ル・ボナーの一日
ペリンガーのボックスカーフ
2006年02月25日
今回の東京出張で最も楽しみにしていたのが、革屋の常務が世界一のボックスカーフと豪語していたドイツ、ペリンガーのボックスカーフを見て触って、良ければ買うことでした。
ボックスカーフといえば、誰もがドイツのカールフロインベルグを思い浮かべますが、今でもポーランドで同じ名前で作ってますが、ドイツで10年ほど前まで作っていたものとは別物です。そのため世界のボックスカーフのシェアをフランスのデュ、プイ社がにぎり、世界で流通しているボックスカーフの多くがデュ、プイのものです。
今回見て触って、さすが私の大好きなペリンガーが作ったボックスカーフ、素晴らしい物でした。
私は何に使うかはっきりした目的もなく、ヨーロッパ皮革コレクターの虫が疼き、革屋の常務の口車にのって高価な革を買ってしまいました。ベビーカーフを使っていることもあいまって、デュ、プイの倍近いお値段なのです。しかし確かに世界一のボックスカーフです。このなめしと仕上げはさすがペリンガーです。
ボックスカーフという革は、本来靴用に作られた革で、最後に熱を加えてスミイレしやすいようになってます。靴用のボックスカーフをそのまま鞄や小物に使うと、使い込んだ時、悲惨なことになります。そのため鞄や小物に使う時は、もう1工程くわえて、表皮の定着を強めます。このことを知らない人が多く、1工程くわえていない靴用のボックスカーフで作った、鞄や小物が結構世の中に出回っています。
今回入手したボックスカーフはベビーカーフ(生後3ヶ月までの牛革)を使っているため、革の厚みが薄いので、ハンドバッグと小物に使おうと考えています。クロームなめしのタンナーの技量は、ボックスカーフを見ると一番よくわかります。ごまかしがきかない、技術力のいる革です。
Le Bonheur (21:35) | コメント(0)
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