ル・ボナーの一日

価値が色褪せない特別なモノ

2012年10月29日

ル・ボナーには革製品だけでなく色々なモノに拘りを持ったお客様が来店される。時計、万年筆、自転車、カメラ、ライター、オーディオ、浮世絵、蒔絵、本、天体望遠鏡、双眼鏡、車、バイク、ヨット、三葉虫の化石、フランク・ミュラーのダイヤルetc..........。昨日もアンティークライターコレクターのプンチャンさんが来店。氏は現在ダンヒルやデュポンをメインに590個ほど所有している。こんなに一杯増殖していくコレクションに対して奥様は何も言わないの?と聞くと、森の中なら増えても気付かれないらしい。そしてこれからも増え続けるだろう。プンチャンさんはボンジョルノのお馬鹿ぶりが面白いと言うけれど、その言葉のし付けてお返しします。その氏は来店するたびに新たに入手したライターを能書き付きで見せてくれる。いつもは全然興味なく相槌だけ打っているボンジョルノだけれど、今回入手した品にはちょっとだけ興味を持った。 IMG_9701.jpg 1920年代に製造のダンヒル「バニティー」。イギリスが栄華を極めた時代の品だ。 IMG_9702.jpg これはご婦人用の特別なライター。少し大きめで鏡と白粉と口紅を収納する部分が内蔵されている凝ったオイルライター。当時の価格はグランドピアノが買える価格したという。 そのグランドピアノが買える価格のオイルライターが、中古品ではあるけれど今なら数万円で買える。なので凄くコアな世界だけれど興味があるコレクターは買ってしまいどんどん増える。 IMG_9476.jpg 去年亡くなったチャーのお母さんのナナのご主人が、チャーの様子見がてら来店された。電気を介していないライカを数台所有されていて、デジタルカメラには全然関心がない神戸的老紳士。散歩しながら久しぶりに写真撮っていると。見ると程度抜群のバルナックライカにズミタール50mmF2。素晴らし佇まいと質感。この当時のライカは都内の一戸建てが購入出来る価格したという。 昔は普通の庶民には別次元のモノたち。それが今だと手が届く。ただ違うのは便利に慣れてしまったコンピューター時代の現代人には、道具として使う余裕がなくなってしまったという事。でもそれらの特別は、一世紀近くたった現代でもオーラを持ち続けていると私には感じる。そしてモノ作りに対して色々な思いが交差した。 私たちの業界をリードする雲上ブランドはエルメスである事は間違いない。昔から高価だった。それがこのところ益々値上がりしている。今まで購入していた方もその価格上昇に呆れている人も多くいるようだ。でも私はエルメスはそうあって欲しいと思う。庶民に迎合する事なく雲上である事で企業を維持するのは、この時代大変困難な道だ。その道を進むエルメスというブランドが存在し続ける事が、鞄作りを続ける私たちには励みになる部分が多分にあると思うから。やはり人の手仕事は素敵だなと改めて思うボンジョルノです。

Le Bonheur (22:56) | コメント(2)

Comments

  1. 茨城 より:

    おはようございます
    昨日送りました
    よろしくお願いします
    Re: ボンジョルノ より
    了解しました。
    修理などのご連絡はブログのコメントではなくて、
    info@kabanya.netまでメールにてお願いします。

  2. くーべ より:

    いいですなぁ。いいもの感のオーラいっぱい。これだけ程度のよいライカを維持されているだけですばらしいですね。
    Re:ボンジョルノ より
    本当に程度抜群で素晴らしかったです。
    撮らなくても持っているだけで心豊かな気持ちにさせてくれる機械だと感じました。

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