ル・ボナーの一日

フェルディナンドカーフで作る最後の鞄

2008年07月19日

%EF%BC%97%E6%9C%88%20043.jpg レジェ・ボストンを北欧のフェルディナンドカーフを使って作っております。 お客様の要望で、この革を使って作っておりますが、 フェルディナンドカーフで作る大きなバッグは、これが最後です。 私たちはこのエルク(大鹿)に似た質感でありながら、 鹿の弱点である表皮が弱い(革自体は丈夫なんだけれど)という部分をカーバーしながら、 より繊細にエルクの質感を表現したフェルディナンドカーフという、 生後6ヶ月の子牛の革が大好きでした。 率先して使うようにしましたが(フェルディーは最初この革を生かすためデザインした)、 高価だったためなのか、ル・ボナー以外使うところがなく、 零細なル・ボナーだけで北欧から買うのは厳しく(一度に買わなければならいロットがきつい)、 買い込んでいたデッドストックがあるだけとなりました。 そうこうしているうちに北欧最大手のタンナー・ボルゲ社系列の、 フェルディナンドカーフを作っていたタンナーは廃業してしまい、 ロットの数量をOKしたとしても、2度と購入することは出来なくなりました。 %EF%BC%97%E6%9C%88%20045.jpg そのフェルディナンドカーフで作るレジェ・ボストンは良い感じになりそうです。 ソフトな革のためコバの磨き処理は困難な作業ですが、何とか磨けそうです。 内貼りは、今までの定番とは違って、今回からピッグスキンを使いました。 厚みと重さは増えますが、口元を開けた時に「わぁ~綺麗ぃ~!」という感動を感じるはずです。 それにしても、厚みがあるのに柔らかくしっとりしたカーフって、 作るタンナーがヨーロッパでも少なくなってしまったなぁ~。 残念な事であります。 %EF%BC%97%E6%9C%88%20044.jpg 同時に店舗展示用として、ダークブラウン色のタンニンなめしのバッファロー革でも、 レジェ・ボストンを作っています。これも内貼りはピッグスキンを使って作っています。 良い味わいのレジェ・ボストンが出来上がりそうです。 梅雨も開け、関西の暑~い夏が始まりました。暑い夏に、革製品なんて売れません。 でもカバン作りの方は終わり無き現在進行形。 目の前の人工の川・リバーモールで水遊びする家族連れを恨めしそうに見ながら、 私たちはカバン作り頑張っております。

Le Bonheur (21:13) | コメント(2)

Comments

  1. 中満  より:

    19日は長い時間お邪魔して申し訳ありませんでした。ル・ボナーのお店の雰囲気と作品を直に触れられたことは今後の作品の製作に大きな影響になります。有り難うございました。奥様のお気遣いには大変感謝しております。
    「芸は人なり」「作品は人なり」と強く感じ、人の心のわかる作品を作って行こうと強く感じました。お忙しいとは思いますが
    次回お伺いしたときは、是非お食事でもご一緒できたら幸いです。

  2. ル・ボナー松本 より:

    中満 さん
    遠路来ていただいてありがとうございました。また来てください。木曜日だと自由に動けます。
    モノ作りは楽しい仕事です。その楽しみを大変さも含めてお互い満喫いたしましょう。

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