ル・ボナーの一日
「クレマチス銀座」と「C.O.U.」
2008年12月12日
半年ぶりの東京出張です。東京午前10時13分着。
親しくしている著名な時計ライターN氏が東京駅まで来て頂いて、
今日は一日行動を共にすることになりました。
ライターN氏はいつものようにレトロなスーツスタイルにボリサリーノの中折れ帽。
私は52年前の親父が誂えたウールのコートにライトグレーのボウラーハット。
コスプレ風と言われようがへっちゃらの伊達男?二人。
猪瀬さんの工房は昭和を強く感じる工房。1階が事務所と裁断その他手配全般をこなし、
写真の階段を上がった二階にはサンプルその他鞄作りの工房がある。
テレビドラマや映画で使われたこともある味わい深い工房です。私はここが大好きです。
フラソリティーの猪瀬さんと来年の最重要プロジェクトの打ち合わせが主な目的でした。
私は独立系鞄職人の中では珍しく既存の鞄業界とのつながりも持っていて、
そのバランスの中で鞄業界の現行のシステムを少しでも変えていきたいと考え、
丁寧な仕事をする量産職人の人たちが今より豊かな鞄作りが出来る環境を
日本の中で生み出したいと願っています。
その橋渡しができないものかと思っている私です。
その思いを来年は猪瀬さんと一緒にカタチにしていきたいと思っています。
その打ち合わせを終え、ライターN氏の案内でつい最近開店した「クレマチス銀座」に行った。
鞄職人の小松さんと靴職人の高野さんが共同で始めた独立系職人のショップです。
もう、みなさん御存じですね。
渋谷の「フジイ」さんで8年修行した小松さんの作る鞄たちは洗練された高級を伝える。
金具もスターリングシルバーを使ってオリジナルで作った鞄たちは本当に見事です。
私は大いなる刺激を受けました。
高野さんの作るハンドソウで作った靴も本当に素敵です。
ライターN氏は高野さんが昔作った靴を履いていた。その靴は無骨だけれど魅力的。
その後経験と共に洗練されていった高野さんの作る靴たちは
色気を感じさせる洗練されたフォルムに昇華していった。
私もいつか作ってもらいたいと思った。
若い独立系の鞄と靴を作る職人二人に会い私は幸せな気持ちを感じながら、
二人の夢の工房を後にした。
そして「C.O.U.」に表敬訪問。
ル・ボナーの太ダレス、細ダレスやフラボナのバッグも置いてもらっている
仲間のケイズファクトリーが銀座で11月始めにオープンしたお店。
ケイズファクトリーのオリジナル(ワイルドスワンズetc)が中心のお店だけれど、
親しくしている仲間たちの品も紹介したいとの鴻野社長の思いから、
ル・ボナー製品も並んでいる神戸以外の唯一のお店です。
ケイズファクトリーは会社組織として上質な革製品を作り出そうしている
夢を持ったモノ作り集団。
私や猪瀬さんはケイズさんの人たちと一緒に面白い企てをやっていきたいと思っています。
親しくしている高名な造形作家の人にお願いしている
店内の中心に鎮座するはずのオブジェな什器はまだ完成していなくて来春になるとの事。
そのオブジェがお店に鎮座したらまた伺う事にしようと思っています。
夜の銀座を歩くと表通りは世の中不景気と言いながらも多くの人が行き交う。
ただ昔あった銀座の顔のようなお店の何軒かが消えブランドショップが多くなり、
私的には大好きな銀座が様変わりしていて寂しい気持ち。
ただ一丁目界隈の裏通りには面白くて魅力的な独立系のお店が増えて、
そんな新興のお店と今も残る老舗のお店が
新しい銀座の魅力を醸成していくように思うボンジョルノでありました。
夜遅くいつもの東京出張の常宿・学士会館へ。
ほろ酔い気分で夜は過ぎて行く。
Le Bonheur (21:36) | コメント(3)
Comments
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「クレマチス銀座」知りませんでした。
行ってみます…。
Re:時計バカのたか さん
是非見に行って見てください。
素敵なメンズの鞄と靴ですよ。
ル・ボナー松本 -
先日はお越し頂きましてありがとうございました!
また、ご紹介して頂きまして大変感謝しております。
次回またお会いできましたら楽しいお話を聞かせて下さい。
ありがとうございました。
鞄職人 小松 直幸
靴職人 高野 圭太郎
Re:小松&高野 さん
長い時間お邪魔して仕事の手を止める事になってごめんなさい。私はお二人に会えてすごく楽しかったです。
これからもよろしくお願いします。
ル・ボナー松本
う~ん、仕事で東京へ行くって、憧れます。私たちの業界、そういう出張は、よっぽど偉いさんにならない限りありません。偉いさんになったらなったで、鞄屋さんの仕事の邪魔しに行くような暇が無くなります。で、結局、冷たい視線を浴びながら、夜行バスで束の間東京の空気を吸いに行くのです。
Re:つきみそう さん
今回仕事で東京に行った訳でありますが、最大限それも楽しんでいるのは事実であります。翌日は忙しい仕事の合間をぬって?ユーロボックスに行き、その後フルハルターで森山さんとでべそ会長と3人であのカバンについて話しました。これは仕事です。そうですよね?。
ル・ボナー松本