ル・ボナーの一日
気仙沼から届いた「オーリック1926」
2012年06月25日
私はヘビースモーカーだ。その上親しいお客様の「シガリロだったら一日数本で十分なニコチン量。その上タールは含まれていないよ〜」などと勧められ吸い始めたが、ニコチンの摂取量の問題ではなかった。紙タバコ吸ってた頃と同じ本数やはり吸っている。これが私の小遣いの大きな負担になっている。煙で消えて行く害ある嗜好品である事は重々承知しているけれど、やめられません。そんな喫煙趣味ではありますが、吸うからにはより充実した時間にする為にライターは必需品。私はシガリロを吸い始めてからは、殆ど100円ライターは使ったことがない。せっかくだものお気に入りのライターで火を付けたい。
ライターをコレクションする趣味はないのだけれど、ヴィンテージのオイルライターは10個ほど持っている。その中で一番のお気に入りのライターはこの1940年代のオーリックのマッチレス(マッチがいらないという意味だと思っていたら、比類無きという意味だという事をを最近知った。)。ヨーロッパの庶民派オイルライターの筆頭格。ダンヒルやデュポンと違い大衆が使ったライター。だから手荒に扱われここまでポンコツな風情が生まれたのだろう。しかしそれでも現在まで使える状態で残っている事が愛おしい。ただ一日一回の給油が必要なコンデションの為頻繁には使えなくて、普段は60年代のガスライターをオイルライターに改造したデュポン改を使う事が多かった。でも庶民派ボンジョルノはやはりオーリックを普段使いしたいと常々思っていた。
そんな事を思っていたところに顧客のプリティープンちゃんが来た。この人ライター500個以上所有するコレクター。このお人にヤフオクあたりで程度の良いオーリックのライターを落札してもらおうかなと思っていたら、「良いもの持って来たよぉ〜」と出て来たライターがオーリック1926。プンちゃんのライター仲間の気仙沼のIさんから、私が無理を聞いた事への感謝のプレゼントだと言う。「そんな事してもらったら恐縮してしまいます。」と普通の良識ある大人だったら断るところだろうけれど、良識ない私は喜んでもらっちゃいました。
早速ブラウン色のクラシコバッファローの革を巻いてボンジョルノ仕様。プンちゃんに聞くと、気仙沼のIさんが分解掃除して素晴らしいコンディションに仕上げた品だと。なので着火する時のスムーズさに驚かされ、その炎のカタチも美しい。持っていたオーリックのマッチレスでは味わえなかった安心感。
だからといってオーリックの手作りチックな味わいは随所に見る事が出来る。後は燃費。一週間給油なしで使う事が出来れば、これからはこのライターを普段使いとして持ち歩く事にしよう。
私はオーリックのライターを見るたびに、ジブリの「天空の城 ラピタ」に出て来るロボット兵を思い起こす。きっと宮崎駿さんはオーリックのライターからイメージしたのではないかと私は確信している。それほど味わいあるポンコツ。Iさん本当にありがとうございます。
Le Bonheur (21:23) | コメント(2)
Comments
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ル・ボナー様
こんにちは。季節毎に拝見しています。いろんな話題に富んでて華やかですね。ただカバンの話題がいろんな話題の中に埋もれてしまっている感もあり、タグ付けあるいはカテゴリ分類をしてくださいますと助かります。
さて、遠方にいる自分的に気がかりなのは矢張り新製品の開発とか、カバンのマイナーな改善とか、旬な革素材とか、納品待ちの状況のような、お店の皆様にとっては取るに足りないような事も関心があります。ぜひぜひご紹介ください。
Re: ボンジョルノ より
その方向で心がけて書いていきたいと思います。
それとブログの右側のカテゴリーの中にある「ル・ボナーの一日」だけを見ると鞄関係のみの選択となります。
いいですね、何処へ行っても喫煙者は悪者扱い、禁煙は賛成だけど人によっては貴重な憩いの一時。残り人生は一瞬一瞬を大切にしたいと想っております。でもお互い量は少なめに致しましょうぞ(笑)
Re: ボンジョルノ より
前回のスペインでは喫煙者が私一人で肩身が狭い思いをしました。今回のイタリアは3人確保したので気が楽です。迷惑かけずに楽しみましょう。