: ボンジョルノ より
キャスターか。そうかも。
単純な質問です。
ZEROは選択肢になかったんでしょうか?
Re: ボンジョルノ より
ZEROは現行品で上蓋開閉式がなかったかと。それとフォルムがリモアの方が好きです。