ル・ボナーの一日
材料仕入れは浅草界隈
2011年12月07日
関西に住みながら材料の大部分を東京浅草界隈から仕入れている。姫路で作っている黒桟革にしても直接買うのではなくて東京経由で購入している。これは20年近く東京に住んで仕事をしていた事でその方がスムーズにいくのと、関西の商取引きに慣れていない事が大きい。メインの革を仕入れているサライ商事での革の購入などは信頼関係が出来ているので電話で十分事足りるけれど、時々購入する他の問屋の材料の場合などは実際に行って購入しないといけない事が生じてくる。前回の東京出張もエレファントの革の購入がメインの用件だった。
エレファントの革は貴重品革専門の革問屋で入手する。この革だけは実際に見てチョイスしないととんでもない表情の革が来てしまう事がある。大きな野生のアフリカ象の皮を切り分けてなめしているので、サイズも大小凄く差がある上に盤面の表情も牛革とは比べ物にならない差異がある。
一時エレファントの革はワシントン条約で入手困難になった。しかし大量に食料を必要とする象を保護した事で、サバンナの砂漠化という問題を引き起こし間引きせざるおえない状況を生み、その間引きした象の皮と象牙がワシントン条約の縛りで輸出出来なくて、多量にアフリカの倉庫に蓄積される事になり、特例で現在は野生のアフリカ象の皮と象牙は輸出可能になっている。
貴重品革はあまり好んで使わないル・ボナーですが、このエレファントの革は結構好きです。なんせ丈夫な革です。使い込むとヌバック状の表面はツルツルになるけれど、生命力と強度は革の中で最も維持する革ではないかと私は思っている。
この革でポーチ・ピッコロを作ります。このグレーとブラウン、それに在庫で持っていた黒の3色で。エレファントはル・ボナーの定番革に加えても良いかなと考えたりもしています。このエレファント革のシボはルーペで見ると驚きを感じる複雑怪奇さ。
その出張時に金具屋さんも何軒も回った。ダレスやカブセ式のブリーフに使ういい錠前がなくて困っていた。取引のない金具屋さんも回ったけれどやはりない。それで最後はメインで取引きしている金具屋さんへ。新しい錠前があるとサンプルで送ってもらっていたからないだろうと思いながら行ってみたら、なんだよぉ〜あるじゃないですか。教えてよぉ〜まったく。やはり実際に足を運ぶべきだとつくずく思った。味わいある真鍮のイギリス風の錠前。イギリス錠前の真似っこではあるけれど、質感が良ければ真似っこでも問題多くあるイギリス錠前より日本製の方が安心だ。
それとダレスに使う枠錠前もあった。質感のあるこの手の国産錠前は皆無で、それで前回のダレスバッグ生産時はイタリア・OBI社の錠前を使ったけれど、次回生産用の在庫は底をついていた。これで安心して枠錠前タイプのカバンが作れる。そんなこんなで年末恒例のダレスバッグ作りは年明けから始めます。
Le Bonheur (10:13) | コメント(3)
Comments
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お正月の楽しみになりますね!
お伺いできないのですが、わけていただければ嬉しいですね(未年の男)
Re: ボンジョルノ より
ポーチ・ピッコロが今年中に完成すると良いのですが。
ファスナーの入荷次第です。 -
迫力のあるピッコロになりそうですね。エレファント革はすべてピッコロ用なんですか?他にも何か?
Re: ボンジョルノ より
基本的に今回はピッコロ用として入手しました。
でも他の製品にも使っていきたいなと思ったりしています。
グレー欲しいですね! トートどんどんいい感じになりつつあります、ありがとうございました。
Re: ボンジョルノ より
エレファント革はグレーが人気ですね。
8万円前後の値段で販売する予定です。