ル・ボナーの一日
ラウンドファスナー長財布製作中
2006年04月02日
今、ラウンド財布の製作中です。この財布はバックオーダーを一杯いただいていて、やっとオーダー分は作り終え、今は店のストック分を作ってます。この財布はハミも使っていて、レシートとかカードを沢山入れる女性には絶大な支持を受けている財布です。
シュランケンカーフを使って、写真のライムグリーン、トープ、チョコの他、オレンジ、ジーンブルー、紫、ゴールド(茶)も作っています。
3月は一番革小物が売れる月なのに、ル・ボナーでは在庫が底をついています。生産計画が甘かったと反省しつつ、遅ればせながら小物作りの毎日です。
小物を作る時一番の要所は割り漉きです。割りとは革を平均して薄くすることで、漉きとは革のふちだけを削ぐ工程です。
財布などの場合革を0,3ミリに割って、その薄さの部品のふちを斜めに漉くという作業もあります。鞄の場合は割り漉きは自分達でやってしまうことが多いのですが、小物の場合は割り漉きを専門にしている職人さんに頼みます。
数年前まで小物の割り漉きは東京の浅草にある割り漉き名人といわれていた職人さんのところに送っていたのですが、遠くて細かな指示ができにくいことと手間がかかるので、今は知人に紹介してもらった大阪の西成の山西さんという職人さんにお願いするようになりました。
夫婦二人だけで割り漉き専門でやってられるのですが、お願いした割り漉きが出来上がってくるたびに誠意のある丁寧な仕事に感動に近い感謝を感じます。
山西さんに頼むようになってから、あとの作業が2工程ほど必要なくなり、小物作りがスムーズにいくようになりました。割り漉き後の作業をする人が少しでも楽につくれるようにと配慮した山西さんの仕事は、その後の作業をする私に心地よくバトンタッチされます。
素晴らしい仕事をする山西さんは決してそのことを自慢しません。丁寧で気配りの行き届いた仕事を淡々とこなしていく。私が無理な要望をしても嫌がらずにこなしていただける。山西さんは私にとって日本一の割り漉き職人さんです。
良い仕事を受け渡されたわたしは、良い仕事で終わらさないと。そんな仕事のリレーは気持ちが爽やかです。
0,3ミリに割った革は紙のようにかんたんに破れます。しかしそれを2枚貼りあわせると薄いけれど凄く丈夫になります。0,6ミリの一枚革より何倍も丈夫で耐久性を増します。
小物を作る時は、ル・ボナーではそれを多用します。丈夫で出来るだけ薄い革小物を作るために。 ル・ボナーの小物は裏地にも生地や合皮を使わず革を使って作っているので、普通に作ると厚くなるので、工夫します。
その時、精度の高い割り、漉きの技術が必要で、山西さんという職人さんに出会えて幸いです。
Le Bonheur (22:45) | コメント(1)
ご無沙汰しております。
ニイガタも少しは暖かくなってきました。
今日の財布の話は自分にとってグッドタイミングでした。
実はスーツの内ポケットにスマートに収まる長財布を探していたのです。
なかなか良いのがなくて。。
次回帰省した際にはお邪魔したいと思います。