ル・ボナーの一日
おねだりと愛ある贈り物の境界線
2008年07月17日
私は小学生だった頃が一番学力優秀でした。
田舎の小学校でしたが、クラスで2番であった。
しかし1番との距離は埋めがたく、その後私は奈落の底に。
逆に1番は成績優秀な道を歩み続けた。
その1番が、初めてのイタリアを一緒に旅行した、とぼけた弁護士O君。
その弁護士O君が司法試験の受験勉強をしていた頃使っていた万年筆を持ってきた。
私の万年筆菌が感染したのか、
久しぶりに昔使っていた万年筆を使おうかなぁ~なんて思ったようです。
パイロットのオーバーフィード可動式の「ジャスタス」と、プラチナの「#3776」。
書いてみると良い。
ジャスタスはパイロットの万年筆とは思えないペン先のしなりがあり、毛筆のような書き味。
#3776は典型的なプラチナの独特の書き味。
それが良く使ったためにイリジュウムがなめらかになり、
メリハリがありながらス~と気持ち良い書き味。
#3776のキャップがぐらぐらなのをメーカーに私が出してあげると言って預かった。
ジャスタスはその場で、私のモノに無理やりなったのだけれど、
その後1500円で完調になった#3776も、必然のように私の元へ。
どさくさまぎれに私の所有物に無理やりなったこの2本。
すごく気に入って、普段一番良く使っています。
O君は良い人ですから、使うのなら現在手元にある149と146を使って下さい。
ジャスタスと#3776は、O君の事を少し想いながら、私が使わせていただきます。
この2本良い。私の処に落ち着く運命だったのだ。
私の万年筆収集はこのように、優しい人たちから半強制的に譲り受けたり、
なけなしの小遣いを、つめに火を灯すように買っています。
それに比べ、ハミはランドセルオヤジの犠牲になって可哀そうなんて、
間違った認識を持つ優しい人たちが、プレゼントしてくださるものだから、
万年筆を集めることには興味がないといいながら、
多くの万年筆を所有する、隠れ万年筆コレクターとなっている。
先日も万年筆愛好家Uさんから、ハミさん使ってくださいと、
シェーファーのタルガ・スリムを頂いたのだ。
この万年筆大変細い胴でありながらキャップを開けると、
シェーファーの金字塔、象嵌加工のペン先が出現する感動~。
私も同じスリムな万年筆はモンブランのノブレスを、
友人の店長(ニックネーム)から奪い取って持っているけれど、
このタルガスリムの方がペン先が出現した時、感動的です。
私が欲しい~。
というように私にではなくハミにと、愛ある贈り物を頂くのだ。
ハミの持っている10数本の万年筆の中で、購入したのは3本だけ。
先日名古屋のお客様のKさんから封筒が届いた。
中には、万年筆でのお手紙とご本人が削った「篆刻」という印が入っていた。
押してみると、カバンの絵の中に「はみ」の文字。
ハミは至極喜び、これから万年筆で手紙を書く時の必需品として使うそうです。
親しいお客様が来るたびに、「良いでしょう」と嬉しそうに見せているハミです。
私も実はマイ印鑑を持っている。
親しくしている若くしてメタボ体型まっしぐらのミステリアスY君が、
サントリーのモルトを8杯飲むと樽の木で作った版をもれなく作ってもらえるキャンペーンを、
期間限定でやっているバーがあるという情報を持って来た。
本人の分を見せてもらうと、これがなかなか良いではないですか。
私は是非とも入手したいと、ミステリアスY君に脅しをかけ、
彼は締切間際のこのキャンペーン期間中に、私の版を作るため、
バーに通いサントリーのモルトウイスキーを飲み続けた。
その結果、私もマイハンコをゲットすることに成功しました。
飲み代は当然ミステリアスY君の自腹です。
このように私は人の優しさに感謝しつつも、半強制的にモノを収集しております。
それに比べ、ハミは愛ある贈り物が自然に増えていきます。
その間には大きな隔たりがあるように思います。
モノにこだわることなく達観したボンジョルノ松本にはなれそうにありません。
Le Bonheur (11:23) | コメント(2)
Comments
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d-sakata様
大きいが浅いお皿。ズバリ!で笑ってしまいました。
主人は、今後もその深い意味を解らずして走り続けるのだと思いますが、d-sakata様他、皆様の深くおおらかな優しい心に、ありがとう! です。
人には生まれつき持った器があるそうです。大きいが浅いお皿のような器。小さいが深い壷のような器。ここにいっぱい水を入れようとしてもあるところ以上には入らないと。ボンジョルノ氏が使えば使うほど今度はハミさん所へ転がり込んでくるようになっているんですよ。欲は追っかければ追っかけるほど遠のいていき、諦めればまた寄ってくる。ここが本当に難しいところではないでしょうか。