ル・ボナーの一日

「アンコラ」勇気あるボンジョルノの決断

2011年01月25日




イタリアの「アンコラ」というブランドの万年筆に興味を持ち、1本は欲しいと願った。旧アウロラのペン先のようにハイレグでその上18金。イタリアンな猫足タッチの書き味を思い浮かべ、入手したいと願い早1年以上の月日が経った。去年イタリアを訪れて文房具屋さんを見て回った時の私の最大の目的は「アンコラ」を見つけて入手する事だった。ヨーロッパ周遊旅行の出発直前に世界的万年筆コレクターのすなみさんにその事を言ったら、あの万年筆はまずいでしょうと言わちゃったけれど、逆にどうしても欲しいいと思ってしまう天邪鬼なボンジョルノでありました。しかし「アンコラ」の万年筆はイタリアだけではなく、ドイツでもチェコでも一本も探し出せなかった。一体イタリア製万年筆「アンコラ」は何処で売っているのだ?。後で知ったのだけれど、アンコラが主に売られている国はロシアだそうです。イタリア製なのにイタリアで売っていなくてロシアで売っているイタリア万年筆。そのローカルさが、益々魅力的に感じるボンジョルノでありました。



先日の土曜日にワーグナーの関西地区大会が神戸であり、その時東京の万年筆愛好家の方が神戸の離れ小島・六甲アイランドのル・ボナーに来店頂いた。その時アンコラへの思いを話したら、使わなで持っているアンコラがあるなぁ〜と。帰京後そのお持ちのアンコラの画像を送って頂いた。


正真正銘アンコラの万年筆です。ハイレグなペン先に魅了されます。今まで何本かのアンコラのペン先を見ましたが、切り割りが中央なのは見た事がなかったけれど、この個体は切り割りが中央みたい。そしてトレードして頂けるお値段も良心的で、これなら今ある私のお小遣いで入手可能だ。入手したいと思った。


しかし私の場合はブログで公表するのが楽しみの一つ。その為ル・ボナーの顧客のライターコレクターの某氏や、フランク・ミュラーのダイヤル他色々収集家の某氏や、浮世絵集めている某氏のようには相方に黙っての入手は出来ない。私の相方はありがたい事に今のところ万年筆には寛容ではあるけれど、それでも大義名分が必要だ。いっぱい持っていると大義名分などある訳ないけれど、それでも言い訳は考えないと。その事を数日考えていた。なかなか浮かばない。


その心の格闘の時間の間に段々冷静になってきたボンジョルノ。アンコラのペン先は魅力的ではあるけれど、この88本限定生産品というベスビオという名の万年筆の派手な意匠がどうも気になり出してしまった。もう少し控えめなデザインのアンコラが良いなと。どうせアンコラは1本持てればそれで十分。限定品じゃない控えめな意匠のペルラで十分。今回のアンコラの入手のチャンスは見送る事にいたしました。何て大人な決断を下したボンジョルノでありましょうか。ハミも「偉ぁ〜い!」と言ってくれました。心残りはあるけれど、アンコラはペルラ一途で行く事にいたします。なくても困らないから、ゆっくり徐々に煩悩の数までと自分に言い聞かせるのでありました。

Le Bonheur (22:05) | コメント(4)

Comments

  1. H より:

    昨晩はおじゃましました。
    浮世絵”も”集める某からも「偉~い」と言っておきましょう。
    使わないものはじっと我慢して、リフォームしましょう。
    Re:ボンジョルノより
    集めてもいいけれど、集めなくてもいい。
    全てを楽しめたらいいなんて自分に言い聞かせております。
    リフォーム資金の方が大事かも。

  2. 夢待ち人 より:

    夢待ちです、先日はありがとう御座いました。アンコラ綺麗ですね、しかしながら見送った松本さんの決断はすごい、意思の弱い小生にはとても真似は出来ません。※撮って頂いた写真、ブログに載せたいと思いますので宜しければメール添付お願い出来れば幸いです。感謝
    Re:ボンジョルノより
    今回は残念しました。
    その事でより強く「アンコラ」への思いを楽しめたらなどと思っています。トホホ・・・・。
    メールアドレスがわからないのでinfo@kabanya.netにメール送ってください。
    重たいままレベルソの画像を送らせていただきます。

  3. pretty-punchan より:

    え~、あの苦行にも似たイタリア、チェコ、ドイツのアンコラ探索旅の空振りにも拘らず、こんなビッグチャンスを逃すのですか??切り割も5:5の様だし、しかもこの美しいお姿。更には世界に88本しかない超希少品なのにぃ。ただでさえ入手困難なアンコラ・ベルラの遥か上をいくバージョン。目見麗しき色調。深窓の令嬢然とした佇まい。「大人の判断」と仰いますが、われわれは常にガキでしょ。ガキが冷静になってもロクな考えは浮かびません。ボンジョルノさんらしくないなあ。ハミさんへの大義名分なら私も考えてあげるのに…。
    Re:ボンジョルノより
    勢いでいけばよかった。
    時間を置いたら冷静になってしまい、
    今回は見送る事にしました。
    プンチャンのようにはいけません。

  4. 小市民ケーン より:

    松本様
    遅くなりましたが、本年も宜しくお願いいたします。
    欲しくても、なかなか手の出ないものにル・ボナーの学手風ブリーフがあります。以前の記事でご主人が東京出張の際に新幹線内で撮られた写真がありましたが、頭からずっと離れないでいます(しっとりとした黒ですね)。黒かチョコか・・・。
     パパスでも週末の出張は可能ですが、お願いするのであれば経年変化を楽しむのには、早めの方が良いのでは・・・、とも思いつつ。どなたか余り使っていない方がいらしたら、譲っていただけない物かと、邪な考えも頭に浮かんだりして・・・。
     一応聞いてみたいのですが、次回作られる予定はありますでしょうか・・・?ハミさんの作る学手風ブリーフ、本当に素敵です。
    では、失礼いたします。
    Re;ボンジョルノより
    学手風ブリーフは作りつづけますが、次回生産は何時になるか未定です。ただル・ボナーらしさ満載のブリーフケースなので、お店に一個は飾っていたいと思いつつオーダーを受けずに作るのですが、何時も展示する前に売約済みになります。次回生産時には展示する為に残せたらいいなと思っています。

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