
ポーチ・ピッコロは大変だった。何でもないシンプルなメンズポーチだけれど、バッグinバッグにもなるサイズでありながら、十分な収納力を持ち合わせたポーチにする為に、内側にも外側にも出っ張りが出ない縫製方法でないといけないと考えた。ポストミシンを使った縫製だと上手く行きそうな感じだったけれど、実際にポストで縫ってみるとコーナー部分のマチが出っ張りスマートなイメージに組み上がらない。シャープさが出ない。何度も試作を繰り返し、平ミシンでもこのカタチに縫い上げる事の出来る縫製手順の工夫を導き出せた時は感激だった。このポーチ・ピッコロはデザインするだけのデザイナーには生み出せない、職人がデザインし縫製の工夫まで考えたから生まれたカタチだと思っている。このポーチ・ピッコロも現在数個しか在庫がない状態で、只今製作中でもう少ししたら出来上がってきます。クリスペルカーフのブルーステッチ、シュランケンのバイオレット、スカイを待っておられる皆様、もうしばらくお待ちください。

表にはショルダーベルトの中央を走るステッチ以外ステッチを見せないで組み上がったショルダーバッグ「ペーパームーン」はボンジョルノの真骨頂。分解しても縫製方法が理解しにくい難解なパズルの様なパターンのバッグ。最初に私がサンプルで作った品とパターンを提示した時、作って頂く職人さんは手順を覚えるのが大変だしポケットいっぱいで手間がかかりそうだからと断られた。でも諦めず説得を繰り返し、慣れるとスムーズで数が上がる事が分かって頂けた。その後大手通販会社にて販売し、相当年齢層が高ぁ〜いお客様に支持されて、ル・ボナーのバッグの中で一番いっぱい作った。要望があるのでこのペーパームーンは復活させたいといけないと思ってます。実はこの同じ考え方で、リュック、トートバッグ、ブリーフケース、縦型ショルダーバッグも何年も前に型紙は起こしていた。日の目を見せてあげたいものです。

大人気のパパスショルダーも新型に変える時に、本体サイズ変えずに口元をどうしても広げたかった。A4ファイルが入るサイズだのに、口元狭い為収めにくい。これをどうしても改善したかった。ショルダーの付け根部分のパーツの形状変更。この工夫で口元が4センチ広がって、A4ファイルがスムーズに収める事ができるようになった。何度もパーツの形状を変えて作ってみて、その結果このカタチに。これがミシンで縫えるぎりぎり。ミシンは手縫いと違い色々な制約がある。ステッチの内側7ミリ幅の押さえが走るスペースが必要で、それをギリギリのところでクリアーした苦心のパーツ形状。
縫製方法まで考慮してカタチを生み出す事で、ル・ボナーらしさが生まれる。そのスタンスでこれからも理解して協力してくださる職人さんたちと一緒にル・ボナーのカタチを生み出して行きたいと思うのでありました。カバン作りは面白い。
こんにちは、M9のTです。(これでわかりますよね?)
自分も製品作りをするときに考えてる事を、過不足なく文章にされているのを見て感動しました。
>>慣れるとスムーズで数が上がる事が分かって頂けた。
同じです。たいてい、サンプルと縫い方説明すると「めんどくさい」と最初は言われるのですが、作れる人間が本気で考えてるんだから、手順には合理性があるのですよね。
>>デザインするだけのデザイナーには生み出せない、職人がデザインし縫製の工夫まで考えたから生まれたカタチだと思っている。
>>縫製方法まで考慮してカタチを生み出す事で、ル・ボナーらしさが生まれる。
これも、まさに自分が言いたい内容です。今後、似た表現を使ってしまう時もあるかも・・・
自分の場合、自分を「職人」とは言えないのですが。
(パターンから最初の1枚の縫製までやるから・・・程度です)
革製品はやはり「職人」の世界です。
コバにしろ、貼るにしろ、縫うにしろ手勝手が肝要なのを見ていて感じます。
そのあたり、ミシン縫製の布帛はもう少し、工業製品的というか、ミシン・生地・アタッチメントのセッティングの世界です。
襟先とか、アイロン仕事は手勝手が入ってきますが。
Re:ボンジョルノより
もの作りする仕事を生業と出来た事に幸せ感じております。
これからも満喫していきたいと思っています。
カメラ趣味は迷路のようです。
道具じゃない構図だと、日々自分に言い聞かせていますが。