ル・ボナーの一日

チェザレ・エミリアーノ

2008年06月26日

%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%93%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%81%AE%E9%9B%86%E3%81%84.jpg 2007年9月ミラノにて  アウトビアンキの集い 私はイタリアが好きである。この国面白過ぎます。 サミット参加国でありながら、先進国にありがちなビジネスチックな部分が希薄だと思う。 第二次世界大戦では、枢軸同盟の一員であったし、 ファシズムの元祖はイタリアのムッソリニーだったと記憶しているのだけれど、 本当に参戦したのかと思ってしまう。 唯一イタリア本土で空爆された大都市ナポリには、 今でも空爆された時のままの建物が、修繕されずにあるらしい。 そんな国が作りだすモノは、素敵に手作りチックです。 そして特別な職人芸を時々見せていただける。 私の専門のカバンは、グッチが一族の手から離れグローバルな企業になった頃から ドキドキするようなカバンは見なくなったけれど、グッチ、バレクストラ、プラダ、etc・・・面白かった。 その残り香は、今もイタリアにはある。 ヒッチコックの「裏窓」でグレース・ケリーが持っていたグッチのハンドバッグは衝撃的だった。 でもイタリア的なカバンをこの頃見れなくなったなぁ~。 しかし歴史が培ったイタリア的美意識と職人芸は、今も他の各分野で脈々と存在しつづける。 ホラー映画はアメリカモノよりダリル・アンジェルトの「サスペリア」の色彩感覚に衝撃を受け、 お金がなくて技術開発できなくて、旧式のシステムを積んだイタリア車だけれど、 職人がその古い機械を積んだ現代車を特別面白い車に仕上げる。 アバルトの連中は、世界一の市井の車改造職人集団だぁ~!。 そして凄過ぎる歴史を持った国だのに、あまりそれを大事にもしない。 結果オーライ、楽しく生きるのが何よりと考える国民性。 そのバランスが、たまらない。 %EF%BC%91%EF%BC%90%E6%9C%88%20803.jpg そんな快楽第一主義の国民が作りだす万年筆は、媚薬たっぷりの色香ぷんぷんの万年筆。 特に軸の色が抜群。伊太利亜万年筆の軸の色に魅了されたら、もう戻れない。 だから私の持っている数少ない2本の伊太利亜万年筆は黒とシルバーのモノクロ・・・?。 偶然ではあったけれど、イタリアの色の魔力を回避してよかったぁ~。 私の知っている伊太利亜万年筆大好き人間たちは、 セルロイドその他カラフルな色の軸に魅了され、 そうなったらもう簡単には普通の人には戻れない。 イタリアの色モノの万年筆はアウロラの85周年レッドだけで十分。 それも販売価格の半額程度でないと私は買わないと決めている。 それが私のわずかな抵抗。 イタリアの軸色にたぶらかされたら、その先には迷宮への招待状が待っている。 限定品乱発、それも割高で。 ドイツの万年筆と違ってそんなに沢山売れるはずのない伊太利亜万年筆。 2000本限定なんて言っているけれど、 それだけ売れればイタリアモノだと十分定番じゃないか。 それも軸の形状は同じで、色変えて限定で高い値段は詐欺だぁ~。 でもイタリアモノは許されてしまう。 その最たるブランドがデルタ。 同じペン先で色々いっぱい限定品作って、割高な値段で売って節操がない。 さすがナポリの万年筆メーカーです。でもそれが事実なのだけれど、魅力的だぁ~。 私のアルファロメオ145クワドリフォリオ前期型のアル君もナポリ工場もの、 それでデルタ限定アルファロメオ万年筆です。私も乗せられているのかな。 スティピュラのダヴィンチにしても、この黒タイプの後に出した赤のダヴィンチは、 交換出来るボールペンの中身が無理やりついて5万円アップです。 そりゃないだろう。でもダヴィンチは面白い万年筆だ。 そんな風にほざいている私ですが、 3本目の伊太利亜万年筆を近々入手することに。 %EF%BC%91%EF%BC%90%E6%9C%88%20180.jpg チェザレ・エミリアーノというイタリアの独立系の職人が作った万年筆。 水牛の角とスターリングシルバーのコンビネーションが絶妙。 まさにこれこそイタリアの歴史が作り出した意匠と私には思えた。 この万年筆の存在は知っていて、ただ見果てぬ夢と諦めていた。 ネットで調べても、あまり詳しい情報は分からない幻の万年筆です。 そのイタリアの美意識と歴史を表現している万年筆と、私は思っているチェザレ・エミリアーノを、 ル・ボナーの顧客で万年筆愛好家の28さんが譲ってくれるというのです。 これはまたとないチャンス。 ここのところ万年筆の歴史を後追いする万年筆を矢継ぎ早に購入したボンジョルノ松本です。 なくても全然困らないけれど、このチャンスを逃しては後悔するに決まっている。 今回はハミに前もって相談お伺いをたてた後、購入決定。 ただハミに「しばらく万年筆は控えてね」の一言。当然です。 3年連続のイタリア視察旅行はかないそうにありませんが、 その代りと言う訳ではないのですが、イタリア的なモノが私を侵食しています。 もうすぐチェザレが私の元に来ます。美しいぃ~。

Le Bonheur (09:57) | コメント(2)

Comments

  1. ノブ より:

    チェザレ・エミリアーノ!!!
    伊太利亜の迷宮の招待状です!
    スターリングシルバーの職人技はセルロイドよりもさらに泥沼!
    Auroraの限定品、Deltaの限定品のセルロイドとスターリングシルバーのコンビネーションが好きです。でも高価すぎますね。オークションで安価でなければ手が出ません。

  2. ル・ボナー松本 より:

    ノブ さん
    伊太利亜万年筆は極力見ないようにしていますが、近づいてきます。チェザレ・エミリアーノは本当に素敵な万年筆で惚れぼれいたします。あとレッドが長期計画で入手出来れば、もうイタリア万年筆は十分だと思っていますが、どうなるやら。後はノブさんたちにお任せいたします。イタリア万年筆の価値は半額程度が妥当ではないかと思っています。それを色とデザインとケースその他のおまけで高く売っています。安く入手しましょう。その方が満足度が倍増します。

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