「学手風ブリーフケース」の量産サンプルが出来上がってきました。御要望多くありましたが量産システム構築出来ずにご希望に添えない日々が過ぎて行きました。作ってもらえないからと大枚出してヤフオクに出ていた中古品のル・ボナーの過去に作った学手風ブリーフケースを購入された顧客の方もおられました。そしてやっと本格的に販売できる道筋が出来て量産サンプルが完成しました。
威風堂々としていて工房内製作品と遜色ないル・ボナーの学手風ブリーフケースに仕上がりました。
量産の最大の問題点はこの下駄と呼んでいるベルト通しの10mm強ほどの厚みを縫う事。工房内製作ではこの厚みは手縫いで処理するので難なく通過出来るのですが量産では手縫いはご法度。でもこの下駄のベルト通しは絶対にル・ボナーの学手には無くてはならない仕様。これはエルメスのボストンバッグで使われていたのを見て、学手に使うと良いなと25年ほど前に意匠が確立した。この厚みの有るベルト通しと2本の一周するベルトが鞄本体に傷がつきにくく型崩れしない大きな要素となっている。下駄ベルト通し付く学手ブリーフケースが絶対の頑固なル・ボナーはその妙案が出なくて半ば学手風ブリーフケースの量産製作は諦め気味だった。ダレスバッグは最後の枠と本体のドッキングが手縫いなのでシステム組める、でも学手風ブリーフの下駄ベルト通しは途中の工程・・・・でも手があった!
そして量産可能な工程でサンプル製作出来ました!
ベルトで締めて生まれるこのマチの折曲がりの風景が大好き。本体の厚みを抑えて柔軟にすると歳月経つと型崩れの原因にもなるけれど、それを一周するベルトが防御してくれる。
ハンドルはいつものル・ボナー、当然抑えの金具と管の間にはエレファント革入れて直接当たらずにしています。金属どうしが擦れるとホント驚くほど削れます。
ショルダーベルトも取り外し式で取り付け可能。工房内製作時はショルダー無しも作っていましたが今回の量産は全部取り外し式のショルダー付き。つり革持って通勤時とかトイレの時とかショルダーベルトあると何かと便利。ダレスバッグと比べてショルダー取り付ける本体部分は違和感少ないです。
これが25年ほど前に作った下駄ベルト通しの学手風ブリーフケースファースト。友人が長らく使い定年でもう使わないからとル・ボナーに帰還した。これ見て作って欲しいと多くのお客様から懇願された。ヴィンテージイングランドスタイルを標榜するオジサンにはノスタルジーそそられる。
そして作れました!
決して使い勝手よい鞄ではありません。特に錠前の開け締めだけでなくベルト2本の開け締めが加わる。ただブリーフケースの型崩れ及び傷を防ぐのにベルトを締める必要は有りませんので上記画像のようにループに通すだけの状態で普段使っても支障はありません。そんな手間が逆に特別と感じられるキングオブブリーフケース。
この3連錠前は真鍮素磨きの金色ですが、本生産分はすべてニッケルメッキの銀色になります。そしてこの3連錠前は生産されていなくてストックしている10個この学手風ブリーフで使い切り。
それ以外はこのイギリス風の真鍮素磨きの金色丸錠前になります。
出来上がるとこんな感じ。過去に工房内製作した時撮った画像
11月から12月初め頃に店頭に並びます。40年前に英国王室御用達のタナクロールの学手風ブリーフケースを見た時の衝撃は今でも忘れない、その後学手風ブリーフケースは仕様変更しながら作り続けた。そのル・ボナーにおける完成形が25年前下駄ベルト通しを加えることで完結した。それが量産品として蘇る。材料は前回製作時から値上がっていますが、量産システム(量産と言ってもル・ボナーは1ロット20~30個)の恩恵で税込みでも20万切る価格での販売となります。今の時代ハードな革鞄は売れません、でも作りたかった。このブリーフケースは私達夫婦にとって多くの思い出を内包したカタチです。
購入の予約をお願いしたいです。
ショルダーは不要なんですが仕方ないですね…
色は黒のみですよね?
錠前の種類は指定できますか?