多くの万年筆愛好家から無視され、でも私は強い興味を感じているイタリア万年筆ブランドがある。その名は「アンコラ」。このブランドは謎に満ちている。イタリアの万年筆ブランドだのにイタリアに行った時に文房具屋さんで「アンコラの万年筆ありますか?」と尋ねても、アンコラという万年筆の存在すら知らない。どうやらロシアで主に販売している万年筆らしい。オリジナルで作っているらしい伸びやかなハイレグペン先に魅了され、私は何本もいらないけれど1本は入手したいと思い続けている万年筆なのであります。
そのアンコラの限定万年筆「ベスビオ」をヤフオクで落札したよぉ〜と見せびらかしに来た御仁がいた。落札価格は2万円以下だったようで、羨ましい〜。いっしょにもう1本限定アンコラ万年筆もご持参頂いたが、そちらの方は名前を忘れた。ピストン吸入式だったけれど、吸入しようとしたらピストンの軸が折れたようで、付けペン専用アンコラ。それにしてもこのブランドの限定万年筆はいつも88本だけれど、そのぐらいの数しか売れない万年筆なのかも。
「ベスビオ」の軸の赤色は魅力的だ。しかしその魅力的な赤レジン軸を過剰で雑な金属(バーメイルらしい)装飾が損なっているぅ〜と私には思える。でもアンコラに対してはひいき目で見てしまうボンジョルノなので、祭りの夜店で売っているような破綻した軸の意匠ではあるけれど、それもイタリアらしさだと思う事が出来る。
外観は目をつぶって、ボンジョルノにとってアンコラに魅力を感じている最重要部分の、自社製らしいハイレグペン先部分をルーペで見ると〜。素晴らしい〜切り割が五分五分(ここが重要)でハイレグペン先独特のサスペンション効いたフヨンフヨンした書き味を楽しめそう。18金ペン先の荒い表面の仕上げは我慢出来る。
問題点多々あるけれど、出来の悪い子が可愛いように、アンコラの万年筆はイタリア的な美しさと醜さの両方を、デルタの限定万年筆以上に色濃く内包しているように思えた。やはり1本はいつか入手したいイタリア万年筆だ。ただ限定品に比べてまだシンプルな軸デザインの定番品らしい「ペルラ」がいいな。
きれいに撮れて雰囲気は出ているのですが、レジンの赤い色が実際とは違いますね。忠実な色を再現するのは難しいですね。ホワイトバランスの問題なのでしょうか?黒のSWORDは東京の川窪万年筆へ入院させました。
Re:ボンジョルノより
あの美しい赤を撮れなくてごめんなさい。次回ご持参頂いた時には、私の得意な方程式を使った撮影を試みて、必ずやドンズバの赤を撮りたいなぁ〜。あの時お店にお客様が来られていたので、その方程式が使えませんでした。SWORDという名前だったんですね。忘れておりました。修理出来るとしても相当かかるんでしょうね。ご立派。また色々見せに遊びに来てください。自転車の写真を撮るのを忘れていた事を後悔しています。