ル・ボナーの一日

50年前に父が誂えたコート

2006年02月28日

画像 065.jpg 画像 064.jpg 私が生まれた頃、親父が誂えたコートです。今は私の息子が着ています。 裏地が痛んで、一部お直しをしたところです。それ以外はまだまだ現役です。 良い素材で、丁寧な仕事がされていて、大事に着ていると生地ものでも50年現役で着続けられるのかと驚かされます。裏の処理を見ると、改めてテーラーの良い仕事に感心してしまいます。 気に入ったものでも長く持ち続けるのが困難な時代になったなーと思います。 修理に持っていっても部品がないからと断られたり、修理は出来るけれど買うより高かったりすることがあります。何か変だと思うのです。 私の子供の頃、電気製品は街の電気屋さんが修理をしてくれて、長く使っていました。その他のものも修理しながら長く使いました。修理代はそんなに高くはありませんでした。 それが今のように修理しながら使い続けることが、困難になったのはいつからなのか。 気に入ったものは長く使いつづけたいと思うのは自然なことです。 ル・ボナーの革製品はそうありたい。修理や手入れをしながら長く使って欲しい。 お祖父さん、お祖母さんが使っていた鞄を孫が見て、渋くてカッコイイから譲って欲しいという情景を想像し、そんな情景を演出できる鞄作りをしてゆきたいものだと思います。 消費サイクルが早まり、気に入った物でも長く維持するのが困難で、買う側もそれを当たり前と思っている時代、そんな時代に逆行するアナログな物作りを私は続けてゆきます。私はそんな物作りの方が豊かだと思っているのです。

Le Bonheur (09:19) | コメント(0)

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