ル・ボナーの一日
ユーロボックスからPFMが届いた
2008年07月13日
小学生の頃、文具をお菓子箱にいっぱい入れて、学校にいつも持って行っていた。
消しゴミ、筆記具、定規、特殊コンパスetc・・・。
玩具をねだると怒られたけれど、文具なら許す親だった。
それを良いことに、必要ないけれど面白いと思った文具を沢山持っていると幸せだった。
その後そういった部分は露呈することなく、大人になっていった。
幼き頃の文具集めの悦楽を、40年後50歳を越えた年齢を迎えて復活してしまったぁ~。
銀座のヴィンテージ万年筆の聖地「ユーロ・ボックス」から待望の万年筆たちが届いた。
アンティーク万年筆に魅せられた人たちは、この万年筆屋さんを訪れると、
その膨大な在庫に圧倒され、ますます病気が悪化する。
それで”悪魔の館”と呼ぶ人もいる。
2か月前、東京出張の時にTAKUYA君に道案内してもらい初めて訪れた。
ユーロボックスが店舗をかまえるレトロなビルヂングの前では、
ユーロの常連客で、インク瓶コレクターのOさんも待っていてくださった。
3人で手動ドアのレトロエレベーターで悪魔の館へ~。
ユーロボックスに初めて訪れる人は、必ずと言っていいほど道に迷う。
なんとか辿り着いても、お店が閉まっていることも多々。
土日以外の営業日は月に2日ほどなので、
平日に訪れる場合は、よ~く営業日を確認してから行かないとまず閉まっている。
私は確認して訪れたので、その驚愕の在庫の山を見ることが出来た。
私はインク瓶コレクターのOさんが、ル・ボナーに来られた時見せていただいた、
シェーファーのPMFスノーケルに魅力を感じ、どうしても私も欲しいと強く希望し、
ユーロボックス初訪問となった訳であります。そして購入しました。
ただ購入後整備調整していただき、手元に届くのが1ヶ月以上先になります。
待ちに待ったその万年筆が届いたのです。
シェーファーのPFM-3スノーケルです。
現在のシェーファーの万年筆でも継承されている、
独特の象嵌のペン先はこのPMFが最初ではないか。
それも象嵌ペン先の中でもPFMが最大級の大きなサイズのペン先です。
日本でも技術力のある万年筆メーカー パイロットが、
象嵌のペン先の「ウルトラ」という大変魅力的な万年筆を出しましたが、
製造過程で不良品の発生率が高くて、その後作っていない。
その象嵌の美しいペン先を安定して作り続けるシェーファーは偉い。
まさにオリジナルな発想の美意識。コンコルドライン。
そしてスノーケルという魅力的な機構。
蚊が血を吸うように(喩えが悪い)、細いノズルがペン芯から出てきて、
タッチダウン式という、ニューマチック式に似た独特の吸入方式でインクを、
ペン先を汚さず吸引する馬鹿馬鹿しくも楽しい工夫。
シェーファー100年の歴史の中で、一番輝いていた時代の、
傑作万年筆がこのPFMスノーケルだと思うのであります。
それと通称「豚ぺん」と呼ばれている独特なペン先のシェーファー。
1ヶ月ほど前に新関西版悪魔の館?で、同じペン先のタッカウェイを入手してしまったので、
豚ペンはこれと合わせて2本。ただこれは面白機構のスノーケルタイプ。後悔はありません。
シェーファーは独自のオリジナルな発想で、面白い万年筆を創造していたことに感動。
私はその後に登場したタルガも含めて、シェーファーの万年筆を7本所有していることに気付く。
ある時代まで、シェーファーは本当に面白かったと思う。
予想より安くお目当ての2本を購入することに成功した私は、
このメカニカルペンシル モンブランの1,18ミリ芯のピックスも入手することにした。
多くのシャープペン愛好家が「シャープペンはピックスが最高~!」と、
自信を持って言うそのピックス。一番オーソドックスなピックスを選んだ。
大学卒の初任給が2~3万だった頃、定価4000円だった高級シャープペンシル。
カチカチという小気味良い音と感触で、芯を送り出す。
1.18ミリの極太芯が、万年筆に似た書き味を提供する。
大満足の初めての高級シャープペンシルであります。
で結局予算オーバーしながら3本の筆記具を購入。
何度も言います。私のように筆記具をいっぱい買う必要はまったくありません。
お気に入りが数本あれば、それで十分。
それにしてもユーロボックスは私にとって、魅力的過ぎた。
子供の頃の悪癖の再現か。三つ子の魂百までなんて言うよなぁ~。
オノトのマグナもマンモスもあったぁ~。いけない・・・いけない。
Le Bonheur (21:07) | コメント(4)
Comments
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昨日はさっそくスノーケル見せていただきありがとうございました。ユーロボックスは東京出張の折に行こうと思っているのですがまだ行ったことがありません。皆さんのお話を伺っていると私みたいなのは行かないほうが身のためのようです。
実は昨日ル・ボナーさんへ行ったのはブッテーロの名刺入れを買おうと思っていたのです。ボンジョルノさん、ハミさんと万年筆の話などをして、ああ楽しかった、と帰ったのでした。家内に名刺入れは?と言われて、しまった、忘れておった、もう年やな、と愕然とした次第です。
ところで、誠に勝手ながら、ブッテーロ名刺入れ、ワイン色、残っていましたら、取り置きお願いします。 -
めだか さん
お久しぶりです。
東京は万年筆関係の誘惑が多くていけません。神戸に住んでいてよかったぁ~。めだかさんを含め誘惑だらけの魔都で、冷静に万年筆趣味を貫徹されておられる皆様は立派であります。ああモンブランの二桁も入手したいのは山々ですが、少し冷静になることにいたします。
tsugu_u さん
昨日はありがとうございました。是非一度ユーロボックスに行ってみてください。ビンテージ万年筆の量と質に圧倒されます。それもすべて完動品です。
名刺入れのワインは取り置きしておきます。私も「ワインの名刺入れは?」と聞くのを忘れておりました。 -
いつも楽しく拝見しておりました。
ちなみに、そのPFM3はユーロボックスさんでおいくらでしたか?
Re: パンテノン さん
3万円とちょっとだったと記憶しています。
良いですよ。
ル・ボナー松本
ずいぶん状態が良いですねえ。
>蚊が血を吸うように
この表現、かなり当たってる!昆虫は使うときだけのばしますから。
私は昨日、館でPILOT楓を入手しました。遊びに行ったつもりが、悪魔の手に…。さらに、気付いたら左手にいつの間にかモンブラン24が…危うくこちらも入手するところでした。
あの圧倒的な量は、「一本くらい…」という気持ちにさせますな。
それにしても、良い写真。この写真も「欲しぃ~」気持ちをくすぐるなぁ。