ル・ボナーの一日
年の瀬が近づいて増殖した万年筆
2012年11月26日
何故なんだろう?とボンジョルノは考えた。万年筆は数本あれば事足りることは重々承知している。そして使って楽しむだけならラミーのサファリが1本あればそれで十分かもしれない。でも不条理な魅力を知ってしまうと増殖してしまう厄介な趣向品だ。まあ考えても仕方ない事。これからも煩悩の数まで楽しむ事にしよう。でもって5本増えた。その1本は前回紹介したヴィスコンティの「オペラタイフーン」。残りの4本は〜
シェーファーのバランス型2本。シェーファーを代表するフォルム。万年筆の意匠と機構を工夫し続けたブランド。何故かこのシェファーの万年筆が好きで数えてみると12本所有している。でもバランス型はまだ持っていなかった。いや昨年のスペイン旅行時にマドリッドの蚤の市で1本初めて入手した。でも使える代物でない事が帰国後判明。その時の無念さもあり、いつかシェーファーのバランス型と思っていた。1本はボローニャで。それより上等な方は名古屋の「PenLandCafe」さんより。素敵な2本のシェーファーのバランス型です。
ごく一部の人たちの間で話題のYouTubeの投稿動画の「ナミキファルコン」を見たハミが、こんな風に字が書きたぁ〜いからこの万年筆欲しいなと言うので、相当特別なペン先調整しないとこんな風には書けるはずないと私は分かっていたけれど、それは入手して試してみないとと言って早速P&Mさんに電話したら、現在あの動画の影響もあり出荷調整中で何人か予約待ち中との事。そこでこれも名古屋に聞いてみたら旧エラボーがあるとの事なので買っちゃった。
独得なくちばし形状のニブ。
ペン芯に漆が塗ってある旧エラボー。
その漆を塗った理由は不明。
思った通り動画のようには書けないけれど、
十分魅力的な書き味。
そして真打ちはペリカンのENニブの600。ペリカンのPFニブは有名だけど、ENニブは初めて聞いた。大変希少な80年代のペリカンのニブです。関西の親方と呼ばれる一部で高名な方が所有していた品。この書き味は私の所有するふしだらなほど柔らか書き味の1985年式のペリカンの500ほどではなけれど、十分ふしだらな柔らか書き味。
ニブの付け根部分に小さくENという刻印がある。
それで去年入手して私が現在一番愛用している85年の700トレドのニブを見たら同じENの刻印が。益々この700トレドのファーストに愛着を感じた。
そして私の日々自宅と仕事場を往復する時にパパスに収まる3本指しのペンケースの中には80年代のペリカンが3本(ペリカンの500、600、700トレド)。私は軸の直径が8.5~9mmが一番しっくりする。
何故私は万年筆に魅力を感じてしまうのだろうと改めて問い直してみたけれど、
やはり筋の通る答えは導きだせない。でもまあいいか。
今夜も鞄屋だのにお客さんと万年筆談義を8時過ぎまでしていた。
Le Bonheur (23:11) | コメント(2)
Comments
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私はエラボーのSFとSBを所有しておりますが”あの動画”を見た時は、思わず真似してしまいました。紙の上をペン先が走る音が心地良い動画ですね。
(エラボーはそのままにしておいて、私はカリグラフィー用のペンを買ってしまいました…。スーベレーンM800のイタリックも面白そうですね)
Re: ボンジョルノ より
エラボーを二本も持っておられるのですね。
まああれに近い字を書くなら、筆でマンネンでいけるかも。
練習しよっと。
あ、この黒い軸のは600です。だいたい、ペン先が14Cでなく18Cですし。600が400より長くなるのは後の時代のことです。
Re: ボンジョルノ より
赤ペン先生ありがとうございます。
600に訂正しました。大変気に入っています。