ル・ボナーの一日
昔、ファーラウトというブランドがありました。
2005年11月16日
15年ほど前、私は鞄ブランドの企画をしていた事があります。
鞄職人としていき詰まり、車工場の期間従業員のアルバイトなどをしていた時、知人から鞄ブランドに勤めてみないかという話しがあり、私は東京の広尾にあるその会社に面接にゆきました。その会社の名はファーラウトといいデザイナーの林ヒロ子さんを中心にヨーロッパでも通用する鞄ブランドを作ろうと立ち上げた会社でした。
林さんは若い頃ヨーロッパやニューヨークでモデルをしてて、その後ヨーガンレールの革製品のデザイナーを経て、ファーラウトのデザイナーとして独立した女性です。
その林さんのデザインを具体化しパターンを起こしサンプルを作り製造工場(メーカー)と打ち合わせをするのが私の仕事です。その時一緒に企画の仕事をした先輩が金田さんで、鞄作りの幅を広げる意味でも、一般の鞄業界の諸事情を知るうえでも勤めたことは有意義な経験でした。
ファーラウトは商社から資金が出て、社員15人の小さな会社でしたが豊かな仕事環境が豊かな発想を生むという考えで資金を贅沢に使いました。
写真のお店はファーラウトの1号店で日本橋高島屋の1Fにありました。その後6店舗の直営店を出しましたがどの店も贅沢な内装でした。会社のショールームの内装はそれ以上に
すごいもので床にはイタリアから輸入した大理石を敷き詰めてました。
贅沢に材料を使い、手間のかかる鞄作りをし、理想を追い求めました。
しかし、スポンサーの商社が倒産し、いっしょにファーラウトも解散しました。
その後、林さんはファーラウトのメンバーの半数を連れてトモローランドで新しいブランドを立ち上げようとしましたが上手くいかず一人イタリアに旅立ちました。
私には大きな経験であったし、夢のような楽しい時間でした。
林ヒロ子さんがワールドでファーラウト、ビヨンドというブランドを立ち上げたという話しを聞きました。がんばってください。夢を追い求める林さんは素敵です。
Le Bonheur (22:04) | コメント(1)
ブランド物にはあまり興味がない(というか買えない)私ですが、以前から雑誌で見て気になっていた「ファーアウトビヨンド」の製品を、先日銀座で拝見しました。色、形といい大変きれいでとても気に入りましたが、こんな素敵ないわれがあったのですね。
お金を貯めて、ぜひいつか購入したいと思います。
遅ればせですが、貴殿のブログもとても興味深く拝読致しました。今後もご活躍されることを祈っております!