ル・ボナーの一日

素敵なフラソリティー

2009年03月25日

%EF%BC%93%EF%BC%92%EF%BC%94%E3%83%95%E3%83%A9%EF%BC%92.jpg 東京下町の3代続く老舗バッグメーカー(株)猪瀬さんの工房の特にこの階段が好きだ。 初代の時に建てたこの工房は古きよき時代のバッグメーカーのノスタルジーを色濃く残している。その建物の中でも裁断作業と職人の人たちに組上げてもらう部品たちの手配全般を行う1階から、サンプルと量産の一部の組上げをする2階へと続くこの階段は、大きな什器を移動するのに十分な幅を持った階段。東京への出張の時は必ず用がなくても寄ってしまう。(株)猪瀬さんの木造校舎のような工房にはカバンの天使が住み着いているように思う私です。 多くの合理的な日本のカバンメーカーは海外に工場を作り、国内だけのカバン産業は縮小し続ける。特に技術はあっても数をこなせない融通のきかない昔ながらの量産鞄職人はこの時代にカバン作りしていくのが益々厳しくなっている。そんな職人さんを多く抱えるということは現在の合理的な生産システムからは相反しているけれど、猪瀬さんのところにはいっぱい。まるでカバン職人の駆け込み寺。 でも私は思っています。 そんな猪瀬さんのようなカバンメーカーが日本にカバン文化を残してゆくと。 猪瀬さんのスタッフは抱える職人さんたちと違い若い。 その若い感性が腕は良くても頑固で数をこなせない量産カバン職人の人たちを生かす方法を探って自社ブランド「フラソリティー」は生まれた。 324%E3%83%95%E3%83%A9%EF%BC%91.jpg (コーカサス 贅沢な革使いで素敵に大きい。 税込み60,900円) 「フラソリティー」のバックは良質な国産ソフトキップを中心に使い、伸び縮みし易く縫製に工夫がいるソフトキップを立体的に高い縫製技術で仕上げた素敵なカバンたちだ。 いつの間にか生産現場が置き去りにされて、良いモノでなくて売れるモノを問屋はデザインだけを提供してカバンの多くは生まれるようになった。 作り手にはワクワクしながら作れる環境が何よりで、それさえあれば量産の組上げも楽しく作れる。そこから文化も生まれると思うし、豊かさ伝えるカバンも生まれる。 「フラソリティー」のカバンたちには、そんなモノ作りから生まれる豊かさを感じる。 %EF%BC%93%EF%BC%92%EF%BC%94%E3%83%95%E3%83%A9%EF%BC%93.jpg (キャタピラー 名前がイマイチ。でも女性にも人気 L 49,350円 S 37,800円) 若いスタッフと老練な職人が協力して生まれた「フラソリティー」のバッグたちを、ル・ボナーでも扱っています。ル・ボナーは自社製品以外に「フラソリティー」「TAKUYA」「カンダ ミサコ」「ワイルド・スワンズ」を置いていますが、その先駆けが「フラソリティー」でした。 共感出来る人たちの作る革製品を並べて販売することで、多くの刺激を受けながら私たち二人の作るル・ボナーも成長してゆきたいと思っています。 %EF%BC%93%EF%BC%92%EF%BC%94%E3%83%95%E3%83%A9%EF%BC%94.jpg (ビートル 使い込んで質感増すフォルム 50,400円) そして多くのモノ作りする人たちとシンクロしながら豊かな革文化が作れたら良いなと思う。 (株)猪瀬さんではフラボナの品や何点かのル・ボナー製品を作って頂いている。 これからもっと色々な企ての中で協力し合って、楽しい未来を作りたいと思っています。

Le Bonheur (21:10) | コメント(0)

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